Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.3 配備計画ガイド

グローバルアカウントロックアウトを使用した認証の防止

このバージョンの Directory Server では、パスワードによる認証失敗が監視およびレプリケートされます。これにより、無効なパスワードによる認証の試みがある指定された回数だけ行われたときに、グローバルアカウントロックアウトを速やかに行えます。グローバルアカウントロックアウトは、次のどの場合でもサポートされています。

すべてのバインド試行が同一のサーバーに向けられず、ロックアウトデータがレプリケートされるよりも早く、クライアントアプリケーションが複数のサーバー上でバインド試行を実行するような状況を想像してください。最悪の場合、クライアントがバインドを試みたサーバーごとに、指定された回数の試みをクライアントに許可することになります。クライアントアプリケーションを駆動する入力を与えるユーザーが人間である場合には、こうした状況はあまり起こりそうにありません。しかし、トポロジを攻撃するために構築された自動化クライアントであれば、この配備選択を悪用することができます。

優先順位付きレプリケーションを使えば、侵入者検出の際に、非同期レプリケーションの遅れによる影響を最小限に抑えることができます。ただし、バインド試行が指定された回数だけ失敗した直後にアカウントロックアウトを行いたい場合もあります。その状況では、ある特定のエントリ上でのすべてのバインドの試みを、Directory Proxy Server を使って同一のマスターレプリカに配信する必要があります。そのように配信するための Directory Proxy Server の設定方法については、『Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.3 Reference』「Operational Affinity Algorithm for Global Account Lockout」を参照してください。

レプリケーショントポロジ内で厳密にローカルなロックアウトポリシーを維持するには、version 5.2 のパスワードポリシーとの互換性を維持する必要があります。その状況では、有効なポリシーがデフォルトのパスワードポリシーであってはいけません。また、読み取り専用のコンシューマにバインドを制限することによっても、ローカルロックアウトを実現することができます。

グローバルアカウントロックアウトの動作方法の詳細については、『Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.3 Reference』「Global Account Lockout」を参照してください。