Sun GlassFish Communications Server 1.5 リリースノート

第 2 章 Sun GlassFish Communications Server 1.5 について

Sun GlassFish Communications Server は、大規模な本稼働環境での Web、SIP、および融合アプリケーションと、Java テクノロジベースの Web サービスの開発と配備に利用できる Java EE 5 プラットフォーム互換サーバーです。

この章で説明する内容は、次のとおりです。

Sun GlassFish Communications Server の機能

Communications Server は、Sun GlassFish Enterprise Server で使用できるすべての機能をサポートし、さらに次のような新しい機能も備えています。Sun GlassFish Enterprise Server の機能一覧については、『Sun GlassFish Enterprise Server リリースノート』を参照してください。

ハードウェアとソフトウェアの要件

この節では、Sun GlassFish Communications Server をインストールする前に満たしている必要のある要件を示します。

サポートされるプラットフォーム

次の表に、Sun GlassFish Communications Server 製品と互換性があるオペレーティングシステムを示します。

表 2–1 サポートされるオペレーティングシステム

オペレーティングシステム 

最小メモリー 

推奨メモリー 

最小ディスク容量 

推奨ディスク容量 

JVM 

配備のタイプ 

Sun Solaris 10 (x86) (32 ビットおよび 64 ビット) 

512M バイト 

512M バイト 

250M バイトの空き領域 

500M バイトの空き領域 

J2SE 5.0 - 32 ビット 

Java SE 6 - 32 ビット 

本稼働 

Sun Solaris 10 (SPARC) (32 ビットおよび 64 ビット) 

512M バイト 

512M バイト 

250M バイトの空き領域 

500M バイトの空き領域 

J2SE 5.0 - 32 ビット 

Java SE 6 - 32 ビット 

本稼働 

Red Hat Enterprise Linux 3.0、4.0 (32 ビットおよび 64 ビット) 

512M バイト 

1G バイト 

250M バイトの空き領域 

500M バイトの空き領域 

J2SE 5.0 - 32 ビット 

Java SE 6 - 32 ビット 

本稼働 

SuSE Linux Enterprise Server 10 SP1(32 ビットおよび 64 ビット) 

512M バイト 

1G バイト 

250M バイトの空き領域 

500M バイトの空き領域 

J2SE 5.0 - 32 ビット 

Java SE 6 - 32 ビット 

本稼働 

Windows Vista 

1G バイト 

2G バイト 

500M バイトの空き領域 

1G バイトの空き領域 

J2SE 5.0 - 32 ビット 

Java SE 6 - 32 ビット 

開発 

Mac OS 

512M バイト 

1G バイト 

250M バイトの空き領域 

500M バイトの空き領域 

J2SE 5.0 - 32 ビット 

Java SE 6 - 32 ビット 

開発 

UNIXTM では、オペレーティングシステムのバージョンを uname コマンドで確認できます。ディスク容量は df コマンドで確認できます。


注 –

Microsoft Windows プラットフォームで Communications Server を実行している場合は、FAT や FAT32 ではなく NTFS ファイルシステムを使用する必要があります。


重要パッチ情報

Solaris のパッチ要件

Solaris 10 (x86 または SPARC) を使用する場合には、「Sun 推奨パッチクラスタ」をインストールすることをお勧めします。このパッチクラスタは、SunSolve Web サイトの「推奨 & セキュリティーパッチ」で入手できます。

JDK バージョン

Communications Server で必要な (動作が保証されている) JDK の最小バージョンは、1.6.0_7 です。

Procedureサポートされている Java SE バージョンへ切り換える

次の手順で asenv file を編集して、サポートされている Java SE バージョンに切り替えることができます。

  1. システムに新しい Java SE バージョンをインストールします (インストールしていない場合)。

    Java SE SDK は http://java.sun.com/javase からダウンロードできます。

  2. Communications Server ドメインを停止します。

  3. as-install/config/asenv.conf ファイル (Windows では asenv.bat) を編集して、新しい Java ホームディレクトリをポイントするように AS_JAVA の値を変更します。

  4. as-install/samples/common.properties ファイルを編集して、com.sun.aas.javaRoot... で始まる行を、新しい Java ホームディレクトリを参照するように変更します。

  5. Communications Server を再起動します。

Ant のバージョン

SailFin JAR インストールにバンドルされた Ant のバージョンは 1.6.5 です。カスタムのアプリケーションルーターアプリケーションを構築するには、Ant 1.7 が必要です。このバージョンは、別途ダウンロードする必要があります。

