Oracle Solaris ZFS 管理ガイド

データセットを非大域ゾーンに委任する

ストレージの管理をゾーンに委任するという主要目的を果たせるよう、ZFS では、zonecfg コマンドの add dataset サブコマンドを使用してデータセットを非大域ゾーンに追加することができます。

次の例では、大域ゾーンの大域ゾーン管理者が、ZFS ファイルシステムを非大域ゾーンに委任しています。


# zonecfg -z zion
zonecfg:zion> add dataset
zonecfg:zion:dataset> set name=tank/zone/zion
zonecfg:zion:dataset> end

ファイルシステムを追加する場合と異なり、この構文を実行すると、ZFS ファイルシステム tank/zone/zion がすでに構成済みの zion ゾーンから見えるようになります。ゾーン管理者は、ファイルシステムのプロパティーを設定したり、子孫ファイルシステムを作成したりできます。また、ゾーン管理者は、スナップショットやクローンを作成し、およびファイルシステム階層全体を制御することができます。

Oracle Solaris Live Upgrade を使って非大域ゾーンを含む ZFS BE をアップグレードする場合には、まず委任されたデータセットをすべて削除してください。削除しないと、読み取り専用ファイルシステムエラーで Oracle Solaris Live Upgrade が失敗します。次に例を示します。


zonecfg:zion>
zonecfg:zion> remove dataset name=tank/zone/zion
zonecfg:zion1> exit

ゾーンでどのような操作が許可されるかの詳細については、「ZFS プロパティーをゾーンで管理する」を参照してください。