Solaris 共通デスクトップ環境 ユーザーズ・ガイド

メール・メッセージの送信

電子メール・アドレスは、メール・メッセージを受信するための個人用郵便番号のようなものです。また、他の電子メール・ユーザにメッセージを送信する方法でもあります。電子メール・アドレスで使用する書式は、username@hostname です。システム管理者は、この書式を使用してユーザの (電子メール) アドレスを設定します。

この節では、別のユーザにメッセージをアドレス指定し、メールを作成および送信するために必要な情報を提供します。

別名の使い方

別名は、1 つ以上のユーザ名 (またはユーザのアドレス) に対して 1 つだけ付ける専用の名前です。頻繁にメールを送信するユーザのアドレスの配布リストを作成して別名を指定すると、メッセージを送信するたびに [To] または [Cc] フィールドにアドレスを入力する代わりに、別名を選択できます (詳細は、図 16-1 を参照してください)。

別名に指定する名前は、ユーザのグループを表すものか、覚えやすい名前にしてください。このような別名は、アドレス・マネージャの個人用エイリアス・カードとしても表示されます (詳細は、「エイリアスカード」を参照してください)。

別名を作成、変更、または削除するには

  1. メイン・ウィンドウの [オプション] メニュー、メール作成ウィンドウの [書式] メニュー、またはメール作成ウィンドウの [To] または [Cc] ボタン・メニューから、[別名] を選択します。

    [メールオプション] ダイアログ・ボックスが表示されます。

  2. 別名を [別名] フィールドに入力します。

  3. [アドレス] フィールドに、別名を作成するユーザ・アドレスを入力します。

    これらのアドレスには username@hostname 書式を使用し、コンマ、スペース、またはその両方で区切ります。

  4. [追加] をクリックして、[別名] フィールドと [アドレス] フィールドにある情報を別名リストに追加します。

  5. (省略可能) 別名を変更するには、別名を選択して、別名を [別名] または [アドレス] フィールドで編集し、[変更] をクリックします。

  6. (省略可能) 別名を削除するには、別名を選択して [削除] をクリックします。

  7. [了解] か [適用] をクリックして、設定を有効にします。


注 -

アドレス・マネージャを使用しても、別名を処理できます (詳細は、「個人用エイリアスカードを作成するには」を参照してください)。


メール・メッセージをアドレス指定、メール作成、および送信するには

ユーザの電子メール・アドレスがわかれば、メッセージを送信できます。


注 -

電子メールを使用するのが初めてで、自分の電子メール・アドレスを知っている場合は、これらの手順を使用して自分自身にテスト・メッセージを送信してください。


  1. メール・プログラムをまだ起動していない場合は、フロントパネルの [メール・プログラム] コントロールをクリックします。

    メールボックスが表示されます。

  2. [メール作成] メニューの [新規メッセージ] を選択します。

    メール作成ウィンドウが表示されます。

    図 8-4 メール作成ウィンドウ

    Graphic

  3. 受信者の電子メール・アドレスを [To] フィールドに入力し、[Return] キーを押します。

    1 人または複数のユーザ、あるいは別名宛てにメッセージを送信できます。

    1 つまたは複数の電子メール・アドレスにスペースが含まれている場合は、その電子メール・アドレスをコンマまたはスペースで区切ります。

    別名を作成した場合は、[To] ボタン・メニューを使用してアクセスします。

    別名については、「別名の使い方」を参照してください。

  4. (省略可能) メッセージのトピックとタイトルを [Subject] フィールドに入力し、[Return] キーを押します。

  5. (省略可能) このメッセージを送信するユーザの電子メール・アドレスを [Cc] フィールドに入力します。別名を作成した場合は、[Cc] ボタン・メニューを使用して、設定した別名にアクセスします。

  6. メッセージのアドレスを指定したら、[Return] キーを押してテキスト領域に移動し、メッセージを作成します。

    テキスト・ファイルを挿入する方法については、「メール・メッセージにテキスト・ファイルを取り込むには」を参照してください。また、「テンプレートを使用してメール・メッセージを作成する方法」「ドラフトを使用してメール・メッセージを作成する方法」も参照してください。

    メッセージ内のテキストの編集方法については、「テキストの編集」または 「テキストの書式化」を参照してください。

    作成中のメッセージは、[ファイル] メニューの [別名保存] サブメニュー、またはメール作成ウィンドウの一番下にある [別名保存] ボタンから [テキスト] を選択して、いつでも保存できます。

  7. (省略可能) [シグニチャー] ダイアログ・ボックスの [各メッセージにシグニチャーを入れる] の選択を解除した場合は、メール作成ウィンドウの [書式] メニューから [シグニチャーを含む] を選択して、テキスト領域に各自のシグニチャーを入れます。

    詳細は、「シグニチャーの使い方」を参照してください。

  8. (省略可能) メール作成ウィンドウの幅に合わせてテキストを書式化するには、テキストを選択して、メール作成ウィンドウの [書式] メニューから [折返し] を選択します。

  9. (省略可能) 必要に応じて、ファイルをアタッチメントとしてメッセージに追加します。

    詳細は、「アタッチメントを追加するには」を参照してください。

  10. (省略可能) [ファイル] メニューから [送信メールを保存] を選択して、送信メッセージを保存するファイル (デフォルトでは HomeDirectory/Mail/sent.mail) に、メッセージを保存します。

