コンパートメントモードワークステーションのラベル作成: エンコード形式

キーワード initial markings=

キーワード initial markings= はオプションであり、格付けが関連付けられる情報ラベルの初期 (デフォルト) マーキングビットを指定します。初期マーキングでは、情報ラベルのコンパートメントビットのうち、1 を設定するものだけを指定し、0 を設定するものについては指定しません。キーワード initial markings= を指定しない格付けについては、その初期マーキングビットが 0 と見なされます。

格付けに関連付けられる初期マーキングビットに 0 以外を設定する理由は、2 つあります。第 1 に、格付けが設定されているシステム上の「すべての」ラベルは何らかの語句 (たとえば NOFORM) を含まなければならない場合です。この場合、その通常の語句に関連付けられるマーキングビットのうち値が 1 のビットについては、初期マーキングビットで 1 を指定します。(語句とそのマーキングビットとの関連付けは、エンコーディングファイルの INFORMATION LABELS: の各セクションでキーワード markings= を指定して行います。) このような語句を「デフォルト語句」と呼び、デフォルト語句に関連付けられマーキングビットを、「デフォルトビット」と呼びます。

第 2 に、キーワード initial markings= が、どのマーキングビットをインバースマーキングビットとして使用するかを指定する場合です。(インバースマーキングビットを指定するのに接頭辞を使用することもできます。接頭辞で指定したインバースビットを「特殊インバースビット」と呼びます。第 4 章「情報ラベルのエンコーディング」「接頭辞と接尾辞の定義」、および第 7 章「エンコーディングを指定する際の一般的な考慮事項」「接頭辞を使用して、特殊インバースコンパートメントビットと特殊インバースマーキングビットを指定する」を参照してください。) インバースマーキングビットとは、ラベルに語句が存在しているときには値 0 が、ラベルに語句が存在していないときには値 1 が設定されるビットです。インバースコンパートメントビットは、インバース語句に関連付けられます。このようなインバース語句をラベルに追加しても、ラベルの機密度が上昇することはなく、逆に低下します。低下しない場合でも、ラベルの内部形式のビットのうち、少なくとも 1 つが 1 から 0 に変化します。通常の (インバースでない) マーキングビットに関連付けられる語句をラベルに追加すると、1 つ以上のビットの値が 0 から 1 に変化し、ラベルの機密度が上昇します。

インバースビットでない初期のマーキングビットはすべて、デフォルトビットと見なされます。デフォルトビットはすべてデフォルト語句に関連付けられていなければなりません。デフォルトビットに関連付けられている語句は、デフォルトビット以外には関連付けることができません。

マーキングビットの指定は、キーワード initial markings= の直後の空白文字に続く最初の空白文字以外の文字から、次のセミコロンまたは改行コードまでと見なされます。この指定は、1 つ以上の空白文字で区切ったいくつかの下位指定から成ります。この指定は、1 つ以上の空白文字で区切ったいくつかの下位指定から成ります。この下位指定には、1) ビット位置 (ビット位置は、左を起点として 0 から数える) を示す 10 進整数を指定するか、または 2) ビット位置の範囲を指定します。ビット位置の範囲は、ビット位置を示す 2 つの 10 進整数を「-」でつないで表現します。範囲の開始を示す値は、範囲の終わりを示す値より小さくなければなりません。ビットは全部で 128 個なので、最大ビット位置として 127 を指定できます。 表 3–2 に初期マーキングの指定例を示します。

表 3–2 初期マーキングの指定

指定 

意味 

initial markings= 1;

マーキングビット 1 がオン (1)

initial markings= 2-3;

マーキングビット 2 と 3 がオン (1)

initial markings= 1 3;

マーキングビット 1 と 3 がオン (1)

initial markings= 2 4-6;

マーキングビット 2、4、5、6 がオン (1)

同じ格付けについてキーワード initial markings= を 2 回以上指定すると、それぞれ指定されたマーキングビットは 1 つの複合初期マーキング指定に形成されます。すなわち、次の 2 つの指定

initial markings= 11; initial markings= 17;

は、次の 1 つの指定と同じです。

initial markings= 11 17;

ただし、わかりやすい指定を行うためには、キーワード initial markings= の指定は、1 つの格付けに対し 1 回とした方がよいでしょう。