ファイルシステムとディスクの配置とは、Solaris のインストール用に選択した複数のディスクの中にファイルシステムを配置するプロセスのことです。1 台のディスクを最大 8 つのスライスに分割できます。複数のディスクのスライスにファイルシステムを割り当てます。これによって、システムの実行時にスライスがファイルシステム階層の中でマウントされる場所が決定されます。
ソフトウェアにファイルシステムを配置させる (自動配置) ように選択することも、手作業でファイルシステムをディスクに配置することもできます。
次のファイルシステムは Solaris のインストールを無事終了させる上で必須なので、Solaris インストールプログラムは、それぞれに十分なディスク容量が割り当てられているかどうかを監視します。
/ (ルート)
システムの階層ファイルツリーの最上位にあるファイルシステムです。ルートディレクトリには、システムの動作にあたって、必須のディレクトリやファイル、たとえばカーネル、デバイスドライバ、システムを起動 (ブート) するプログラムが置かれています。
/var
ローカルシステムにおいて時間の経過とともに変更や拡張が予想されるシステムファイルやディレクトリを含みます。この中には、システムログ、vi ファイル、mail ファイル、uucp ファイルが含まれます。
/usr
スタンドアロンシステムまたはサーバーが保持するファイルシステムで、UNIX の標準的なプログラムの多くを含んでいます。ローカルコピーの維持に比べると、1 台のサーバーの大規模な /usr ファイルシステムを共有する方が、Solaris ソフトウェアのインストールの実行に必要な、システム全体のディスク容量を最小限に抑えることができます。
/usr/openwin
スタンドアロンシステムまたはサーバーのディレクトリで、OpenWindows ファイルシステムを含みます。このディレクトリを作成しないと、Solaris インストールプログラムは、これらのファイルを /usr に置きます。
/export
サーバー上にあるファイルシステムで、ネットワーク上の他のシステムに共有されます。たとえば、/export ファイルシステムは、ディスクレスクライアントのルートファイルシステムとスワップ空間、ネットワーク上のユーザーのホームディレクトリを格納できます。ディスクレスクライアントのブートと動作は、/export ファイルシステムに依存します。
/export/root
クライアントのルートファイルシステムを持つディレクトリです。
作成すべきファイルシステムとそのサイズは、システムの想定される役割によって異なります。たとえば、通常、サーバーのファイルシステムは、スタンドアロンシステムより複雑です。ファイルシステムの配置方法は、次の影響を受けます。
インストールされる、サードパーティのソフトウェアやバンドルされていないソフトウェア
システムにプリンタが接続されるかどうか
ユーザーのホームディレクトリをローカルディスクに置くか、それとも共有のファイルサーバーからマウントするか
電子メールを受信するかどうか
サイトのバックアップのガイドライン
一般的なガイドラインは、ファイルシステム階層を個別のファイルシステムごとに分割することです。この結果、定期的に行われるバックアップで、階層全体を対象とする必要がなくなるので、バックアップと復元をより効率的に行うことができます。ファイルシステムを分割すると、ファイルシステム階層を 1 つまたは複数のディスクに分散させることができるので、性能の向上につながります。たとえば、Solaris のほぼすべてのファイルの /usr ファイルシステムへのロードが考えられます。Solaris のオペレーティングシステムのファイルは、ほとんどの場合読み込み専用なので、/usr ファイルを単独のファイルシステムに入れ、1 度だけバックアップすれば十分です。
ファイルシステムとして (/) ルートだけを作成することもできます。ファイルシステム全体を対象にしてバックアップと復元を行うので、これらの作業はかなり時間のかかるものとなります。