Oracle Solaris のシステム管理 (Oracle Solaris コンテナ : 資源管理と Oracle Solaris ゾーン)

ゾーンの停止、再起動、およびアンインストールについて

ここでは、ゾーンの停止、再起動、およびアンインストール手順の概要について説明します。要求があった際にゾーンの停止に失敗した場合の障害対処に関するヒントも提供します。

ゾーンを停止する

ゾーンのアプリケーション環境および仮想プラットフォームの両方を削除する場合に、zoneadm halt コマンドを使用します。これにより、ゾーンはインストール済みの状態に戻されます。すべてのプロセスが終了し、デバイスが構成解除され、ネットワークインタフェースが破棄され、ファイルシステムのマウントが解除され、カーネルデータ構造が破棄されます。

halt コマンドにより、ゾーン内部の停止処理スクリプトが実行されることはありません。ゾーンの停止処理を行う方法については、zlogin を使用してゾーンを停止処理する方法」を参照してください。

停止操作に失敗する場合は、「ゾーンが停止しない」を参照してください。

ゾーンを再起動する

zoneadm reboot コマンドを使用してゾーンを再起動します。ゾーンは停止し、その後再起動します。ゾーンの再起動時に、ゾーン ID が変更されます。

Solaris 10 8/07: ゾーンのブート引数

ゾーンでは、次のブート引数を zoneadm boot および reboot コマンドに使用できます。

次の定義が適用されます。

-i altinit

最初のプロセスとなる代替実行可能ファイルを選択します。altinit は実行可能ファイルへの有効なパスでなければなりません。デフォルトの最初のプロセスについては、init(1M) のマニュアルページを参照してください。

-m smf_options

SMF のブート動作を制御します。復元オプションとメッセージオプションという、2 種類のオプションがあります。メッセージオプションは、ブート中に表示されるメッセージの種類と数を決定します。サービスオプションは、システムのブートに使用されるサービスを決定します。

復元オプションは次のとおりです。

debug

標準のサービス別出力と、ログに記録されるすべての svc.startd メッセージを出力します。

milestone=milestone

指定されたマイルストンで定義されているサブグラフに起動します。有効なマイルストンは、nonesingle-usermulti-usermulti-user-server、および all です。

メッセージオプションは次のとおりです。

quiet

標準のサービス別出力と、管理者の介入を必要とするエラーメッセージを出力します。

verbose

標準のサービス別出力と、詳細情報を提供するメッセージを出力します。

-s

マイルストン svc:/milestone/single-user:default に対してのみ起動します。このマイルストンは、init のレベル s と同等です。

使用例については、「ゾーンの起動方法」および 「ゾーンをシングルユーザーモードで起動する方法」を参照してください。

Solaris サービス管理機能 (SMF) と init については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の第 18 章「サービスの管理 (概要)」、および svc.startd(1M)init(1M) のマニュアルページを参照してください。

ゾーンの autoboot

ゾーンの構成内で autoboot 資源プロパティーを true に設定すると、大域ゾーンの起動時にそのゾーンが自動的に起動します。デフォルトの設定は false です。

ゾーンを自動的に起動するには、ゾーンサービス svc:/system/zones:default も有効になっている必要があります。

ゾーンのアンインストール

ゾーンのルートファイルシステム内のすべてのファイルをアンインストールする場合に、zoneadm uninstall コマンドを使用します。-F (force) オプションを合わせて指定しない限り、処理を続行する前に、コマンドプロンプトにより実行の確認が求められます。実行した操作を元に戻すことはできないため、uninstall コマンドは慎重に使用してください。