Solaris 動的トレースガイド

プローブ

mib プロバイダは、いくつかの MIB のカウンタ関連のプローブを提供します。表 28–1 に、mib プロバイダによる計測対象の MIB をエクスポートするプロトコルを示します。この表には、一部またはすべての MIB の詳細が記載されている文書の情報、kstat(1M) -n statistic コマンドを使って実行カウントにアクセスするときに使用するカーネル統計情報名、およびプローブの完全な定義が記載されている表のタイトルも記載されています。すべての MIB カウンタは、netstat(1M) -s コマンドでも表示できます。

表 28–1 mib プローブ

プロトコル 

MIB の説明 

カーネル統計情報 

mib プローブの表

ICMP 

RFC 1213 

icmp

表 28–2

IP 

RFC 1213 

ip

表 28–3

IPsec 

— 

ip

表 28–4

IPv6 

RFC 2465 

— 

表 28–5

SCTP 

「SCTP MIB」 (インターネットドラフト) 

sctp

表 28–7

TCP 

RFC 1213 

tcp

表 28–8

UDP 

RFC 1213 

udp

表 28–9

表 28–2 ICMP mib プローブ

icmpInAddrMaskReps

ICMP アドレスマスク応答メッセージが受信されたときに起動するプローブ。 

icmpInAddrMasks

ICMP アドレスマスク要求メッセージが受信されたときに起動するプローブ。 

icmpInBadRedirects

異常な ICMP リダイレクトメッセージ (例: 未知の ICMP コードが使用されている、送信側または宛先がオフリンクになっているなど) が受信されたときに起動するプローブ。 

icmpInCksumErrs

チェックサムが不正な ICMP メッセージが受信されたときに起動するプローブ。 

icmpInDestUnreachs

ICMP ターゲットに到達できないというメッセージが受信されたときに起動するプローブ。 

icmpInEchoReps

ICMP エコー応答メッセージが受信されたときに起動するプローブ。 

icmpInEchos

ICMP エコー要求メッセージが受信されたときに起動するプローブ。 

icmpInErrors

ICMP 固有のエラー (例: ICMP チェックサムの不正、長さの不正など) がある ICMP メッセージが受信されたときに起動するプローブ。 

icmpInFragNeeded

ICMP ターゲットに到達できない (断片化が必要である) というメッセージが表示されたときに起動するプローブ。送信パケットが MTU よりも長く、かつ Don’t Fragment (断片化を行わない) フラグが設定されているために、送信パケットが失われたとき、このメッセージが表示されます。 

icmpInMsgs

ICMP メッセージが受信されたときに起動するプローブ。この ICMP メッセージに ICMP 固有のエラーが含まれていると判断された場合、このプローブの起動に続いて、icmpInErrors プローブも起動します。

icmpInOverflows

ICMP メッセージが受信されたあと、バッファーの容量不足のためにそのメッセージが落とされた場合に起動するプローブ。 

icmpInParmProbs

ICMP パラメータ問題メッセージが受信されたときに起動するプローブ。 

icmpInRedirects

ICMP リダイレクトメッセージが受信されたときに起動するプローブ。 

icmpInSrcQuenchs

ICMP 発信元抑制メッセージが受信されたときに起動するプローブ。 

icmpInTimeExcds

ICMP 時間切れメッセージが受信されたときに起動するプローブ。 

icmpInTimestampReps

ICMP タイムスタンプ応答メッセージが受信されたときに起動するプローブ。 

icmpInTimestamps

ICMP タイムスタンプ要求メッセージが受信されたときに起動するプローブ。 

icmpInUnknowns

未知の型の ICMP メッセージが受信されたときに起動するプローブ。 

icmpOutAddrMaskReps

ICMP アドレスマスク応答メッセージが送信されたときに起動するプローブ。 

icmpOutDestUnreachs

ICMP ターゲットに到達できないというメッセージが送信されたときに起動するプローブ。 

icmpOutDrops

何らかの理由で発信 ICMP メッセージが落とされたときに起動するプローブ。発信 ICMP メッセージが落とされる理由としては、メモリー割り当てエラーの発生や、不特定多数 (ブロードキャスト) か複数 (マルチキャスト) のソースまたはターゲットの存在などを挙げることができます。 

icmpOutEchoReps

ICMP エコー応答メッセージが送信されたときに起動するプローブ。 

icmpOutErrors

バッファー不足など、ICMP 層で問題が発見されたため ICMP メッセージが送信されなかったときに起動するプローブ。結果のデータグラムの IP ルーティングを行えないなど、ICMP 層以外でエラーが検出された場合、このプローブは起動しません。 

