Oracle Solaris ZFS 管理ガイド

ZFS ユーザープロパティー

ZFS は、ネイティブプロパティーに加えて、任意のユーザープロパティーもサポートします。ユーザープロパティーは ZFS の動作には影響しませんが、これらを使用すると、使用環境内で意味のある情報をデータセットに注釈として付けることができます。

ユーザープロパティーの名前は、次の規則に適合している必要があります。

想定されている規則では、プロパティー名は次の 2 つの部分に分割しますが、この名前空間は ZFS によって強制されているものではありません。


module:property

ユーザープロパティーをプログラムで使用する場合、プロパティー名の module 要素には、逆順にした DNS ドメイン名を使用してください。これは、それぞれ単独で開発された 2 つのパッケージが、異なる目的で同じプロパティー名を使用する可能性を減らすためです。com.sun. で始まるプロパティー名は、Oracle Corporation が使用するために予約されています。

ユーザープロパティーの値は次の規則に準拠する必要があります。

次に例を示します。


# zfs set dept:users=finance userpool/user1
# zfs set dept:users=general userpool/user2
# zfs set dept:users=itops userpool/user3

プロパティーを処理するコマンド (zfs listzfs getzfs set など) はすべて、ネイティブプロパティーとユーザープロパティーの両方の操作に使用できます。

次に例を示します。


zfs get -r dept:users userpool
NAME            PROPERTY    VALUE           SOURCE
userpool        dept:users  all             local
userpool/user1  dept:users  finance         local
userpool/user2  dept:users  general         local
userpool/user3  dept:users  itops           local

ユーザープロパティーを消去するには、zfs inherit コマンドを使用します。次に例を示します。


# zfs inherit -r dept:users userpool

プロパティーがどの親のデータセットにも定義されていない場合は、完全に削除されます。