Solaris Trusted Extensions ラベルの管理

チャネルの指定

label_encodings ファイルの CHANNELS (チャネル) セクションでは、バナーページとトレーラページの下部 3 分の 1 のうち、PRINTER BANNER 行の下に表示される行を定義します。印刷ジョブのラベルに特定のコンパートメントが含まれる場合に文字列が印刷されるように、CHANNELS セクションを指定できます。

民間サイトでは、CHANNELS セクションの、任意のコンパートメントビットのテキストをカスタマイズできます。図 4–7 は、民間サイトにおける印刷ジョブのバナーページの CHANNELS 警告を示しています。

図 4–7 バナーページの CHANNELS の民間使用

図については本文で説明します。

米国政府のインストールでは、バナーページのチャネル行に、ジョブのラベルの「コンパートメント」に関連付けられている警告が慣例として表示されます。図 4–8 は、官公庁のインストールにおける印刷ジョブのバナーページに表示される典型的な CHANNELS 警告 (HANDLE VIA (CH B)/(CH A) CHANNELS JOINTLY) を示します。

次の説明で、ラベルにコンパートメント語句 A および B が含まれるジョブに対して、CHANNELS 文字列 HANDLE VIA (CH B)/(CH A) CHANNELS JOINTLY がどのように指定されるかを示します。例として (CH A) および (CH B) のみを適用します。ただし、3 つ目のチャネル (CH C) に対するコンパートメントビットがそれらの定義に含まれているため、 (CH C) についても説明します。

この例には、次のような特徴があります。

図 4–8 バナーページの CHANNELS 指定の米国政府での使用

図については本文で説明します。

次の例に示すように、2 つの接尾辞 CHANNELS JOINTLYCHANNELS ONLY、および接頭辞 HANDLE VIA が定義されています。


例 4–3 官公庁の label_encodings ファイルの CHANNELS セクションの接尾辞と接頭辞


CHANNELS:

WORDS:
name= CHANNELS JOINTLY;         suffix;
name= CHANNELS ONLY;            suffix;
name= HANDLE VIA;               prefix;

例 4–3 のように接頭辞と接尾辞を定義したあと、次の結果を得るためにチャネル名 (CH A)(CH B)、および(CH C) を 2 つの異なる方法で指定します。


例 4–4 個々のチャネルと単独で表示されるように定義された CHANNELS ONLY 接尾辞


CHANNELS:

WORDS:

name= CHANNELS JOINTLY;         suffix;
name= CHANNELS ONLY;            suffix;
name= HANDLE VIA;               prefix;
name= (CH A);   prefix= HANDLE VIA; suffix= CHANNELS ONLY;
compartments= 0 ~1 ~6;
name= (CH B);   prefix= HANDLE VIA; suffix= CHANNELS ONLY;
compartments= ~0 1 ~6;
name= (CH C);   prefix= HANDLE VIA; suffix= CHANNELS ONLY;
compartments= ~0 ~1 6;

例 4–4 に示す CHANNELS セクションのチャネル名定義の最初の 3 行による結果は、次のとおりです。


例 4–5 官公庁エンコーディングファイルの CHANNELS セクションにおける複数チャネルのエンコーディング


name= (CH A);   prefix= HANDLE VIA; suffix= CHANNELS ONLY; compartments= 0 ~1 ~6;
name= (CH B);   prefix= HANDLE VIA; suffix= CHANNELS ONLY; compartments= ~0 1 ~6;
name= (CH C);   prefix= HANDLE VIA; suffix= CHANNELS ONLY; compartments= ~0 ~1 6;

name= (CH C);   prefix= HANDLE VIA; suffix= CHANNELS JOINTLY; compartments= 6;
name= (CH B);   prefix= HANDLE VIA; suffix= CHANNELS JOINTLY; compartments= 1;
name= (CH A);   prefix= HANDLE VIA; suffix= CHANNELS JOINTLY; compartments= 0;

例 4–5CHANNELS 指定は、コンパートメントをエンコーディングする場合の順序の重要性を示します。最初の 3 行が、チャネルコンパートメントビットの 1 つだけがオンである場合を扱い、複数のビットがオンである場合は最後の 3 行が扱います。したがって、最後の 3 行では、どのコンパートメントビットも明示的に 0 に設定する必要はありません。この最後の 3 行の結果として、チャネルに関連付けられた 3 つのコンパートメント語句の中のどれか 2 つ以上がラベルにある場合に、接尾辞 CHANNELS JOINTLY が常に印刷されます。

次の例は、コンパートメントビット 6 がラベル語句 CC に関連付けられていることを示しています。


例 4–6 コンパートメントビット 6 に関連付けられたラベル WORDS


SENSITIVITY LABELS:


WORDS:
  .
  .
  .
name= CC;                       minclass= TS; compartments= 6;

例 4–7 は、コンパートメントビット 1 が機密ラベル語句 B に関連付けられていることを示しています。


例 4–7 コンパートメントビット 1 に関連付けられたラベル WORDS


SENSITIVITY LABELS:

WORDS:
  .  .  .
name= B;                        minclass=  C; compartments= 1;

例 4–8 は、コンパートメントビット 0 が機密ラベル語句 A に関連付けられていることを示しています。


例 4–8 コンパートメントビット 0 に関連付けられたラベル WORDS


SENSITIVITY LABELS:

WORDS:
   .   .   .
name= A;                        minclass=  C; compartments= 0;

これをまとめると、次の指示によって、チャネル行が HANDLE VIA (CH B)/(CH A) CHANNELS JOINTLY と印刷されます。

CHANNELS 計画シートの例は、「ワークシートによるチャネルの計画」を参照してください。