icmpOutFragNeeded

ICMP ターゲットに到達できない (断片化が必要である) というメッセージが送信されたときに起動するプローブ。 

icmpOutMsgs

ICMP メッセージが送信されたときに起動するプローブ。この ICMP メッセージに ICMP 固有のエラーが含まれていると判断された場合、このプローブの起動に続いて、icmpOutErrors プローブも起動します。

icmpOutParmProbs

ICMP パラメータ問題メッセージが送信されたときに起動するプローブ。 

icmpOutRedirects

ICMP リダイレクトメッセージが送信されたときに起動するプローブ。ホストでは、このプローブは起動しません。これは、ホストがリダイレクトを送信しないからです。 

icmpOutTimeExcds

ICMP 時間切れメッセージが送信されたときに起動するプローブ。 

icmpOutTimestampReps

ICMP タイムスタンプ応答メッセージが送信されたときに起動するプローブ。 

表 28–3 IP mib プローブ

ipForwDatagrams

現在のマシンが、受信したデータグラムの最終的な IP ターゲットでない場合もあります。このプローブは、このような場合に、データグラムを最終的なターゲットへ転送するルートの検索が行われたときに起動します。現在のマシンに IP ゲートウェイ機能がない場合、このプローブは、パケットがこのマシンから始点経路制御されており、かつパケットの始点経路制御オプションの処理に成功したときだけ起動します。 

ipForwProhibits

現在のマシンが、受信したデータグラムの最終的な IP ターゲットではなく、ルーターとしても機能しない場合があります。この場合、データグラムを最終的なターゲットへ転送するルートの検索は行われません。このプローブは、このような条件下で起動します。 

ipFragCreates

断片化の結果として IP データグラムフラグメントが生成されたときに起動するプローブ。 

ipFragFails

断片化できなかった IP データグラムが破棄されたときに起動するプローブ。たとえば、断片化が要求されても Don't Fragment フラグが設定されていると、断片化を行うことができません。 

ipFragOKs

IP データグラムが正常に断片化されたときに起動するプローブ。 

ipInCksumErrs

IP ヘッダーのチェックサムが不正で、入力データグラムが破棄されたときに起動するプローブ。 

ipInDelivers

入力データグラムが IP ユーザープロトコル (ICMP を含む) へ正常に配信されたときに起動するプローブ。 

ipInDiscards

パケットとは関係のない理由 (バッファー容量不足など) によって入力 IP データグラムが破棄されたときに起動するプローブ。このプローブは、再アセンブリ待ちのデータグラムが破棄されても起動しません。 

ipInHdrErrors

IP ヘッダーのエラーのため入力データグラムが破棄されたときに起動するプローブ。IP ヘッダーのエラーには、バージョン番号の不一致、フォーマットエラー、有効期限切れ、IP オプション処理時のエラーなどがあります。 

ipInIPv6

IPv6 パケットが間違って IPv4 キューに到着した場合に起動するプローブ。 

ipInReceives

データグラムがインタフェースから受信されたとき (間違って受信された場合も含む) に起動するプローブ。 

ipInUnknownProtos

未知のプロトコルまたはサポート対象外のプロトコルを使用したため、ローカルにアドレス指定されたデータグラムが、正常に受信されたあと破棄されたときに起動するプローブ。 

ipOutDiscards

パケットとは関係のない理由 (バッファー容量不足など) によって出力 IP データグラムが破棄されたときに起動するプローブ。このプローブは、パケットが ipForwDatagrams MIB カウンタでカウントされ、かつ任意の破棄条件を満たしている場合に、起動します。

ipOutIPv6

IPv4 接続で IPv6 パケットが送信されたときに起動するプローブ。 

ipOutNoRoutes

ターゲットへの転送ルートが見つからず、IP データグラムが破棄されたときに起動するプローブ。このプローブは、パケットが ipForwDatagrams MIB カウンタでカウントされ、かつこの「ルートなし」条件を満たしている場合に、起動します。このプローブは、すべてのデフォルトゲートウェイがダウンしていて、データグラムのルーティングを行えないときにも起動します。

ipOutRequests

ローカルの IP ユーザープロトコル (ICMP を含む) から転送するため、IP に IP データグラムが渡されたときに起動するプローブ。このプローブは、ipForwDatagrams MIB カウンタでパケットがカウントされた場合は起動しません。

