Oracle Solaris ZFS 管理ガイド

ZFS ストレージプールを作成する

前述の例では、ZFS の操作が簡単であることを示しました。この章の残りの部分では、実際の環境に近い、より詳細な例を提供します。最初に、ストレージ要件を確認して、ストレージプールを作成します。プールによって、ストレージの物理的な特性が決まります。どのようなファイルシステムを作成する場合にも、最初にプールを作成する必要があります。

ProcedureZFS ストレージプールのストレージ要件を確認する方法

  1. ストレージプールに使用可能なデバイスを決定します。

    ストレージプールを作成する前に、データを格納するデバイスを決定する必要があります。デバイスのサイズは、128M バイト以上にしてください。オペレーティングシステムのほかの部分で使われていてはいけません。事前にフォーマットされているディスク上のスライスを個別に選択するか、1 つの大きなスライスとしてフォーマットされたディスク全体を選択することができます。

    「ZFS ストレージプールを作成する方法」のストレージ例では、ディスク /dev/dsk/c1t0d0 および /dev/dsk/c2t0d0 の全体が使用されることを前提としています。

    ディスクの詳細、および使用方法と名前の付け方については、「ZFS ストレージプール内でディスクを使用する」を参照してください。

  2. データの複製を選択します。

    ZFS では、複数の種類のデータ複製がサポートされます。プールが対応できるハードウェア障害の種類は、データ複製の種類によって決まります。ZFS では、非冗長 (ストライプ) 構成、ミラー構成、および RAID-Z (RAID-5 の一種) がサポートされます。

    「ZFS ストレージプールを作成する方法」のストレージ例では、使用可能な 2 台のディスクを基本的な方法でミラー化しています。

    ZFS の複製機能の詳細については、「ZFS ストレージプールの複製機能」を参照してください。

ProcedureZFS ストレージプールを作成する方法

  1. root になるか、適切な ZFS 権利プロファイルが割り当てられた root と同等の役割を引き受けます。

    ZFS 権利プロファイルの詳細については、「ZFS 権利プロファイル」を参照してください。

  2. ストレージプールの名前を選択します。

    この名前は、zpool または zfs コマンドの使用時にストレージプールを識別するために使用されます。ほとんどのシステムに必要なプールは 1 つだけです。任意の名前を選択できますが、「ZFS コンポーネントに名前を付けるときの規則」の名前の付け方の規則に準拠している必要があります。

  3. プールを作成します。

    たとえば次のコマンドは、tank という名前のミラープールを作成します。


    # zpool create tank mirror c1t0d0 c2t0d0
    

    1 つ以上のデバイスに別のファイルシステムが含まれる場合、または 1 つ以上のデバイスが使用中である場合は、このコマンドを使ってプールを作成することはできません。

    ストレージプールの作成方法の詳細については、「ZFS ストレージプールを作成する」を参照してください。デバイスの使用状況を確認する方法の詳細については、「使用中のデバイスを検出する」を参照してください。

  4. 結果を確認します。

    プールが正常に作成されたかどうかは、zpool list コマンドを使って確認できます。


    # zpool list
    NAME                    SIZE    ALLOC   FREE    CAP  HEALTH     ALTROOT
    tank                     80G    137K     80G     0%  ONLINE     -

    プールの状態を確認する方法の詳細については、「ZFS ストレージプールの状態のクエリー検索を行う」を参照してください。