Sun Java System Web Proxy Server 4.0.8 管理ガイド

ログアナライザの使用

server-root/extras/log_anly ディレクトリには、サーバーマネージャーのユーザーインタフェースから実行するログ分析ツールがあります。このログアナライザは、共通ログ形式のファイルだけを分析します。log_anly ディレクトリにある HTML ドキュメントに、このツールのパラメータが説明されています。server-install/extras/ flexanlg ディレクトリには、フレキシブルログファイル形式用のコマンド行ログアナライザがあります。ただし、サーバーマネージャーのデフォルト設定では、選択したログファイル形式に関係なく、フレキシブルログファイルレポートツールを使用するように設定されています。

ログアナライザを使用して、アクティビティーの要約、もっとも頻繁にアクセスされる URL、サーバーがもっとも頻繁にアクセスされる時間など、デフォルトサーバーの統計情報を生成します。ログアナライザは、Proxy Server から実行することも、コマンド行から実行することもできます。

flexanlg コマンド行ユーティリティーを実行する前に、ライブラリパスを設定する必要があります。各種プラットフォームでの設定は、次のとおりです。

Solaris および Linux:

LD_LIBRARY_PATH=server-root/bin/proxy/lib:$LD_LIBRARY_PATH

AIX:

LIBPATH=server-root/bin/proxy/lib:$LIBPATH

HP-UX:

SHLIB_PATH=server-root/bin/proxy/lib:$SHLIB_PATH

Windows:

path=server-root\\bin\\proxy\\bin;%path%

注 –

ログアナライザを実行する前に、 サーバーログをアーカイブする必要があります。サーバーログのアーカイブについては、「ログファイルのアーカイブ」を参照してください。


ライブラリパスを設定する代わりに、server-root/proxy-serverid ディレクトリに変更を行った後、コマンドプロンプトで ./start -shell と入力することもできます。

拡張または拡張 2 ロギング形式を使用する場合、ログアナライザは報告用に指定した情報のほかに、出力ファイルに複数のレポートを生成します。次の節では、これらのレポートについて説明します。

転送時間分散レポート

転送時間分散レポートには、Proxy Server が要求の転送に要する時間が示されます。このレポートには、情報がサービス時間別、および完了率別に分類されて表示されます。次の例は転送時間分散レポートの例です。

サービス時間カテゴリ別:

< 1 sec [644%] ........................................

< 2 sec [33.3%] ....................

< 3 sec [ 2.7%] .

< 4 sec [ 1.7%] .

< 5 sec [ 0.6%]

< 6 sec [ 0.4%]

< 7 sec [ 0.2%]

< 8 sec [ 0.0%]

< 9 sec [ 0.0%]

完了率別:

< 1 sec [64.4%] ........................................

< 2 sec [97.7%] ....................................

< 3 sec [100.4%]..............................................

データフローレポート

データフローレポートには、クライアントからプロキシ、プロキシからクライアント、プロキシからリモートサーバー、およびリモートサーバーからプロキシへのデータフロー (転送バイト数) が示されます。これらの各シナリオについて、レポートには転送されたデータの量がヘッダーおよびコンテンツの形式で示されます。データフローレポートには、キャッシュからクライアントへのデータフローも示されます。次はデータフローレポートの例です。

 
Headers
Content
Total
- Client -> Proxy.........
0 MB
0 MB
0 MB
- Proxy  -> Client...........
0 MB
2 MB
3 MB
- Proxy  -> Remote...........
0 MB
0 MB
0 MB
- Remote -> Proxy..........
0 MB
2 MB
2 MB
       
Approx:
     
- Cache  -> Client...........
0 MB
0 MB
0 MB

状態コードレポート

状態コードレポートには、Proxy Server がリモートサーバーから受信した状態コード、およびクライアントに送信した状態コードの内容と数が示されます。この状態コードレポートには、これらのすべての状態コードの説明も表示されます。次の例は状態コードレポートの例です。

Code
-From remote-
 
-To client-
-Explanation-
200
338  [70.7%]
352  [73.6%]
OK
302
33  [ 6.9%]
36  [ 7.5%]
Redirect
304
90  [18.8%]
99  [20.7%]
Not modified
404
3  [ 0.6%]
3  [ 0.6%]
Not found
407
 
5  [ 1.0%]
Proxy authorization required
500
 
2  [ 0.4%]
Internal server error
504
 
6  [ 1.3%]
Gateway timeout

要求と接続レポート

要求と接続レポートには、Proxy Server がクライアントから受信した要求数、プロキシからリモートサーバーに設定した接続数 (初期取得、最新状態チェック、更新)、Proxy Server がキャッシュされたドキュメントを使用することにより回避したリモート接続数が示されます。次の例は要求と接続レポートの例です。

- Total requests.............     478
- Remote connections.........     439
- Avoided remote connects....      39 [ 8.2%]