JDBC ドライバとデータベース

表 2–2 に、Java EE の互換性要件を満たすデータベースとドライバを示します。サポートされるすべての Sun GlassFish Communications Server の構成では、バンドル版 Java DB データベースとドライバなどの、この表に基づくデータベースとドライバの組み合わせを少なくとも 1 つ含める必要があります。さらに、Communications Server は、対応する JDBC ドライバを使用してほかのどの DBMS に対する JDBC 接続もサポートするように設計されています。

表 2–2 Java EE 互換の JDBC ドライバ

JDBC ドライバベンダー 

JDBC ドライバのタイプ 

サポートされるデータベースサーバー 

Derby Network Client 

Type 4 

Derby 10.2 

DataDirect 3.6.x、3.7.x

Type 4 

Oracle 10g 

Oracle 9i 

Sybase ASE 15 

MS SQL 2005 

DB2 9.1 

DB2 8.2 

MySQL Connector/J Driver 5.1.6 

Type 4 

MySQL 5.0 

Oracle 10G 

Type 4 

Oracle 10g 

-RAC 

PostGres 

Type 4 

8.2.x

表 2–3 に、Communications Server FCS リリースでサポートを予定しているその他のデータベースとドライバをすべて示します。

表 2–3 サポートされる JDBC ドライバとデータベース (Communications Server FCS)

JDBC ドライバベンダー 

JDBC ドライバのタイプ 

サポートされるデータベースサーバー 

Oracle OCI 

Type 2 

Oracle 9i 

IBM DB2 

Type 2 

DB2 9.1 

通常、Communications Server は、Java EE 仕様に適合するすべての JDBC ドライバをサポートします。

Message Queue のバージョン

ファイルベースのインストールでは、Message Queue 4.3 が Communications Server と一緒にパッケージされています。UNIX のパッケージベースのインストールでは、Message Queue 4.3 と同等の機能を持つ、Message Queue 4.1.1 が提供されます。バージョンの数字が 4.1.1 と小さいにもかかわらず、Message Queue 4.1.1 は Message Queue 4.2 と下位互換性を持ちます。

Communications Server の一部として提供される埋め込みの Sun GlassFish Message Queue コードは、一般的に同等のバージョンの Message Queue ブローカに対してのみ、テストおよび認証されています。つまり、提供される埋め込みの Message Queue コードを使用して、別のバージョンの Message Queue コードを実行しているリモート (Communications Server で管理されていない) Message Queue ブローカに接続することは、サポートされません。

ブラウザ

ここでは、Sun GlassFish Communications Server 2.1 でサポートされているブラウザを示します。

表 2–4 サポートされている Web ブラウザ

ブラウザ 

バージョン 

Mozilla 

1.7.12 

Internet Explorer 

6.0 Service Pack 2、7.0 

Firefox 

1.5.x、2.x

Safari 

Netscape 

8.0.4、8.1、9.0、9.0.x

ブラウザ

ここでは、Sun GlassFish Communications Server 2.1 でサポートされているブラウザを示します。

表 2–5 サポートされている Web ブラウザ

ブラウザ 

バージョン 

Mozilla 

1.7.12 

Internet Explorer 

6.0 Service Pack 2、7.0 

Firefox 

1.5.x、2.x

Safari 

Netscape 

8.0.4、8.1、9.0、9.0.x

その他の要件

Sun GlassFish Communications Server ソフトウェアをインストールする前に、次の追加の要件が満たされるようにしてください。

Java EE 5 プラットフォームの API

Sun GlassFish Communications Server 2.1 は、Java EE 5 プラットフォームをサポートしています。Java EE 5 プラットフォームで使用できる拡張 API を、次の表に示します。

表 2–6 Java EE 5 プラットフォームの主要な API の変更点

API 

JSR 

Java EE 5

Java Platform, Enterprise Edition 5

JSR 244

Web サービステクノロジ

エンタープライズ Web サービスの実装 

JSR 109

Java API for XML-Based Web Services (JAX-WS) 2.0

JSR 224

Java API for XML-Based RPC (JAX-RPC) 1.1

JSR 101

Java Architecture for XML Binding (JAXB) 2.0

JSR 222

SOAP with Attachments API for Java (SAAJ)

