Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)

Solaris RBAC の要素と基本概念

Solaris OS の RBAC モデルでは、次の要素が導入されました。

次の図では、各 RBAC 要素の動作を示します。

図 8–1 Solaris RBAC 要素の動作

この図については次に説明します。

RBAC では、ユーザーに役割が割り当てられます。役割を引き受けると、ユーザーはその役割の権限を利用できる状態となります。役割の権限は権利プロファイルから取得されます。権利プロファイルには、承認、特権付きコマンド、その他の補足的な権利プロファイルを含めることができます。特権付きコマンドは、セキュリティー属性を使用して実行されるコマンドです。

次の図は、Operator 役割、Operator 権利プロファイル、Printer Management 権利プロファイルを例に、RBAC 要素の関係を示しています。

図 8–2 Solaris RBAC 要素の関係の例

この図については次に説明します。

Operator 役割は、プリンタ管理とメディアのバックアップを行うのに使用されます。この役割は、ユーザー jdoe に割り当てられています。jdoe は、この役割に切り替えて役割のパスワードを入力することにより、この役割を引き受けることができます。

Operator 権利プロファイルは、Operator 役割に割り当てられています。Operator 権利プロファイルには、2 つの補助プロファイル Printer Management と Media Backup が割り当てられています。これらの補助プロファイルは、Operator 役割の主要な作業を反映しています。

Printer Management 権利プロファイルは、プリンタ、印刷デーモン、およびスプーラの管理用プロファイルです。Printer Management 権利プロファイルには、 solaris.admin.printer.readsolaris.admin.printer.delete、および solaris.admin.printer.modify 承認が含まれています。これらの承認を使用することで、役割とユーザーはプリンタキューの情報を操作できます。Printer Management 権利プロファイルには、euid=lp が指定された /usr/sbin/lpshuteuid=0 が指定された /usr/ucb/lpq など、セキュリティー属性が指定された多数のコマンドも含まれます。