Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.3 配備計画ガイド

リフェラルを使用した分散

リフェラルはサーバーによって返される情報であり、操作要求を進めるためにどのサーバーと通信すればよいかをクライアントアプリケーションに通知します。分散ロジックの管理に Directory Proxy Server を使用しない場合、分散されるデータ間の関係を別の方法で定義する必要があります。関係を定義する 1 つの方法は「リフェラル」の使用です。

Directory Server では、リフェラル返送の形式とタイミングを 3 つの方法で設定できます。

次の図は、リフェラルを使用して、グローバルトポロジ内の適切なサーバーにイギリスの顧客を誘導する方法を例示したものです。このシナリオでは、クライアントアプリケーションがリフェラルに従うためには、クライアントアプリケーションがトポロジ内のすべてのサーバーに (TCP/IP レベルで) 接続できる必要があります。

図 10–14 リフェラルを使用した特定サーバーへのクライアントの誘導

次の図は、コンシューマの Directory Server に要求を送信しているクライアントを示します。この Directory Server は、クライアントにトポロジ内の別のサーバーを参照させます。

Directory Proxy Server でのリフェラルの使用

Directory Proxy Server とリフェラル機構を組み合わせて使用することにより、同じ結果を達成することができます。この目的のために Directory Proxy Server を使用することの利点は、クライアントアプリケーションの負荷および複雑さが軽減されることです。クライアントアプリケーションは Directory Proxy Server の URL のみを認識します。何らかの理由で分散ロジックが変更された場合でも、この変更はクライアントアプリケーションに対して透過的です。

次の図は、前に説明したシナリオを、Directory Proxy Server を使用することによって簡略化する方法を例示しています。クライアントアプリケーションは常に Proxy Server と通信し、リフェラル自体は Proxy Server によって処理されます。

図 10–15 Directory Proxy Server でのリフェラルの使用

図では、すべてのリフェラルを処理する Directory Proxy Server に要求を送信しているクライアントを示しています。