JSR 67

Streaming API for XML

JSR 173

Java プラットフォーム用 Web サービスメタデータ 

JSR 181

コンポーネントモデルテクノロジ

Enterprise JavaBeans 3.0

JSR 220

J2EE Connector Architecture 1.5

JSR 112

Java Servlet 2.5

JSR 154

JavaServer Faces 1.2

JSR 252

JavaServer Pages 2.1

JSR 245

JavaServer Pages Standard Tag Library 1.2

JSR 52

管理テクノロジ

J2EE Management

JSR 77

J2EE Application Deployment

JSR 88

Java Authorization Contract for Containers

JSR 115

その他の Java EE テクノロジ

Common Annotations for the Java Platform 

JSR 250

Java Transaction API (JTA)

JSR 907

JavaBeans Activation Framework (JAF) 1.1

JSR 925

JavaMail

JSR 919

Java Message Service API

JSR 914

Java Persistence API

JSR 220

Java EE 5 SDK

Sun GlassFish Communications Server 2.1 は、Java EE 5 SDK の一部として使用できます。

Java EE 5 SDK には、次の 2 つのバージョンがあります。

さらに、これらの SDK 配布を JDK または NetBeans 5.5.1 ツールとともにダウンロードすることもできます。詳細は、ダウンロードページの http://java.sun.com/javaee/downloads/index.jsp を参照してください。


注 –

GlassFish v2.1 と Communications Server 2.1 は、Java EE アプリケーションの開発では NetBeans 5.5 と連携していません。NetBeans 5.5.1 を使用する必要があります。


サポートされている別の Java バージョンへの切り換え

Sun GlassFish Communications Server 2.1 では、基盤となる JVM として Java SE 5.0 以上が必要です。Java を別のバージョンに切り替える場合は、次の一般的な手順に従います。(Windows および Unix)


注 –

新しい Java VM でドメインを作成したあとに以前の Java バージョンにダウングレードすることは推奨されていません。JVM をダウングレードする必要がある場合は、ドメインごとにそうすることをおすすめします。次の手順はその方法を説明したものです。


Procedureサポートされている別の Java バージョンへ切り換えるには

  1. 必要に応じて、希望する Java SDK (JRE ではない) をダウンロードしてシステムにインストールします。

    Java SDK は、http://java.sun.com/j2se でダウンロードできます。

  2. JDK を変更するドメインを開始します。


    as-install/bin/asadmin start-domain domain-name
    
  3. 管理コンソールにログインして、ドメインの JVM 属性を変更します。

    特に、ドメインの「JVM 設定」ページの JAVA_HOME 変数を変更することが必要です。

    または、asadmin コマンドを使用することもできます。


    as-install/bin/asadmin set "server.java-config.java-home=Path-To-Java-Home"

Update Center の使用法

Update Center により、Communications Server の更新が自動化され、追加コンポーネントが簡単に利用できるようになりました。

Update Center を有効にすると、自動でソフトウェアの更新を実行します。この自動更新プロセス中に、Update Center は次のデータを収集して Sun Microsystems または購入先に転送します。

個人情報は追跡しません。どの個人情報もほかのデータと関連付けられておらず、レポート用に使用されません。

ProcedureUpdate Center を使用するには

自動アップデートへの同意を明示するため、Update Center はデフォルトでは無効になっています。Update Center を有効にして、定期チェックと自動アップデートを実行するには、次の手順に従います。

  1. Update Center を開始します。

    • UNIX の場合: <installdir>/updatecenter/bin/updatetool

    • Windows の場合: <installdir>\updatecenter\bin\updatetool.bat

  2. 「Preferences」タブをクリックします。

  3. 「Update Scheduling」ウィンドウで、「Check for Updates」ドロップダウンボックスの値を「Never (Manual)」から希望する値に変更します。一例として、毎日や毎週などを指定できます。

  4. アップデートを希望する曜日と時刻を指定します。

  5. 変更を保存するには、「Save」ボタンを選択します。

    これで、Update Center は指定したスケジュールに従って、SailFin または Communications Server コンポーネントのアップデートを自動的に確認します。アップデートが利用可能である場合には、Update Center が起動して更新可能なコンポーネントを通知します。

マルチレベルの関係プリフェッチの有効化

マルチレベルの関係プリフェッチが CMP 2.1 エンティティー Bean でサポートされています。

マルチレベルの関係プリフェッチを有効にするには、次のプロパティーを設定します。


-Dcom.sun.jdo.spi.persistence.support.sqlstore.MULTILEVEL_PREFETCH=true

関係プリフェッチの詳細は、『Sun GlassFish Communications Server 1.5 Developer’s Guide』「Relationship Prefetching」を参照してください。

WSIT 統合の詳細について

WSIT ステータスの詳細は、WSIT Status Notes ページを参照してください。