キャッシュパフォーマンスレポート

キャッシュパフォーマンスレポートには、クライアントのキャッシュ、Proxy Server のキャッシュ、直接の接続のパフォーマンスが示されます。

クライアントのキャッシュ

クライアントのキャッシュのヒットは、クライアントがドキュメントで最新状態チェックを実行し、リモートサーバーが 304 メッセージ、すなわちクライアントにドキュメントが変更されなかったことを伝えるメッセージが返された場合に起こります。クライアントにより開始される最新状態チェックから、クライアントがドキュメントの独自のコピーがキャッシュにあることが示されます。

クライアントのキャッシュについては、レポートに次の内容が示されます。

プロキシのキャッシュ

プロキシのキャッシュのヒットは、クライアントが Proxy Server からドキュメントを要求し、Proxy Server のキャッシュにすでにドキュメントがある場合に起こります。Proxy Server のキャッシュのヒットの場合、レポートに次の内容が示されます。

組み合わせたプロキシのキャッシュのヒット

組み合わせたプロキシのキャッシュのヒットの場合、レポートに Proxy Server のキャッシュに対するヒットの合計数と、これらの要求の処理に Proxy Server が要した平均時間が示されます。

直接のトランザクション

直接のトランザクションとは、キャッシュにヒットせずに、直接リモートサーバーから Proxy Server、そしてクライアントに送られるトランザクションです。直接のトランザクションの場合、レポートに次の内容が示されます。

次の例はキャッシュパフォーマンスレポートの例です。


                  
CLIENT CACHE:
- Client & proxy cache hits... 86 reqs [18.0%] 0.21 sec/req- Proxy shortcut 
no-check........ 13 reqs [ 2.7%] 0.00 sec/req- Client cache hits only.....
- TOTAL client cache hits.......... 99 reqs [20.7%] 0.18 sec/req

                  PROXY CACHE:
- Proxy cache hits w/check........ 4 reqs [ 0.8%] 0.50 sec/req- Proxy cache 
hits w/o check.. 10 reqs [ 2.1%] 0.00 sec/req- Pure proxy cache hits...... 
14 reqs [ 2.9%] 0.14 sec/req

                  PROXY CACHE HITS COMBINED:
- TOTAL proxy cache hits....... 113 reqs [23.6%] 0.18 sec/req

                  DIRECT TRANSACTIONS:
- Retrieved documents..313 reqs [65.5%]  0.90 sec/req 2 MB- Other 
transactions.. 52 reqs [10.9%] 7.79 sec/req- TOTAL direct traffic..
365 reqs [76.4%] 1.88 sec/req 2 MB

               

転送時間レポート

転送時間レポートには、Proxy Server がトランザクションの処理に要した時間に関する情報が示されます。このレポートには、次のカテゴリの値が示されます。

平均トランザクション時間:ログに記録されたすべての転送時間の平均。

キャッシュがない場合の転送時間の平均:キャッシュから返されないトランザクション (リモートサーバーからの 200 の応答) の転送時間の平均。

エラーがない場合のキャッシュの平均:エラーがないトランザクション (状態コードが 2xx と 3xx) の転送時間の平均。

平均転送時間の向上:平均トランザクション時間から、エラーがない場合のキャッシュの平均転送時間を引いた時間。

次の例は転送時間レポートの例です。

- Average transaction time... 1.48 sec/req- Ave xfer time w/o caching.. 
	0.90 sec/req- Ave w/caching, w/o errors.. 0.71 sec/req - Ave xfer 
	time improvement.. 0.19 sec/req

毎時アクティビティーレポート

分析された各時間について、毎時アクティビティーレポートに次の内容が示されます。

Procedureサーバーマネージャーからログアナライザを実行するには

  1. サーバーマネージャーにアクセスし、「Server Status」タブをクリックします。

  2. 「Generate Report」リンクをクリックします。

    「Generate Report」ページが表示されます。

  3. サーバー名を入力します。この名前は生成されるレポートに表示されます。

  4. レポートを HTML 形式または ASCII 形式で表示するかどうかを指定します。

  5. 分析するログファイルを選択します。

  6. 結果をファイルに保存する場合は、「Output File」フィールドに出力ファイル名を入力します。

    このフィールドを空白のままにすると、レポート結果は画面に出力されます。大容量ログファイルの場合、画面への出力に時間がかかる場合があるため、結果をファイルに保存するようにしてください。

  7. 特定のサーバー統計用に合計を生成するかどうかを指定します。

    次の合計を生成できます。

    • 合計ヒット数: アクセスログが有効になってから、サーバーが受信した合計ヒット数。

    • 304 (変更なし) 状態コード: サーバーによりページが返されるのではなく、要求したドキュメントのローカルコピーが使用された回数。

    • 302 (リダイレクト) 状態コード: 元の URL が移動したため、サーバーが新しいURL にリダイレクトした回数。

    • 404 (見つかりません) 状態コード: サーバーが要求されたドキュメントを見つけられなかった回数、またはクライアントが承認されたユーザーではなかったためサーバーがドキュメントを提供しなかった回数。

