Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.3 配備計画ガイド

サンプルディレクトリデータの作成

Directory Server に割り当てるディスクやメモリーの容量は、ディレクトリデータに依存します。サンプルデータが LDIF 形式ですでに存在している場合には、配備のハードウェアをサイジングする際にそのデータを使用します。ここで、サンプルデータとは、配備時に使用することが予期されるデータに対応するサンプルデータを意味しており、「配備時の実際のデータ」を意味しているのではありません。実際のデータは、現実的なプライバシーに関する配慮を必要とし、サンプルデータの生成に必要となる仕様に比べて桁違いに大きくなる可能性があるため、テスト対象のすべてのケースを実施することが難しくなる可能性があります。サンプルデータに含まれるエントリの平均サイズは、配備時に予期されるサイズに近く、その属性は、配備時に予期される値に似た値を持ち、その数は、配備時に予期される比率に似た比率で存在しています。

サンプルデータに基づいて何らかの決定を下す際には、予期される増加分を考慮に入れるようにしてください。容量計画時には、現在のデータのオーバーヘッド分を含めることをお勧めします。

サンプルデータをまだ用意していない場合には、makeldif(1) コマンドを使ってサンプル LDIF を生成し、それを Directory Server にインポートします。第 4 章「データ特性の定義」は、配備用のサンプルデータを決定する際に役立つ可能性があります。makeldif コマンドは Directory Server Resource Kit ツールの 1 つです。

本番時に数百万件のエントリを提供することが予期される配備では、数百万件のエントリをテスト用に読み込むのが理想的です。ただし、数百万件のエントリを読み込むことは、最初の評価目的としては現実的でない可能性もあります。まず、10,000 件のエントリ、100,000 件のエントリ、1,000,000 件のエントリなど、サンプルデータのセットをいくつか作成し、それらをインポートし、その監視結果に基づいて推定することで、さらなるテストに必要となるハードウェアを見積もります。ハードウェア要件を見積もる際には、複数のサーバーにレプリケートされるデータを準備してください。

LDIF から Directory Server 内にディレクトリデータをインポートすると、その結果として得られるデータベースファイル (インデックスを含む) は、LDIF 表現よりも大きくなります。データベースファイルはデフォルトで、instance-path/db/ ディレクトリ内に格納されます。