Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)

PATH 変数の設定

PATH 変数を正しく設定しないと、他人が持ち込んだプログラムを誤って実行し、データを壊したりシステムを損傷したりするおそれがあります。このようなプログラムはセキュリティー上の危険を招くので、「トロイの木馬」と呼ばれます。たとえば、公開ディレクトリの中に別の su プログラムが置かれていると、システム管理者が気づかずに実行してしまう可能性があります。このようなスクリプトは正規の su コマンドとまったく同じに見えます。このようなスクリプトは実行後に自らを削除してしまうため、トロイの木馬が実際に実行されたという証拠はほとんど残りません。

PATH 変数はログイン時に自動的に設定されます。パスは、起動ファイル、すなわち .login.profile、および .cshrc を通して設定されます。現在のディレクトリ (.) への検索パスを最後に指定すれば、トロイの木馬のようなタイプのプログラムを実行するのを防ぐことができます。スーパーユーザーの PATH 変数には、現在のディレクトリを指定しないでください。

自動セキュリティー拡張ツール (ASET) は、起動ファイルの PATH 変数が正しく設定されているかどうかを調べます。また、PATH 変数にドット (.) エントリが含まれていないか確認します。