ipOutSwitchIPv6

接続で使用する IP プロトコルが IPv4 から IPv6 に変わったときに起動するプローブ。 

ipReasmDuplicates

IP 再アセンブリアルゴリズムにより、IP フラグメント内のデータがすべて以前に受信したデータであると判断されたときに起動するプローブ。

ipReasmFails

IP 再アセンブリアルゴリズムによって何らかのエラーが検出されたときに起動するプローブ。このプローブは、IP フラグメントが破棄されるたびに起動するわけではありません。一部のアルゴリズム、特に RFC 815 に記載されているアルゴリズムでは、受信時に複数のフラグメントが組み合わされるので、フラグメントを途中から追跡できなくなることがあるからです。 

ipReasmOKs

IP データグラムが正常に再アセンブリされたときに起動するプローブ。 

ipReasmPartDups

IP 再アセンブリアルゴリズムにより、IP フラグメント内に以前に受信したデータと新しいデータの両方が含まれていると判断されたときに起動するプローブ。 

ipReasmReqds

再アセンブリの必要な IP フラグメントが受信されたときに起動するプローブ。 

表 28–4 IPsec mib プローブ

ipsecInFailed

受信したパケットが指定の IPsec ポリシーと一致しないため落とされたときに起動するプローブ。 

ipsecInSucceeded

受信したパケットが指定の IPsec ポリシーと一致しているため処理の続行が許可されたときに起動するプローブ。 

表 28–5 IPv6 mib プローブ

ipv6ForwProhibits

現在のマシンが、受信した IPv6 データグラムの最終的な IPv6 ターゲットではなく、ルーターとしても機能しない場合があります。この場合、データグラムを最終的なターゲットへ転送するルートの検索は行われません。このプローブは、このような条件下で起動します。 

ipv6IfIcmpBadHoplimit

ホップ制限の値が定義済みの最大値未満である ICMPv6 近傍検索プロトコルメッセージが受信されたときに起動するプローブ。こうしたメッセージは、実際に近傍で作成されたものとは限らないため、すべて破棄されます。 

ipv6IfIcmpInAdminProhibs

ICMPv6 ターゲットに到達できない (管理者によって通信が禁じられた) というメッセージが受信されたときに起動するプローブ。 

ipv6IfIcmpInBadNeighborAdvertisements

異常な ICMPv6 近傍通知メッセージが受信されたときに起動するプローブ。 

ipv6IfIcmpInBadNeighborSolicitations

異常な ICMPv6 近傍要請メッセージが受信されたときに起動するプローブ。 

ipv6IfIcmpInBadRedirects

異常な ICMPv6 リダイレクトメッセージが受信されたときに起動するプローブ。 

ipv6IfIcmpInDestUnreachs

ICMPv6 ターゲットに到達できないというメッセージが受信されたときに起動するプローブ。 

ipv6IfIcmpInEchoReplies

ICMPv6 エコー応答メッセージが受信されたときに起動するプローブ。 

ipv6IfIcmpInEchos

ICMPv6 エコー要求メッセージが受信されたときに起動するプローブ。 

ipv6IfIcmpInErrors

ICMPv6 固有のエラー (例: ICMPv6 チェックサムの不正、長さの不正など) がある ICMPv6 メッセージが受信されたときに起動するプローブ。 

ipv6IfIcmpInGroupMembBadQueries

異常な ICMPv6 グループメンバーシップクエリーメッセージが受信されたときに起動するプローブ。 

ipv6IfIcmpInGroupMembBadReports

異常な ICMPv6 グループメンバーシップレポートメッセージが受信されたときに起動するプローブ。 

ipv6IfIcmpInGroupMembOurReports

ICMPv6 グループメンバーシップレポートメッセージが受信されたときに起動するプローブ。 

ipv6IfIcmpInGroupMembQueries

ICMPv6 グループメンバーシップクエリーメッセージが受信されたときに起動するプローブ。 

ipv6IfIcmpInGroupMembReductions

ICMPv6 グループメンバーシップリダクションメッセージが受信されたときに起動するプローブ。 

ipv6IfIcmpInGroupMembResponses

ICMPv6 グループメンバーシップ応答メッセージが受信されたときに起動するプローブ。 

ipv6IfIcmpInGroupMembTotal

ICMPv6 マルチキャストリスナー探索メッセージが受信されたときに起動するプローブ。 

ipv6IfIcmpInMsgs

ICMPv6 メッセージが受信されたときに起動するプローブ。このメッセージに ICMPv6 固有のエラーが含まれている場合は、このプローブに続いて、ipv6IfIcmpInErrors プローブも起動します。

