Oracle Solaris ZFS 管理ガイド

ファイルシステムの修復

従来のファイルシステムのデータ書き込み方法は、本質的に予期しない障害によってファイルシステムの不一致が発生しやすい性質を持っています。従来のファイルシステムはトランザクション方式ではないので、参照されないブロックや不正なリンクカウントなど、ファイルシステム構造の矛盾が発生する可能性があります。ジャーナリングを導入することでこれらの問題のいくつかは解決されますが、ログをロールバックできないときには別の問題が発生する可能性があります。データの不一致が ZFS 構成内のディスク上で発生するとすれば、それはハードウェア障害が発生した場合か、ZFS ソフトウェアにバグが存在する場合だけです。ただし、ハードウェア障害の場合は、プールに冗長性があるはずです。

fsck ユーティリティーは、UFS ファイルシステムに固有の既知の問題を修復します。ZFS ストレージプールの問題の大半は一般に、ハードウェアまたは電源の障害に関連しています。冗長プールを利用することで、多くの問題を回避できます。ハードウェアの障害または電源の停止が原因でプールが損傷している場合は、「ZFS ストレージプール全体の損傷を修復する」を参照してください。

プールに冗長性がない場合は、ファイルシステムの破壊によってデータの一部またはすべてにアクセスできなくなるリスクが常に存在します。