ZFS 上にゾーンルートを持つ ZFS ルートファイルシステムにアップグレードやパッチを適用する必要がある場合は、次の手順を使用します。このような更新には、システムのアップグレードの場合と、パッチの適用の場合があります。
次の手順では、アップグレードまたはパッチを適用するブート環境の名前の例として newBE を使用しています。
アップグレードまたはパッチを適用するブート環境を作成します。
# lucreate -n newBE |
すべてのゾーンを含め、既存のブート環境が複製されます。元のブート環境の各データセットに対してデータセットが 1 つずつ作成されます。新しいデータセットは、現在のルートプールと同じプールに作成されます。
次のいずれかを選択して、システムをアップグレードするか新しいブート環境にパッチを適用します。
システムをアップグレードします。
# luupgrade -u -n newBE -s /net/install/export/s10u7/latest |
ここで、-s オプションは Solaris インストールメディアの場所を指定します。
新しいブート環境にパッチを適用します。
# luupgrade -t -n newBE -t -s /patchdir 139147-02 157347-14 |
新しいブート環境をアクティブにします。
# luactivate newBE |
新たにアクティブにしたブート環境から起動します。
# init 6 |
発生する可能性のあるマウントポイントの問題をすべて解決します。
Oracle Solaris Live Upgrade 機能のバグのため、アクティブでないブート環境は起動に失敗する場合があります。これは、ブート環境の ZFS データセットまたはゾーンの ZFS データセットに無効なマウントポイントが含まれているためです。
zfs list の出力を確認します。
正しくない一時的なマウントポイントを探します。次に例を示します。
# zfs list -r -o name,mountpoint rpool/ROOT/newBE NAME MOUNTPOINT rpool/ROOT/newBE /.alt.tmp.b-VP.mnt/ rpool/ROOT/newBE/zones /.alt.tmp.b-VP.mnt/zones rpool/ROOT/newBE/zones/zonerootA /.alt.tmp.b-VP.mnt/zones/zonerootA |
ルート ZFS BE (rpool/ROOT/newBE) のマウントポイントは / となるべきです。
ZFS BE とそのデータセットのマウントポイントを設定しなおします。
次に例を示します。
# zfs inherit -r mountpoint rpool/ROOT/newBE # zfs set mountpoint=/ rpool/ROOT/newBE |
システムを再起動します。
GRUB メニューまたは OpenBoot PROM プロンプトで、特定のブート環境を起動するオプションが表示されたら、前の手順でマウントポイントを修正したブート環境を選択します。