Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)

Kerberos 管理権限を制限して SEAM ツールを使用する

admin 主体が Kerberos データベースの管理権限をすべて持っている場合は、SEAM 管理ツールの機能をすべて使用できます。ただし、たとえば主体の一覧の表示、主体のパスワードの変更だけができるように、Kerberos 管理権限を制限することもできます。Kerberos 管理権限を制限した場合でも、SEAM ツールを使用できます。ただし、許可された Kerberos 管理権限によって、SEAM ツールの使い方が異なります。表 25–6 は、Kerberos 管理権限に基づいた SEAM ツールの変更の一覧です。

一覧表示権限がない場合、SEAM ツールの表示がもっとも大きく変わります。この場合、操作する主体とポリシーの一覧が「List」パネルに表示されません。代わりに、「List」パネルの「Name」フィールドを使用して、操作する主体またはポリシーを指定する必要があります。

SEAM ツールにログインしても、必要な権限がない場合は、次のメッセージが表示されて「SEAM Administration Login」ウィンドウに戻ります。


Insufficient privileges to use gkadmin: ADMCIL. Please try using another principal.

主体が Kerberos データベースを管理する権限を変更する方法については、「Kerberos 管理権限を変更する方法」を参照してください。

表 25–6 Kerberos 管理権限が制限された SEAM ツールの使用

許可しない権限 

SEAM ツールの変更 

a (追加)

「Principal List」および「Policy List」パネルの「Create New」と「Duplicate」ボタンを使用できません。追加権限がない場合は、新しい主体またはポリシーを作成または複製できません。 

d (削除)

「Principal List」および「Policy List」パネルの「Delete」ボタンを使用できません。削除権限がない場合は、主体またはポリシーを削除できません。 

m (変更)

「Principal List」および「Policy List」パネルの「Modify」ボタンを使用できません。変更権限がない場合は、主体またはポリシーを変更できません。  

また、「Modify」ボタンを使用できない場合、パスワードの変更権限を持っていても、主体のパスワードを変更できません。 

c (パスワードの変更)

「Principal Basics」パネルの「Password」フィールドが読み取り専用になり、変更できません。パスワードの変更権限がない場合、主体のパスワードを変更できません。  

パスワードの変更権限を持っている場合でも、主体のパスワードを変更するときは、さらに変更権限が必要になります。 

i (データベースの照会)

「Principal List」および「Policy List」パネルの「Modify」と「Duplicate」ボタンを使用できません。照会権限がない場合は、主体またはポリシーを変更または複製できません。  

また、「Modify」ボタンを使用できない場合、パスワードの変更権限を持っていても、主体のパスワードを変更できません。 

l (一覧)

「List」パネルで主体とポリシーの一覧を表示できません。一覧権限がない場合は、「List」パネルの「Name」フィールドを使用して、操作する主体またはポリシーを指定する必要があります。