Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)

Procedureカスタムマッピングまたは非標準マッピングを使用して N2L サービスを設定する方法

次の状況に適合する場合、この手順を実行してください。

  1. 「NIS から LDAP への移行のための前提条件」にリストされた前提条件の手順を完了します。

  2. NIS マスターサーバーで、スーパーユーザーになるか、同等の役割になります。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の第 9 章「役割によるアクセス制御の使用 (手順)」を参照してください。

  3. NIS マスターサーバーを N2L サーバーに構成します。


    # inityp2l
    

    NIS マスターサーバーで inityp2l スクリプトを実行して、プロンプトに従います。指定が必要な情報のリストは、「NIS から LDAP への移行サービスの設定」を参照してください。

    詳細については、inityp2l(1M) のマニュアルページを参照してください。

  4. /var/yp/NISLDAPmapping ファイルを修正します。

    マッピングファイルの修正方法の例は、「カスタムマップの例」を参照してください。

  5. LDAP ディレクトリ情報ツリー (DIT) が完全に初期化されているかどうかを判定します。

    NISLDAPmapping ファイルにリストされたすべてのマップの配備に必要な情報がすでに DIT 内に存在する場合、DIT は完全に初期化されています。

    • 初期化されていない場合、手順 6、手順 8、および手順 9 を完了します。

    • 初期化されている場合、手順 6 をスキップして、手順 7、手順 8、および手順 9 を完了します。

  6. NIS ソースファイルから移行するため、DIT を初期化します。

    1. 以前の NIS マップが最新の状態になっていることを確認してください。


      # cd /var/yp
      # make
      

      詳細については、ypmake(1M) のマニュアルページを参照してください。

    2. NIS デーモンを停止します。


      # svcadm disable network/nis/server:default
      
    3. 以前のマップを DIT にコピーしてから、マップ用の N2L サポートを初期化します。


      # ypserv -Ir
      

      ypserv が終了するまで待ちます。


      ヒント –

      元の NIS dbm ファイルは上書きされません。必要に応じて、これらのファイルを回復できます。


    4. NIS デーモンを起動し、デーモンが新しいマップを使用していることを確認します。


      # svcadm enable network/nis/server:default
      
    5. 手順 7 をスキップして、手順 8 から続行します。

  7. NIS マップを初期化します。

    DIT が完全に初期化されている場合に限って、この手順を実行します。

    1. NIS デーモンを停止します。


      # svcadm disable network/nis/server:default
      
    2. DIT 内の情報に従って NIS マップを初期化します。


      # ypserv -r
      

      ypserv が終了するまで待ちます。


      ヒント –

      元の NIS dbm ファイルは上書きされません。必要に応じて、これらのファイルを回復できます。


    3. NIS デーモンを起動し、デーモンが新しいマップを使用していることを確認します。


      # svcadm enable network/nis/server:default
      
  8. LDAP エントリが正しいことを確認します。

    エントリが間違っている場合、LDAP ネームサービスクライアントからはそのエントリを見つけられません。


    # ldapsearch -h server -s sub -b "ou=servdates, dc=..." \
    "objectclass=servDates"
    
  9. LDAP_ マップの内容を確認します。

    次に、makedbm を使用して servdate.bynumber マップの内容を確認する方法の例を示します。


    # makedbm -u LDAP_servdate.bynumber
    plato: 1/3/2001
    johnson: 2/4/2003,1/3/2001
    yeats: 4/4/2002
    poe: 3/3/2002,3/4/2000

    出力結果が期待どおりの内容であれば、NIS から LDAP への移行は成功です。

    元の NIS dbm ファイルは上書きされないことに注意してください。したがって、いつでもこれらのファイルは回復できます。詳細については、「NIS に戻す方法」を参照してください。