Oracle Solaris Trusted Extensions 管理の手順

Trusted Extensions のデフォルトのユーザーセキュリティー属性

label_encodings ファイルと policy.conf ファイルの設定により、ユーザーアカウントのデフォルトのセキュリティー属性が決まります。ユーザーに対して明示的に設定した値は、これらのシステム値よりも優先されます。これらのファイルで設定した値の一部は、役割のアカウントにも適用されます。明示的に設定できるセキュリティー属性については、「Trusted Extensions の構成可能なユーザー属性」を参照してください。

label_encodings ファイルのデフォルト

label_encodings ファイルは、ユーザーの最小ラベル、認可上限、およびデフォルトのラベル表示を定義します。ファイルの詳細は、label_encodings(4) のマニュアルページを参照してください。サイトの label_encodings ファイルは、初期設定チームによってインストールされています。初期設定チームが行う決定は、『Oracle Solaris Trusted Extensions 構成ガイド』「ラベルストラテジの作成」と、『Solaris Trusted Extensions ラベルの管理』の例に基づいています。

セキュリティー管理者が Solaris 管理コンソールで個々のユーザーに明示的に設定するラベルの値は、label_encodings ファイルから派生しています。明示的に設定した値は、label_encodings ファイルの値よりも優先されます。

Trusted Extensions の policy.conf ファイルのデフォルト

Solaris の /etc/security/policy.conf ファイルには、システムのデフォルトセキュリティー設定が含まれています。Trusted Extensions はこのファイルに 2 つのキーワードを追加します。システム全体の値を変更する場合は、これらの「キーワード=値」の組をファイルに追加できます。これらのキーワードは Trusted Extensions で実施されます。次の表に、これらのセキュリティー設定に指定可能な値とそのデフォルト値を示します。

表 6–1 policy.conf ファイル内の Trusted Extensions セキュリティーのデフォルト

キーワード 

デフォルト値 

取り得る値 

注釈 

IDLECMD 

LOCK 

LOCK | LOGOUT 

役割には適用されません。 

IDLETIME 

30 

0 ~ 120 分 

役割には適用されません。 

policy.conf ファイルで定義される承認と権利プロファイルは、個々のアカウントに割り当てられる承認とプロファイルに追加されます。その他のフィールドについては、個々のユーザーの値がシステムの値に優先します。

『Oracle Solaris Trusted Extensions 構成ガイド』「Trusted Extensions でのユーザーセキュリティーの計画」に、policy.conf のキーワードの表があります。policy.conf(4) のマニュアルページも参照してください。