ipv6IfIcmpInNeighborAdvertisements

ICMPv6 近傍通知メッセージが受信されたときに起動するプローブ。 

ipv6IfIcmpInNeighborSolicits

ICMPv6 近傍要請メッセージが受信されたときに起動するプローブ。 

ipv6IfIcmpInOverflows

ICMPv6 メッセージが受信されたあと、バッファーの容量不足のため落とされたときに起動するプローブ。 

ipv6IfIcmpInParmProblems

ICMPv6 パラメータ問題メッセージが受信されたときに起動するプローブ。 

ipv6IfIcmpInRedirects

ICMPv6 リダイレクトメッセージが受信されたときに起動するプローブ。 

ipv6IfIcmpInRouterAdvertisements

ICMPv6 ルーター通知メッセージが受信されたときに起動するプローブ。 

ipv6IfIcmpInRouterSolicits

ICMPv6 ルーター要請メッセージが受信されたときに起動するプローブ。 

ipv6IfIcmpInTimeExcds

ICMPv6 時間切れメッセージが受信されたときに起動するプローブ。 

ipv6IfIcmpOutAdminProhibs

ICMPv6 ターゲットに到達できない (管理者によって通信が禁じられた) というメッセージが送信されたときに起動するプローブ。 

ipv6IfIcmpOutDestUnreachs

ICMPv6 ターゲットに到達できないというメッセージが送信されたときに起動するプローブ。 

ipv6IfIcmpOutEchoReplies

ICMPv6 エコー応答メッセージが送信されたときに起動するプローブ。 

ipv6IfIcmpOutEchos

ICMPv6 エコーメッセージが送信されたときに起動するプローブ。 

ipv6IfIcmpOutErrors

バッファー不足など、ICMPv6 層で問題が発見されたため ICMPv6 メッセージが送信されなかったときに起動するプローブ。結果のデータグラムの IPv6 ルーティングを行えないなど、ICMPv6 層以外でエラーが検出された場合、このプローブは起動しません。 

ipv6IfIcmpOutGroupMembQueries

ICMPv6 グループメンバーシップクエリーメッセージが送信されたときに起動するプローブ。 

ipv6IfIcmpOutGroupMembReductions

ICMPv6 グループメンバーシップリダクションメッセージが送信されたときに起動するプローブ。 

ipv6IfIcmpOutGroupMembResponses

ICMPv6 グループメンバーシップ応答メッセージが送信されたときに起動するプローブ。 

ipv6IfIcmpOutMsgs

ICMPv6 メッセージが送信されたときに起動するプローブ。このメッセージに ICMPv6 固有のエラーが含まれている場合は、このプローブに続いて、ipv6IfIcmpOutErrors プローブも起動します。

ipv6IfIcmpOutNeighborAdvertisements

ICMPv6 近傍通知メッセージが送信されたときに起動するプローブ。 

ipv6IfIcmpOutNeighborSolicits

ICMPv6 近傍要請メッセージが送信されたときに起動するプローブ。 

ipv6IfIcmpOutParmProblems

ICMPv6 パラメータ問題メッセージが送信されたときに起動するプローブ。 

ipv6IfIcmpOutPktTooBigs

ICMPv6 パケットが大きすぎるというメッセージが送信されたときに起動するプローブ。 

ipv6IfIcmpOutRedirects

ICMPv6 リダイレクトメッセージが送信されたときに起動するプローブ。ホストでは、このプローブは起動しません。これは、ホストがリダイレクトを送信しないからです。 

ipv6IfIcmpOutRouterAdvertisements

ICMPv6 ルーター通知メッセージが送信されたときに起動するプローブ。 

ipv6IfIcmpOutRouterSolicits

ICMPv6 ルーター要請メッセージが送信されたときに起動するプローブ。 

ipv6IfIcmpOutTimeExcds

ICMPv6 時間切れメッセージが送信されたときに起動するプローブ。 

ipv6InAddrErrors

IPv6 ヘッダーの宛先フィールド内の IPv6 アドレスがこのエンティティで受信できる有効なアドレスでないため、入力データグラムが破棄されたときに起動するプローブ。このプローブは、アドレスが不正だった場合 (::0 など) や、サポート対象外だった場合 (接頭辞が割り当てられていないアドレスなど) にも起動します。IPv6 ルーター機能が設定されていないためにデータグラムを転送しないマシンでは、宛先アドレスがローカルアドレスでないとデータグラムが破棄され、このプローブが起動します。 

ipv6InDelivers

入力データグラムが IPv6 ユーザープロトコル (ICMPv6 を含む) へ正常に配信されたときに起動するプローブ。 

ipv6InDiscards

パケットとは関係のない理由 (バッファー容量不足など) によって入力 IPv6 データグラムが破棄されたときに起動するプローブ。このプローブは、再アセンブリ待ちのデータグラムが破棄されても起動しません。 

