Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.3 配備計画ガイド

属性暗号化とは

Directory Server Enterprise Edition は、パスワード認証、証明書に基づく認証、SSL、プロキシ承認など、アクセスレベルでデータを保護するためのさまざまな機能を提供しています。ただし、データベースファイル、バックアップファイル、および LDIF ファイルに格納されたデータも保護する必要があります。属性を暗号化する機能を使用することで、格納されている機密情報にユーザーがアクセスできないように保護できます。

属性の暗号化を使えば、特定の属性を暗号化された形式で格納できます。属性の暗号化はデータベースレベルで設定されます。したがって、ある属性を暗号化すると、その属性がデータベース内のすべてのエントリで暗号化されます。属性の暗号化はエントリレベルではなく属性レベルで行われるため、エントリ全体を暗号化するには、すべての属性を暗号化する必要があります。

属性の暗号化を使えば、データを暗号化された形式で別のデータベースにエクスポートすることもできます。属性の暗号化の目的は、格納またはエクスポートされる機密データを保護することです。したがって、この暗号化は常に可逆です。検索要求の結果として返された場合は、暗号化された属性は復号化されます。

次の図は、データベースに追加されるユーザーエントリを示しています。ここで設定されている属性暗号化は、salary 属性を暗号化します。

図 7–1 属性暗号化のロジック

図では、データベース内で暗号化された属性が示されています。