Oracle Solaris のシステム管理 (Oracle Solaris コンテナ : 資源管理と Oracle Solaris ゾーン)

使用可能な資源制御

次の表に、このリリースで使用できる標準の資源制御を示します。

この表では、各制御によって制約される資源について説明し、project データベースにおけるその資源のデフォルトの単位を示します。デフォルトの単位には次の 2 種類があります。

したがって、project.cpu-shares は、プロジェクトで使用することが許可されている配分を示します。一方、process.max-file-descriptor は、open(2) システムコールによってプロセスに割り当てることができる最大ファイル番号を指定します。

表 6–1 標準の資源制御

制御名 

説明 

デフォルトの単位 

project.cpu-cap

Solaris 10 8/07: 1 つのプロジェクトで消費可能な CPU 資源量に対する絶対的な制限。project.cpu-cap 設定と同様、100 の値は 1 つの CPU の 100% を意味します。125 の値は 125% になります。CPU キャップの使用時は、100% がシステム上の 1 つの CPU の上限となります。

数量 (CPU の数) 

project.cpu-shares

このプロジェクトに対して、公平配分スケジューラ (FSS(7) のマニュアルページを参照) で使用することが許可されている CPU 配分。

数量 (配分) 

project.max-crypto-memory

ハードウェアによる暗号化処理の高速化のために libpkcs11 が使用できるカーネルメモリーの合計量。カーネルバッファーおよびセッション関連の構造体の割り当ては、この資源制御に対してチャージされます。

サイズ (バイト) 

project.max-locked-memory

ロックされる物理メモリーの許容合計量。 

priv_proc_lock_memory がユーザーに割り当てられている場合、そのユーザーがすべてのメモリーをロックするのを防ぐため、この資源制御の設定も検討してください。

Solaris 10 8/07: Solaris 10 8/07 リリースでは、project.max-device-locked-memory は削除され、この資源制御で置き換えられました。

サイズ (バイト) 

project.max-port-ids

イベントポートの許容最大数。 

数量 (イベントポート数)  

project.max-sem-ids

このプロジェクトに許容されるセマフォー ID の最大数。 

数量 (セマフォー ID の数) 

project.max-shm-ids

このプロジェクトに許容される共有メモリー ID の最大数。 

数量 (共有メモリー ID の数) 

project.max-msg-ids

このプロジェクトに許容されるメッセージキュー ID の最大数。 

数量 (メッセージキュー ID の数) 

project.max-shm-memory

このプロジェクトに許容される System V 共有メモリーの合計量。 

サイズ (バイト) 

project.max-lwps

このプロジェクトで同時に使用できる LWP の最大数。 

数量 (LWP 数) 

project.max-tasks

このプロジェクトに許容されるタスクの最大数 

数量 (タスク数) 

project.max-contracts

このプロジェクトに許容される契約の最大数 

数量 (契約数) 

task.max-cpu-time

このタスクのプロセスで使用できる最長 CPU 時間。 

時間 (秒) 

task.max-lwps

このタスクのプロセスで同時に使用できる LWP の最大数。 

数量 (LWP 数) 

process.max-cpu-time

このプロセスで使用できる最長 CPU 時間。 

時間 (秒) 

process.max-file-descriptor

このプロセスで使用できる最大のファイル記述子インデックス。 

インデックス (最大ファイル記述子) 

process.max-file-size

このプロセスの書き込みに使用できる最大ファイルオフセット。 

サイズ (バイト) 

process.max-core-size

このプロセスによって作成されるコアファイルの最大サイズ。 

サイズ (バイト) 

process.max-data-size

このプロセスで使用できるヒープメモリーの最大サイズ。 

サイズ (バイト) 

process.max-stack-size

このプロセスに使用できる最大スタックメモリーセグメント。 

サイズ (バイト) 

process.max-address-space

このプロセスで使用できる、セグメントサイズの総計としての最大アドレス空間。 

サイズ (バイト) 

process.max-port-events

イベントポートあたりに許容されるイベントの最大数。 

数量 (イベント数)  

process.max-sem-nsems

セマフォーセットあたりに許容されるセマフォーの最大数。 

数量 (セットあたりのセマフォー数) 

process.max-sem-ops

1 回の semop コールに許容されるセマフォー操作の最大数 (semget() のコール時に資源制御からコピーされる値)。

数量 (操作の数) 

process.max-msg-qbytes

メッセージキュー内のメッセージの最大バイト数 (msgget() のコール時に資源制御からコピーされる値)。

サイズ (バイト) 

process.max-msg-messages

メッセージキュー内のメッセージの最大数 (msgget() のコール時に資源制御からコピーされる値)。

数量 (メッセージ数) 

資源制御の設定や変更がまったく行われていないシステム上では、資源制御のデフォルト値を表示できます。そのようなシステムでは、/etc/systemproject データベースにデフォルト以外のエントリが含まれていません。値を表示するには、prctl コマンドを使用します。