ipv6InHdrErrors

IPv6 ヘッダーのエラーのため入力データグラムが破棄されたときに起動するプローブ。IPv6 ヘッダーのエラーには、バージョン番号の不一致、フォーマットエラー、ホップカウントの超過、IPv6 オプション処理時のエラーなどがあります。 

ipv6InIPv4

IPv4 パケットが間違って IPv6 キューに到着した場合に起動するプローブ。 

ipv6InMcastPkts

マルチキャスト IPv6 パケットが受信されたときに起動するプローブ。 

ipv6InNoRoutes

ターゲットへの転送ルートが見つからず、経路指定された IPv6 データグラムが破棄されたときに起動するプローブ。このプローブが起動するのは、パケットが外部から発信された場合だけです。

ipv6InReceives

IPv6 データグラムがインタフェースから受信されたとき (間違って受信された場合も含む) に起動するプローブ。 

ipv6InTooBigErrors

最大フラグメントサイズを超えるサイズのフラグメントが受信されたときに起動するプローブ。 

ipv6InTruncatedPkts

入力データグラムフレームに十分なデータが含まれていないため破棄されたときに起動するプローブ。 

ipv6InUnknownProtos

未知のプロトコルまたはサポート対象外のプロトコルを使用したため、ローカルにアドレス指定された IPv6 データグラムが、正常に受信されたあと破棄されたときに起動するプローブ。 

ipv6OutDiscards

パケットとは関係のない理由 (バッファー容量不足など) によって出力 IPv6 データグラムが破棄されたときに起動するプローブ。このプローブは、パケットが ipv6OutForwDatagrams MIB カウンタでカウントされ、かつ任意の破棄条件を満たしている場合に、起動します。

ipv6OutForwDatagrams

現在のマシンが、受信したデータグラムの最終的な IPv6 ターゲットでない場合もあります。このプローブは、データグラムを最終的なターゲットへ転送するルートの検索が行われたときに起動します。現在のマシンに IPv6 ルーター機能がない場合、このプローブは、パケットがこのマシンから始点経路制御されており、かつパケットの始点経路制御オプションの処理に成功したときだけ起動します。 

ipv6OutFragCreates

断片化の結果として IPv6 データグラムフラグメントが生成されたときに起動するプローブ。 

ipv6OutFragFails

断片化できなかった IPv6 データグラムが破棄されたときに起動するプローブ。たとえば、Don't Fragment フラグが設定されていると、断片化を行うことができません。 

ipv6OutFragOKs

IPv6 データグラムが正常に断片化されたときに起動するプローブ。 

ipv6OutIPv4

IPv4 接続で IPv6 パケットが送信されたときに起動するプローブ。 

ipv6OutMcastPkts

マルチキャストパケットが送信されたときに起動するプローブ。 

ipv6OutNoRoutes

ターゲットへの転送ルートが見つからず、IPv6 データグラムが破棄されたときに起動するプローブ。このプローブは、パケットが外部から発信された場合は起動しません。

ipv6OutRequests

ローカルの IPv6 ユーザープロトコル (ICMPv6 を含む) から転送するため、IPv6 に IPv6 データグラムが渡されたときに起動するプローブ。このプローブは、ipv6ForwDatagrams MIB カウンタでパケットがカウントされた場合は起動しません。

ipv6OutSwitchIPv4

接続で使用する IP プロトコルが IPv6 から IPv4 に変わったときに起動するプローブ。 

ipv6ReasmDuplicates

IPv6 再アセンブリアルゴリズムにより、IPv6 フラグメント内のデータがすべて以前に受信したデータであると判断されたときに起動するプローブ。

ipv6ReasmFails

IPv6 再アセンブリアルゴリズムによって何らかのエラーが検出されたときに起動するプローブ。このプローブは、IPv6 フラグメントが破棄されるたびに起動するわけではありません。一部のアルゴリズムでは、受信時に複数のフラグメントが組み合わされるので、フラグメントを途中から追跡できなくなることがあるからです。 

ipv6ReasmOKs

IPv6 データグラムが正常に再アセンブリされたときに起動するプローブ。 

ipv6ReasmPartDups

IPv6 再アセンブリアルゴリズムにより、IPv6 フラグメント内に以前に受信したデータと新しいデータの両方が含まれていると判断されたときに起動するプローブ。 

ipv6ReasmReqds

再アセンブリの必要な IPv6 フラグメントが受信されたときに起動するプローブ。 

表 28–6 生の IP mib プローブ

rawipInCksumErrs

IP チェックサムが不正な、生の IP パケットが受信されたときに起動するプローブ。 

rawipInDatagrams

生の IP パケットが受信されたときに起動するプローブ。 

rawipInErrors

異常な、生の IP パケットが受信されたときに起動するプローブ。 

rawipInOverflows

生の IP パケットが受信されたあと、バッファーの容量不足のため落とされたときに起動するプローブ。 

rawipOutDatagrams

生の IP パケットが送信されたときに起動するプローブ。 

rawipOutErrors

何らかのエラー条件の発生によって生の IP パケットが送信されなかったときに起動するプローブ。たとえば、生の IP パケットに異常がある場合、このパケットは送信されません。 

