Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.3 トラブルシューティングガイド

第 2 章 インストールと移行の問題のトラブルシューティング

この章では、インストールと移行に関する問題のトラブルシューティングに役立つ情報を示します。次の項目について説明します。

インストールの問題の考えられる原因

Directory Server Enterprise Edition のインストールの問題は、次のいずれかによって発生する可能性があります。

アップグレードの実行中に問題が発生する場合は、以前にインストールしたものと同じタイプのソフトウェア配布をインストールしているか確認します。たとえば、以前に ZIP 形式の配布を使用してインストールした場合は、アップグレードでも ZIP 形式の配布を使用する必要があります。

SunAlert パッチをインストールする場合は、使用しているタイプの配布に適合するパッチ番号をインストールしようとしているかを readme で確認します。

Java ES のインストールに関する問題のトラブルシューティング

ここでは、Solaris および Linux オペレーティングシステムへの Java Enterprise System ソフトウェア配布のインストールに関する問題のトラブルシューティング方法について説明します。


注 –

問題が Java Enterprise System の一般的なインストールエラーに関連する場合は、使用しているバージョンの Java Enterprise System の『インストールガイド』を最初に確認してください。


一般的な推奨事項

Java ES インストールのトラブルシューティングを始める前に、Java ES インストーラを使用してインストールを行ったことを確認してください。Java ES 配布はこのインストーラを使用してインストールする必要があります。このインストーラでは、多数のコンポーネントパッケージがインストールされます。

Solaris での Java ES のインストールのトラブルシューティング

ここでは、Java ES 配布を使用して Directory Server Enterprise Edition を Solaris にインストールする際の問題のトラブルシューティングに役立つ情報を示します。

データの収集と分析

インストールエラーの際に何が起きたのかについては、インストールエラーログを確認します。Solaris の場合は、/var/sadm/install/logs ディレクトリ内のエラーメッセージを検索します。Red Hat および HP-UX システムの場合、インストールログは /var/opt/sun/install/logs ディレクトリにあります。Windows システムの場合、インストールログは C:\Docuemnts and Settings\current-user\Local Settings\Temp ディレクトリにあります。

ログディレクトリには次のログファイルが含まれています。

Directory Server などのインストール済みコンポーネントに関する情報は、これらのログファイル内にあります。

Sun サポートへの問い合わせ

Solaris で Java ES 配布を使用して Directory Server Enterprise Edition インストールを実行することができず、問題をトラブルシューティングできない場合は、次のデータを収集します。このデータは、Sun サポートセンターが問題を解決する際に役立ちます。

ここでの説明だけでなく、『Sun Gathering Debug Data for Sun Java System Directory Server 5』「To Collect Required Debug Data For Directory Server Installation Problems」も参照してください。

Linux での Java ES のインストールのトラブルシューティング

Java Enterprise System 配布を手動でインストールした場合、つまり必要と思われるパッケージのみをインストールした場合は、インストーラを使用してクリーンインストールを実行します。

ProcedureLinux で Java ES を再クリーンインストールする

  1. すべての Java ES プロセスを停止します。

  2. 設定段階で指定した install-path の下にあるすべてのものを削除します。

    このパスの場所を見つけるには、次のように実行します。


    # grep location /var/tmp/productregistery
  3. /var/tmp/productregistry ファイルと /var/opt/sun/install/productregistry ファイルを削除します。

    これらの製品レジストリファイルには、Java ES 用にインストールされているパッケージと、それらがインストールされている場所についての記述が含まれています。

  4. Directory Server Enterprise Edition RPM パッケージをアンインストールします。

    次のように、インストールされているすべての Directory Server Enterprise Edition RPM パッケージを検索します。


    # rpm -qa | grep 'sun-ldap-(shared|directory|proxy|console)'

    次のように、見つかったすべての RPM パッケージを削除します。


    # rpm -e list-of-rpm-packages
    
  5. Java ES インストーラを使用して、パッケージを再度インストールします。

Java ES のアクセス権の問題の解決

クリーンインストールを実行しても、まだインストーラを起動できない場合は、アクセス権の問題が発生している可能性があります。この問題は、通常は Linux で、デフォルトの umask 値が正しくないことによって発生します。この問題は、root などのユーザーとしてインストールしたあとに、Directory Server の通常の LDAP ユーザーを使用したときに発生します。Directory Server を LDAP ユーザーとして起動すると、umask 値が過度に制限されていることが原因でこのユーザーが root としてインストールしたファイルにアクセスできないために、エラーが発生します。

