Solaris 動的トレースガイド

用語集

DTrace

任意の問題に対して簡潔な答えを提示する動的トレース機能。

アクション

DTrace フレームワークによって実行される動作。この動作はプローブ起動時に実行され、その結果、データのトレースや、DTrace 外部のシステム状態の変更が行われます。アクションとして分類される動作には、データのトレース、プロセスの停止、スタックトレースの捕捉などがあります。

コンシューマ

DTrace を使って計測機能を有効化し、トレースデータから結果ストリームを読み取るプログラム。dtrace コマンドは、標準の DTrace コンシューマです。lockstat(1M) ユーティリティーは、特殊な DTrace コンシューマです。

サブルーチン

DTrace フレームワークによって実行される動作。この動作はプローブ起動時に実行され、DTrace 内部の状態を変更します。このとき、データのトレースは行われません。サブルーチンの要求には、「アクション」の場合と同様に、D 関数呼び出し構文が使用されます。

集積体

第 9 章集積体で定義した「集積関数」の結果を格納するオブジェクト。複数の式から成る組でインデックスが付けられ、結果をまとめるときに使用します。

述語

プローブの起動時に、一連のトレースアクションを実行するかどうかを決定付ける論理式。各 D プログラム節には、スラッシュ / / で囲まれた述語が 1 つずつ割り当てられます。

プローブ指定子のリスト、述語 (オプション)、アクション文のリスト (オプション) から成る、D プログラムの宣言。中括弧 ({ }) で囲んだ形式で表します。

トランスレータ

特定の計測されるサブシステムの実装の詳細を、入力式より安定性の高いインタフェースを形成する struct 型のオブジェクトに変換する D 代入文の集合。

プローブ

DTrace が述語とアクションを含む計測機能を動的に結合する、システム内の場所またはアクティビティ。各プローブは、そのプロバイダ、モジュール、関数、および意味上の名前を指定する組で表されます。特定のモジュールや関数へ「アンカーされた」プローブと、特定のプログラムの場所に関連しない「アンカーされていない」プローブ (profile タイマーなど) とがあります。

プロバイダ

DTrace フレームワークに代わって特定の種類の計測機能を実装するカーネルモジュール。プロバイダは、プローブの名前空間と、その名前およびデータのセマンティクスを表す安定性マトリックスをエクスポートします。詳細は、本マニュアルの該当する章を参照してください。

有効化

有効化された複数のプローブと、これらに関連付けられた述語およびアクションのグループ。