    • 500 (サーバーエラー) 状態コード: サーバー関連のエラーが発生した回数。

    • 固有の URL の合計数 : アクセスログが有効になってからアクセスされた固有の URL の数。

    • 固有のホストの合計数: アクセスログが有効になってからサーバーにアクセスした固有のホスト数。

    • 合計転送量 (K バイト): アクセスログが有効になってからサーバーが転送した K バイト数。

  8. 一般統計を生成するかどうかを選択します。統計の生成を選択する場合、次の項目から選択します。

    • 「Find TopNumber Seconds Of Log」: 最新の統計対象期間 (秒) からの情報に基づいて、統計情報を生成します。

    • 「Find TopNumber Minutes Of Log」:

    • 最新の統計対象期間 (分) からの情報に基づいて、統計情報を生成します。

    • 「Find TopNumber Hours Of Log」: 最新の統計対象期間 (時間) からの情報に基づいて、統計情報を生成します。

    • Find NumberUsers (If Logged)」: ユーザーの数からの情報に基づいて情報を生成します。

    • Find Top NumberReferers (If Logged)」: referrer の数からの情報に基づいて情報を生成します。

    • Find Top NumberUser Agents (If Logged)」: ブラウザの種類、ブラウザのバージョン、オペレーティングシステムなど、ユーザーエージェントに関する情報に基づいて統計を生成します。

    • Find Top NumberMiscellaneous Logged Items (If Logged)」: ユーザーの数からの情報に基づいて統計を生成します。

  9. リストを生成するかどうかを選択します。

    リストの生成を選択する場合、リストを生成する項目を指定します。

    • 「URLs Accessed」: アクセスされた URL を表示します。

    • NumberMost Commonly Accessed URL」: 最も頻繁にアクセスされた URL、またはアクセス回数が指定数を超えた URL を表示します。

    • 「URLs That Were Accessed More Than NumberTimes」: 指定された回数よりも多くアクセスされた URL を表示します。

    • 「Hosts Accessing Your Server」: Proxy Server にアクセスしたホストを表示します。

    • 「NumberHosts Most Often Accessing Your Server」: 最も頻繁にサーバーにアクセスするホスト、または指定された回数を超えてサーバーにアクセスしたホストを表示します。

    • 「Hosts That Accessed Your Server More Than NumberTimes」: 指定された回数よりも多くサーバーにアクセスしたホストを表示します。

  10. 結果を表示する順序を指定します。

    レポートの各セクションで表示する次の項目の順序を 1 〜 3 番目まで指定します。項目をいずれも生成しない場合、そのセクションは自動的に省略されます。セクションには次のものがあります。

    • Find Totals

    • General Statistics

    • Make Lists

  11. [了解]をクリックします。

    新しいウィンドウにレポートが表示されます。

コマンド行からログアナライザを実行するには

コマンド行からアクセスログファイルを分析するには、flexanlg ツールを実行します。このツールは server-install/extras/flexanlg ディレクトリにあります。

flexanlg を実行するには、コマンドプロンプトに以下のコマンドとオプションを入力します。

./flexanlg [-n name] [-x] [-r] [-p order] [-i file]* [ -m metafile ]* [-o file][-c opts] [-t opts] [-l opts]

* の付いているオプションは繰り返すことができます。

./flexanlg -h と入力すると、この情報をオンラインで入手できます。

-P: proxy log format                                  Default: no
-n servername: The name of the server
-x : Output in HTML                                   Default: no
-r : Resolve IP addresses to hostnames                Default: no
-p [c,t,l]: Output order (counts, time stats, lists)  Default: ctl
-i filename: Input log file                           Default: none
-o filename: Output log file                          Default: stdout
-m filename: Meta file                                Default: none
-c [h,n,r,f,e,u,o,k,c,z]: Count these item(s) -       Default: hnreuokc
    h: total hits
    n: 304 Not Modified status codes (Use Local Copy)
    r: 302 Found status codes (Redirects)
    f: 404 Not Found status codes (Document Not Found)
    e: 500 Server Error status codes (Misconfiguration)
    u: total unique URL’s
    o: total unique hosts
    k: total kilobytes transferred
    c: total kilobytes saved by caches
    z: Do not count any items.
-t [sx,mx,hx, xx,z]: Find time stats -      Default:s5m5h10u10a10r10x10
    s(number): Find top (number) seconds of log
    m(number): Find top (number) minutes of log
    h(number): Find top (number) hours of log
    u(number): Find top (number) users of log
    a(number): Find top (number) user agents of log
    r(number): Find top (number) referers of log
    x(number): Find top (number) for miscellaneous keywords
    z: Do not find any time stats.
-l [cx,hx]: Make a list of -                          Default: c+3h5
    c(x,+x): Most commonly accessed URL’s
             (x: Only list x entries)
             (+x: Only list if accessed more than x times)
    h(x,+x): Hosts (or IP addresses) most often accessing your server
             (x: Only list x entries)
             (+x: Only list if accessed more than x times)
    z: Do not make any lists.