次の手順では、ゾーンがインストールされている UFS ルートファイルシステムを、アップグレードやパッチの適用が可能な ZFS ルートファイルシステムおよび ZFS ゾーンルート構成に移行する方法を説明します。
次の手順では、プール名の例として rpool、アクティブなブート環境の名前の例として s10BE* を使用しています。
システムで以前の Solaris 10 リリースが稼働している場合は、Solaris 10 10/08 リリースにアップグレードします。
Solaris 10 リリースが稼働しているシステムのアップグレードの詳細については、『Oracle Solaris 10 9/10 インストールガイド (Solaris Live Upgrade とアップグレードの計画)』を参照してください。
ルートプールを作成します。
# zpool create rpool mirror c0t1d0 c1t1d0 |
ルートプールの要件については、「ZFS をサポートするための Oracle Solaris インストールと Oracle Solaris Live Upgrade の要件」を参照してください。
UFS 環境のゾーンが起動されることを確認します。
新しい ZFS ブート環境を作成します。
# lucreate -n s10BE2 -p rpool |
このコマンドは、新しいブート環境のデータセットをルートプールに確立し、現在のブート環境をゾーンも含めてそれらのデータセットにコピーします。
新しい ZFS ブート環境をアクティブにします。
# luactivate s10BE2 |
これで、システムでは ZFS ルートファイルシステムが稼働していますが、UFS 上のゾーンルートはまだ UFS ルートファイルシステムにあります。UFS ゾーンをサポートされる ZFS 構成に完全に移行するには、次の手順が必要です。
システムを再起動します。
# init 6 |
ゾーンを ZFS BE に移行します。
発生する可能性のあるマウントポイントの問題をすべて解決します。
Oracle Solaris Live Upgrade のバグのため、アクティブでないブート環境は起動に失敗する場合があります。これは、ブート環境の ZFS データセットまたはゾーンの ZFS データセットに無効なマウントポイントが含まれているためです。
zfs list の出力を確認します。
正しくない一時的なマウントポイントを探します。次に例を示します。
# zfs list -r -o name,mountpoint rpool/ROOT/s10u6 NAME MOUNTPOINT rpool/ROOT/s10u6 /.alt.tmp.b-VP.mnt/ rpool/ROOT/s10u6/zones /.alt.tmp.b-VP.mnt//zones rpool/ROOT/s10u6/zones/zonerootA /.alt.tmp.b-VP.mnt/zones/zonerootA |
ルート ZFS BE (rpool/ROOT/s10u6) のマウントポイントは / となるべきです。
ZFS BE とそのデータセットのマウントポイントを設定しなおします。
次に例を示します。
# zfs inherit -r mountpoint rpool/ROOT/s10u6 # zfs set mountpoint=/ rpool/ROOT/s10u6 |
システムを再起動します。
GRUB メニューまたは OpenBoot PROM プロンプトで、特定のブート環境を起動するオプションが表示されたら、前の手順でマウントポイントを修正したブート環境を選択します。