表 28–7 SCTP mib プローブ

sctpAborted

SCTP 結合が、結合の異常な終了を意味する ABORT プリミティブを使って、ある状態から CLOSED 状態へ直接移行したときに起動するプローブ。 

sctpActiveEstab

SCTP 結合が、COOKIE-ECHOED 状態から、結合処理を最初に試みたのが上位層であることを意味する ESTABLISHED 状態へ直接移行したときに起動するプローブ。 

sctpChecksumError

チェックサムの無効な SCTP パケットがピアから受信されたときに起動するプローブ。 

sctpCurrEstab

sctpCurrEstab MIB カウンタの読み取りの一環として SCTP 結合にしるしが付けられたときに起動するプローブ。SCTP 結合にしるしが付けられるのは、現在の状態が ESTABLISHED、SHUTDOWN-RECEIVED、SHUTDOWN-PENDING のいずれかである場合です。

sctpFragUsrMsgs

MTU のためユーザーメッセージを断片化する必要があるときに起動するプローブ。 

sctpInClosed

終了した SCTP 結合でデータが受信されたときに起動するプローブ。 

sctpInCtrlChunks

sctpInCtrlChunks MIB カウンタが更新されたときに起動するプローブ。このカウンタは、明示的に照会された場合、または SCTP 接続が終了した場合に更新されます。args[0] には、MIB カウンタの値の増分値が入ります。

sctpInDupAck

重複した ACK が受信されたときに起動するプローブ。 

sctpInInvalidCookie

無効な Cookie が受信されたときに起動するプローブ。 

sctpInOrderChunks

sctpInOrderChunks MIB カウンタが更新されたときに起動するプローブ。このカウンタは、明示的に照会された場合、または SCTP 接続が終了した場合に更新されます。args[0] には、MIB カウンタの値の増分値が入ります。

sctpInSCTPPkts

sctpInSCTPPkts MIB カウンタが更新されたときに起動するプローブ。このカウンタは、明示的に照会された場合、または SCTP 接続が終了した場合に更新されます。args[0] には、MIB カウンタの値の増分値が入ります。

sctpInUnorderChunks

sctpInUnorderChunks MIB カウンタが更新されたときに起動するプローブ。このカウンタは、明示的に照会された場合、または SCTP 接続が終了した場合に更新されます。args[0] には、MIB カウンタの値の増分値が入ります。

sctpListenDrop

何らかの理由で着信接続が落とされたときに起動するプローブ。 

sctpOutAck

選択的肯定応答が送信されたときに起動するプローブ。 

sctpOutAckDelayed

SCTP 結合の遅延肯定応答が処理されたときに起動するプローブ。遅延肯定応答処理の一環として送信される肯定応答は、sctpOutAck プローブを起動します。

sctpOutCtrlChunks

sctpOutCtrlChunks MIB カウンタが更新されたときに起動するプローブ。このカウンタは、明示的に照会された場合、または SCTP 接続が終了した場合に更新されます。args[0] には、MIB カウンタの値の増分値が入ります。

sctpOutOfBlue

どの結合に属するかを受信側で識別できないが、これ以外には問題のない SCTP パケットが受信されたときに起動するプローブ。 

sctpOutOrderChunks

sctpOutOrderChunks MIB カウンタが更新されたときに起動するプローブ。このカウンタは、明示的に照会された場合、または SCTP 接続が終了した場合に更新されます。args[0] には、MIB カウンタの値の増分値が入ります。

sctpOutSCTPPkts

sctpOutSCTPPkts MIB カウンタが更新されたときに起動するプローブ。このカウンタは、明示的に照会された場合、または SCTP 接続が終了した場合に更新されます。args[0] には、MIB カウンタの値の増分値が入ります。

sctpOutUnorderChunks

sctpOutUnorderChunks MIB カウンタが更新されたときに起動するプローブ。このカウンタは、明示的に照会された場合、または SCTP 接続が終了した場合に更新されます。args[0] には、MIB カウンタの値の増分値が入ります。