たとえば、次のような単純なスクリプトを使用して、アクセス権をリセットできます。


# cd /opt/sun
# for i in `find . -perm 750`
do
chmod $i 755 $i
done
# for i in `find. -perm 640`
do
chmod $i 644 $i
done
# cd instance-directory
# for i in `find . -perm 750`
do
chmod $i 755 $i
done
# for i in `find . -perm 640`
do 
chmod $i 644 $i
done

Sun サポートへの問い合わせ

Linux で Java ES 配布を使用して Directory Server Enterprise Edition インストールを実行することができず、問題をトラブルシューティングできない場合は、次のデータを収集します。このデータは、Sun サポートセンターが問題を解決する際に役立ちます。

ここでの説明だけでなく、『Sun Gathering Debug Data for Sun Java System Directory Server 5』「To Collect Required Debug Data For Directory Server Installation Problems」も参照してください。

ZIP インストールの問題のトラブルシューティング

ここでは、Directory Server Enterprise Edition インストールの ZIP 形式の配布を使用する際の問題のトラブルシューティングに役立つ情報を示します。

すでに Java Enterprise System のインストールが含まれているホストマシンに Directory Server Enterprise Edition をインストールする場合は、共通エージェントコンテナポートがすでに使用中である可能性があります。共通エージェントコンテナの代替ポートを指定するには、 dsee_deploy -p port コマンドを使用します。

ZIP 形式の配布を使用して Directory Server Enterprise Edition インストールを完了できない場合は、次のデータを収集して分析します。エラーの原因がはっきりしない場合は、問題解決のため、Sun サポートセンターにこのデータを送信してください。

移行の問題のトラブルシューティング

Directory Server Enterprise Edition の移行中に問題が発生する場合は、次のデータを収集して分析します。エラーの原因がはっきりしない場合は、問題解決のため、Sun サポートセンターにこのデータを送信してください。

Directory Server 5.2 のインストールの問題のトラブルシューティング

インストールエラーの際に何が起きたのかについては、インストールエラーログを確認します。Solaris の場合は、/var/sadm/install/logs ディレクトリ内のエラーメッセージを検索します。Red Hat および HP-UX システムの場合、インストールログは /var/opt/sun/install/logs ディレクトリにあります。Windows システムの場合、インストールログはC:\Docuemnts and Settings\current-user\Local Settings\Temp ディレクトリにあります。

Directory_Server_install.Atimestamp ログファイルにはインストールの概要情報が記録され、Directory_Server_install.B timestamp ログファイルにはより詳細はログメッセージが含まれます。たとえば、12 月 16 日の午後 3 時 32 分に失敗した Directory Server インストールの詳細なログファイルは、Directory_Server_install.B12161532 のような名前になります。

ログファイルをトラブルシューティングに使用するには、最初に発生した問題を特定します。それは、最初の問題が原因となって、次々と問題が引き起こされることがよくあるためです。次のようにしてログを確認します。

  1. インストールのサマリーログファイル (A) を参照します。このファイルには、何がインストールされ、設定されているかについての概要が記載されています。問題が発生した場合は、どのコンポーネントが問題の原因であるかを確認します。複数の問題が発生している場合は、最初の問題を特定します。

  2. 詳細なログファイル (B) を参照します。最初に発生したエラーまたは警告を探して、解決を試みます。1 つのエラーを解決すると、関連性がないように見える後続の多数のエラーも解決することがよくあります。

    問題の原因となっているコンポーネントまたはパッケージの名前を探します。

ログファイルによって、次の手順を見極めるためのヒントが与えられることがあります。たとえば、設定に問題がある場合は、設定サマリーを参照して使用している設定を調べます。ディレクトリが競合している場合は、別のコンポーネント製品によって予約されているディレクトリを指定していないかどうかチェックします。