Wnn8 ユーザーズガイド

設定ファイル

設定ファイルは 3 種類あります。ライセンスそのものの管理以外に、サーバーやクライアントの制御を行うことができます。

ソフトウェア許諾リスト (dpkeylist)

ライセンスパスワードを記述します。ライセンスを管理する上で、最も重要なファイルです。dpkeylist は、通常 Wnn8 のインストール時に自動的に設定されます。

保存場所

下記の標準ディレクトリパスで運用してください。

標準以外のパスに設置した場合、dpkeyserv の起動オプションで指定する必要があります。

/etc/wnn/dp/dpkeylist

書式

FIW8:2:1234567890ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWX:10

ソフトウェア名:ライセンス数:パスワード[:未使用時の解放タイマー]

":" (コロン) で各要素が区切られています。

ソフトウェア名 

Wnn8 for Solaris の場合は「FIW8」となります。 

ライセンス数 

この数値が使用可能なライセンス数の上限となります。 

パスワード 

パスワードの本体です。 

1 文字でも誤りがあるとエラーになります。 

未使用時の解放タイマー (オプション) 

クライアントが未使用の状態のままここで指定した時間を経過すると、自動的にライセンスを強制解放します。 

単位は「分」です。必要に応じて設定してください。 


ヒント –
  • ライセンスパスワードの文字列は、全て半角英数字の "大文字" で記述します。

    それ以外の文字種は使用できません。

  • アルファベットの "O" (オー) と "I" (アイ) は使用しません。


編集方法

root ユーザーになり、お好みのテキストエディタで直接編集してください。

パスワードは全て「半角英数字の大文字」になります。

なお、行頭に "#" (シャープ) をつけるとコメント行となり認識されません。

行の途中に "#" があった場合も、以降の記述はコメント扱いになります。


ヒント –

ライセンスパスワードの追加手順

追加ライセンスパスワードを入手された場合、手動で dpkeylist にパスワードを登録する必要があります。作業は全て root ユーザーにて行なってください。

  1. 稼動中の dpkeyserv を終了します。

    # svcadm disable wnn8/server

  2. お好みのテキストエディタで dpkeylist を開きます。

  3. 既に記載されているパスワードの次行として、追加パスワードを記述します。追加するパスワードが 2 つ以上ある場合も、同様に次行として順次追加していきます。

    例)

    FIW8:5:1234567890ABCDEFGHJKLMNPQRSTUVWX

    FIW8:1:ABCDEFGHJKLMNPQRSTUVWX1234567890

  4. ファイルを保存して、テキストエディタを閉じます。

  5. dpkeyserv を起動します。

    # svcadm enable wnn8/server

    dpkeystat では同じソフトウェアのライセンスは合算して表示されます。

    この例では 5 ライセンスに 1 ライセンス分のパスワードを追加しましたので、合計 6 ライセンスとして表示されます。

    # dpkeystat

    localhost:FIW8:6:----/--/--

  6. 追加したパスワードが正しく反映されているか、dpkeystat で確認します。


アクセス制御リスト (dpkeyallow)

ライセンスサーバーに接続できるクライアントホストを制限することができます。dpkeyallow は初期状態では存在しませんので、必要に応じて新規に作成してください。

保存場所

下記の標準ディレクトリパスで運用してください。

標準以外のパスに設置した場合、dpkeyserv の起動オプションで指定する必要があります。

/etc/wnn/dp/dpkeyallow

書式

ライセンスサーバーへの接続を許可するクライアントホスト名を、1 行ずつ列記します。

半角英数字のみ使用できます。

hostname1

hostname2

hostname3

これでネットワーク上の hostname1、hostname2 および hostname3 からの接続のみ許可され、他のホストへのライセンスの供給は行われなくなります。

編集方法

root ユーザーになり、お好みのテキストエディタで直接編集してください。

なお、行頭に "#" (シャープ) をつけるとコメント行となり認識されません。

行の途中に "#" があった場合も、以降の記述はコメント扱いになります。


注意 – 注意 –

設定の追加 / 変更後は、dpkeyserv を再起動してください。

再起動後に変更内容が反映されます。


サーバーアクセスリスト (dpkeyservlist)

dpkeyservlist を設定することにより、ネットワーク上の複数のライセンスサーバーホストを巡回することができます。

標準のライセンスサーバーホストに障害やライセンス不足が発生し、ライセンスの供給が受けられなくなった場合、別のサーバーホストに自動的にアクセスすることできます。

dpkeyservlist は初期状態では存在しませんので、必要に応じて新規に作成してください。

保存場所

「jserver が稼動するホスト」の下記の標準ディレクトリパスで運用してください。

/etc/wnn/dp/dpkeyservlist


ヒント –

dpkeyservlist を参照するのは jserver です。

jserver がライセンスの供給依頼を発行する際に、ここで設定された順でライセンスサーバーホストにアクセスしていきます。

従って、必ず jserver の稼動するホスト上に配置してください。また dpkeyservlist 作成後は、そこで設定されたサーバーホストのみ参照する様になりますので注意してください。


書式

dpkeyservlist には、ネットワーク上で稼動するライセンスサーバーホストのホスト名を 1 行ずつ列記します。記述された順にアクセスされます。

serverhost1

serverhost2

serverhost3

この例では、serverhost1 からライセンスを取得できなかった場合に、serverhost2、serverhost3 の順でライセンスを要求していきます。

ローカルマシン上でも dpkeyserv が稼動している場合は、先頭に localhost と記述してください。記述がない場合はローカルマシンの dpkeyserv を参照しなくなります。

localhost

sesrverhost1

sesrverhost2

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