sctpOutWinProbe

ウィンドウプローブが送信されたときに起動するプローブ。 

sctpOutWinUpdate

ウィンドウ更新が送信されたときに起動するプローブ。 

sctpPassiveEstab

SCTP 結合が CLOSED 状態から ESTABLISHED 状態へ直接移行したときに起動するプローブ。この結合の試みは、リモート端点によって開始されました。 

sctpReasmUsrMsgs

sctpReasmUsrMsgs MIB カウンタが更新されたときに起動するプローブ。このカウンタは、明示的に照会された場合、または SCTP 接続が終了した場合に更新されます。args[0] には、MIB カウンタの値の増分値が入ります。

sctpRetransChunks

sctpRetransChunks MIB カウンタが更新されたときに起動するプローブ。このカウンタは、明示的に照会された場合、または SCTP 接続が終了した場合に更新されます。args[0] には、MIB カウンタの値の増分値が入ります。

sctpShutdowns

SCTP 結合が、SHUTDOWN-SENT 状態または SHUTDOWN-ACK-SENT 状態から CLOSED 状態へ直接移行したときに起動するプローブ。この移行は、結合が正常に終了したことを表します。 

sctpTimHeartBeatDrop

ハートビート通知が受信できなかったため SCTP 結合が異常終了したときに起動するプローブ。 

sctpTimHeartBeatProbe

SCTP ハートビートが送信されたときに起動するプローブ。 

sctpTimRetrans

結合に対してタイマーベースの再転送処理が実行されたときに起動するプローブ。 

sctpTimRetransDrop

タイマーベースの再転送の実行に長い間成功しない状態が続いたため、結合が異常終了したときに起動するプローブ。 

表 28–8 TCP mib プローブ

tcpActiveOpens

TCP 接続が CLOSED 状態から SYN_SENT 状態へ直接移行したときに起動するプローブ。 

tcpAttemptFails

TCP 接続が SYN_SENT 状態または SYN_RCVD 状態から CLOSED 状態へ直接移行したときと、TCP 接続が SYN_RCVD 状態から LISTEN 状態へ直接移行したときに起動するプローブ。 

tcpCurrEstab

tcpCurrEstab MIB カウンタの読み取りの一環として TCP 接続にしるしが付けられたときに起動するプローブ。TCP 接続にしるしが付けられるのは、現在の状態が ESTABLISHED または CLOSE_WAIT である場合です。

