応答時間とは、Communications Server が、要求の結果をユーザーに返すために費やす時間のことを指します。応答時間は、ネットワーク帯域幅、ユーザーの数、送信される要求の数とタイプ、平均思考時間などの要因によって影響されます。
ここでは、応答時間は平均の応答時間を指します。要求のタイプごとに、独自の最小応答時間があります。ただし、システム性能を評価する場合は、すべての要求の平均応答時間に基づいて分析します。
応答時間が速ければ速いほど、1 分あたりに処理される要求が増えます。ただし、システム上のユーザーの数が増えるにつれ、1 分あたりの要求の数が低下するにもかかわらず応答時間も増え始めます。
この図のようなシステム性能のグラフは、特定の点を過ぎると、1 分あたりの要求数が応答時間に反比例することを示しています。点線の矢印で表されているように、1 分あたりの要求数の低下が激しければ激しいほど、応答時間の増加も急になります。
この図の場合、ピーク負荷の点は、1 分あたりの要求数が低下し始める時点になります。この点より前は、数式にピークの数値が使用されていないため、応答時間の計算は必ずしも正確ではありません。この点よりあとは、1 分あたりの要求数と応答時間の間に反比例の関係があるため、管理者は、ユーザーの最大数と 1 分あたりの要求数を使用して応答時間をより正確に計算できます。
ピーク負荷時の応答時間 (秒単位) である Tresponse を特定するには、次の数式を使用します。
Tresponse = n/r - Tthink
次に、各引数について説明します。
n は、並行ユーザーの数です。
r は、サーバーが受信する 1 秒あたりの要求の数です。
Tthink は、平均思考時間 (秒単位) です。
正確な応答時間結果を得るには、必ず式に思考時間を含めてください。
次の条件が存在する場合、
ピーク負荷時にシステムでサポートできる並行ユーザーの最大数 (n) は 5,000。
ピーク負荷時にシステムで処理できる要求の最大数 (r) は 1 秒あたり 1,000。
平均思考時間 (Tthink) は 1 要求あたり 3 秒。
応答時間の計算は次のようになります。
Tresponse = n/r - Tthink = (5000/1000) - 3 秒= 5 - 3 秒
したがって、応答時間は 2 秒です。
システムの (特に、ピーク負荷時の) 応答時間を計算したら、それを、アプリケーションで許容可能な応答時間と比較します。応答時間は、スループットとともに、Application Server のパフォーマンスにとって重要な主要要因の 1 つです。