Oracle Solaris Trusted Extensions 構成ガイド

Trusted Extensions でのゾーン作成

ラベル付きゾーンを作成するには、Solaris OS 全体をコピーし、すべてのゾーンで Solaris OS のサービスを起動します。この手順は時間がかかります。1 つのゾーンを作成して、そのゾーンをコピーするかゾーンの内容のクローンを作成すると、それほど時間がかかりません。次の表は、Trusted Extensions でゾーンを作成するオプションを示します。

ゾーンの作成方法 

必要な作業 

この方法の特色 

ラベル付きの各ゾーンを最初から作成します。 

ラベル付きの各ゾーンを設定、初期化、インストール、カスタマイズ、および起動します。 

  • この方法はサポートされています。1 つまたは 2 つの追加ゾーンを作成する場合に便利です。ゾーンをアップグレードできます。

  • この方法は時間がかかります。

最初のラベル付きのゾーンのコピーから追加のラベル付きゾーンを作成します。 

1 つのゾーンを設定、初期化、インストール、およびカスタマイズします。このゾーンを追加のラベル付きゾーンのテンプレートとして使用します。 

  • この方法はサポートされています。最初からゾーンを作成する場合ほど時間がかかりません。ゾーンをアップグレードできます。ゾーンに問題がある場合に Sun のサポートを必要とする場合は、このゾーンのコピー方法を使用します。

  • この方法は UFS を使用します。UFS には、Solaris ZFS で提供される追加のゾーンの切り離し機能はありません。

最初のラベル付きゾーンの ZFS スナップショットから追加のラベル付きゾーンを作成します。

Solaris のインストール時に確保したパーティションから ZFS プールを設定します。 

1 つのゾーンを設定、初期化、インストール、およびカスタマイズします。このゾーンを ZFS スナップショットとして、追加のラベル付きゾーンに対して使用します。 

  • この方法では Solaris ZFS を使用しますが、これがもっとも時間のかからない方法です。この方法は、すべてのゾーンをそれぞれファイルシステムにするため、UFS よりも高い分離性を提供します。ZFS では、はるかに少ないディスク容量を使用します。

  • Trusted Extensions をテストし、ゾーンをアップグレードではなく再インストールできる場合に適している方法です。システムを再インストールしてすばやく使用可能な状態にできるので、コンテンツが揮発性ではないシステムでは、この方法が便利です。

  • この方法はサポートされていません。この方法で作成されるゾーンは、Solaris OS の最新のバージョンがリリースされるときにアップグレードできません。

Solaris ゾーンは、パッケージのインストールおよびパッチの適用に影響します。詳細は、次のマニュアルページを参照してください。