tcpEstabResets

TCP 接続が ESTABLISHED 状態または CLOSE_WAIT 状態から CLOSED状態へ直接移行したときに起動するプローブ。 

tcpHalfOpenDrop

SYN_RCVD 状態にある接続キューがいっぱいになったため接続が落とされたときに起動するプローブ。 

tcpInAckBytes

以前に送信されたデータの ACK が受信されたときに起動するプローブ。args[0] には、通知のバイト数が入ります。

tcpInAckSegs

以前に送信されたセグメントの ACK が受信されたときに起動するプローブ。 

tcpInAckUnsent

送信されていないセグメントの ACK が受信されたときに起動するプローブ。 

tcpInClosed

終了状態の接続がデータを受信したときに起動するプローブ。 

tcpInDataDupBytes

受信されたセグメントに、以前に受信済みのデータだけが含まれているとき、起動するプローブ。args[0] には、重複したセグメント内のバイト数が入ります。

tcpInDataDupSegs

受信されたセグメントに、以前に受信済みのデータだけが含まれているとき、起動するプローブ。args[0] には、重複したセグメント内のバイト数が入ります。

tcpInDataInorderBytes

新しいデータのシーケンス番号より前のすべてのデータが以前に受信されているときに起動するプローブ。args[0] には、順番に受信されたバイト数が入ります。

tcpInDataInorderSegs

新しいセグメントのシーケンス番号より前のすべてのセグメントが以前に受信されているときに起動するプローブ。

tcpInDataPartDupBytes

受信されたセグメントに、以前に受信済みのデータと新しいデータの両方が含まれているとき、起動するプローブ。args[0] には、重複バイト数が入ります。

tcpInDataPartDupSegs

受信されたセグメントに、以前に受信済みのデータと新しいデータの両方が含まれているとき、起動するプローブ。args[0] には、重複バイト数が入ります。

tcpInDataPastWinBytes

現在の受信ウィンドウを超えるデータが受信されたときに起動するプローブ。args[0] には、バイト数が入ります。

tcpInDataPastWinSegs

現在の受信ウィンドウを超えるセグメントが受信されたときに起動するプローブ。 

tcpInDataUnorderBytes

新しいデータのシーケンス番号より前のデータの一部が不足しているときに起動するプローブ。args[0] には、ランダムに受信されたバイト数が入ります。

tcpInDataUnorderSegs

新しいデータのシーケンス番号より前のデータの一部が不足しているときに起動するプローブ。 

tcpInDupAck

重複した ACK が受信されたときに起動するプローブ。 

tcpInErrs

受信セグメントに TCP エラー (不正な TCP チェックサムなど) が見つかったときに起動するプローブ。 

tcpInSegs

セグメントが受信されたときに起動するプローブ。あとで、このセグメントにエラーが含まれていて、以降の処理を続行できないことがわかる場合もあります。 

tcpInWinProbe

ウィンドウプローブが受信されたときに起動するプローブ。 

tcpInWinUpdate

ウィンドウ更新が受信されたときに起動するプローブ。 

tcpListenDrop

待機キューがいっぱいになったため着信接続が落とされたときに起動するプローブ。 

tcpListenDropQ0

SYN_RCVD 状態にある接続キューがいっぱいになったため接続が落とされたときに起動するプローブ。 

tcpOutAck

ACK が送信されたときに起動するプローブ。 

tcpOutAckDelayed

最初の遅延のあと ACK が送信されたときに起動するプローブ。 

tcpOutControl

SYN、FIN、RST のいずれかが送信されたときに起動するプローブ。 

tcpOutDataBytes

データが送信されたときに起動するプローブ。args[0] には、送信バイト数が入ります。

tcpOutDataSegs

セグメントが送信されたときに起動するプローブ。 

tcpOutFastRetrans

高速再転送アルゴリズムの一環としてセグメントが再転送されたときに起動するプローブ。 

tcpOutRsts

RST フラグが設定されているセグメントが送信されたときに起動するプローブ。 

tcpOutSackRetransSegs

選択的肯定応答が有効にされている接続でセグメントが再転送されたときに起動するプローブ。 

tcpOutSegs

再転送されたのではないバイトが 1 バイト以上含まれているセグメントが送信されたときに起動するプローブ。 

tcpOutUrg

URG フラグが設定されていて、有効な緊急ポインタを持つセグメントが送信されたときに起動するプローブ。 

tcpOutWinProbe

ウィンドウプローブが送信されたときに起動するプローブ。 

tcpOutWinUpdate

ウィンドウ更新が送信されたときに起動するプローブ。 

tcpPassiveOpens

TCP 接続が LISTEN 状態から SYN_RCVD 状態へ直接移行したときに起動するプローブ。 

tcpRetransBytes

データが再転送されたときに起動するプローブ。args[0] には、再転送されたバイト数が入ります。

tcpRetransSegs

再転送されたバイトが 1 バイト以上含まれているセグメントが送信されたときに起動するプローブ。 

tcpRttNoUpdate

データが受信されたが、RTT を更新するためのタイムスタンプ情報がないときに起動するプローブ。 

tcpRttUpdate

RTT の更新に必要なタイムスタンプ情報を含むデータが受信されたときに起動するプローブ。 

tcpTimKeepalive

接続に対してタイマーベースのキープアライブ処理が実行されたときに起動するプローブ。 

tcpTimKeepaliveDrop

キープアライブ処理の結果、接続が終了したときに起動するプローブ。 

tcpTimKeepaliveProbe

キープアライブ処理の一環としてキープアライブプローブが送信されたときに起動するプローブ。 

tcpTimRetrans

接続に対してタイマーベースの再転送処理が実行されたときに起動するプローブ。 

tcpTimRetransDrop

タイマーベースの再転送の実行に長い間成功しない状態が続いたため、接続が終了したときに起動するプローブ。 

表 28–9 UDP mib プローブ

udpInCksumErrs

UDP チェックサムが不正で、データグラムが破棄されたときに起動するプローブ。 

udpInDatagrams

UDP データグラムが受信されたときに起動するプローブ。 

udpInErrors

受信された UDP データグラムが、パケットヘッダーの異常や内部バッファーの割り当てエラーのため破棄されたときに起動するプローブ。 

udpInOverflows

UDP データグラムが受信されたあと、バッファーの容量不足のため落とされたときに起動するプローブ。 

udpNoPorts

ソケットが結合されていないポートで UDP データグラムが受信されたときに起動するプローブ。 

udpOutDatagrams

UDP データグラムが送信されたときに起動するプローブ。 

udpOutErrors

何らかのエラー条件の発生によって UDP データグラムが送信されなかったときに起動するプローブ。たとえば、異常な UDP データグラムは送信されません。