    デフォルトのファイル名を変更するには、[オプション] メニューから [基本] を選択して、[送信メールのコピーの保存先] フィールドを編集します。

  11. [送信] ボタンをクリックするか、[ファイル] メニューの [送信] を選択するか、[F3] キーを押します。

    メール作成ウィンドウが閉じて、メッセージが送信されます。


    注 -

    [閉じる] をクリックすると、メール作成ウィンドウが閉じてメッセージを破棄します。後で使用するテキストは必ず保存してから、メール作成ウィンドウを閉じてください。


発信メッセージの文字セットを変更するには

使用しているマシンのコードとは異なるコードを使用するマシンに電子メール・メッセージを送信する必要がある場合は、そのテキストを受信者のコードに変更できます。

  1. メール作成ウィンドウにメッセージを入力してから、[書式] メニューから [文字セットを変更] を選択します。

    メール作成ウィンドウのフッタに、文字セット名 (たとえば、ISO-2022-JP) が表示されます。

  2. [文字セットを変更] メニュー項目を選択します。

    [デフォルトの文字セット] メニューを選択すると、各マシンのデフォルトのコードでメッセージが送信されます。

    メール作成ウィンドウのメッセージの表示は変更されません。ただし、[送信] をクリックすると、そのメッセージは選択した文字セットで送信されます。


    注 -

    メール・プログラムは、発信メッセージのヘッダやアタッチメントではなく、そのメッセージ・テキストだけを変換します。


テンプレートを使用してメール・メッセージを作成する方法

毎月送信する報告書のテンプレートのように、メッセージをテンプレートとして保存して、繰り返し使用できます。このテンプレートには、アドレス、件名、およびメッセージ本文の見出しを入れることができます。このテンプレートを使用して内容を入力してから、報告書として毎月電子メールで送信できます。

テンプレートを作成するには

  1. メール・プログラムの [オプション] メニューから [テンプレート] を選択します。

    [テンプレート・オプション] ダイアログ・ボックスが表示されます。

  2. [新規テンプレート] ボタンをクリックします。

    メール作成ウィンドウが表示されます。

  3. ヘッダとテンプレート本文を入力します。

  4. ウィンドウの一番下にある [別名保存] ボタン・メニュー、または [ファイル] メニューの [別名] サブメニューから、[テンプレート] を選択します。

    メール・プログラムの [テンプレートとして保存] ダイアログ・ボックスが表示されます。

  5. テキストフィールドにテンプレート名を入力して、[保存] をクリックします。

    テンプレートが、デフォルト・ディレクトリの HomeDirectory/MailTemplates に保存されます。名前とパスは、テンプレート・スクロール・リストに表示されます。

    アタッチメントをテンプレートの一部として保存できます。これは、アタッチメントをテンプレートにコピーする操作と同じです。アタッチメントをテンプレートに取り込んでから、そのソースを編集または移動しても、テンプレート内のアタッチメントに影響はありません。

テンプレートを使用するには

  1. [メール作成] メニューから [新規テンプレートを使用] を選択して、サブメニューから使用するテンプレートを選択します。

    テンプレートが読み込まれたメール作成ウィンドウが表示されます。


    注 -

    メール作成ウィンドウをすでに開いている場合は、メール作成ウィンドウの [書式] メニューの [テンプレートを使用] サブメニューからテンプレート名を選択して読み込むことができます。


  2. 必要に応じてヘッダと本文を編集し、通常どおりにメッセージを送信します。

    詳細は、「発信メッセージの編集と書式化」を参照してください。

ドラフトを使用してメール・メッセージを作成する方法

メッセージを作成するときに、メッセージをドラフトとして保存した後で、メッセージとして送信する場合があります。ドラフトは 1 回だけ使用することを目的としています。メール作成ウィンドウでドラフト処理を終えてから [送信] をクリックすると、そのドラフトはファイル・システムから削除されます。

ドラフトを作成するには

  1. [メール作成] メニューから [新規メッセージ] を選択します。

    メール作成ウィンドウが表示されます。

  2. 通常どおりにメッセージを作成します。

  3. ウィンドウの一番下にある [別名保存] ボタン、または [ファイル] メニューの [別名保存] サブメニューから、[ドラフト・メッセージ] を選択します。

    メール・プログラムの [ドラフトとして保存] ダイアログ・ボックスが表示されます。

  4. [ドラフト名] にファイル名を入力します。

  5. [保存] をクリックします。

    デフォルト・メールボックスの HomeDirectory/MailDrafts にドラフトが保存されます。


    注 -

    [別名保存] ボタンから [テキスト] を選択すると、メッセージ本文をテキストとしてのみ保存することもできます。


ドラフトを使用するには

  1. [メール作成] メニューから [ドラフト作成を続行] を選択して、サブメニューから、処理するドラフトを選択します。

    ドラフトが読み込まれたメール作成ウィンドウが表示されます。


    注 -

    メール作成ウィンドウをすでに開いている場合は、[書式] メニューの [ドラフトを使用] サブメニューから、ドラフト名を選択して読み込むことができます。


  2. 編集を続けて、通常どおりにメッセージを送信します。

    [送信] をクリックすると、メッセージ送信後にファイル・システムからドラフトを削除するかどうかの確認を求めるメッセージが表示されます。

ドラフトを削除するには

ドラフトとして保存したメッセージを送信する必要がなくなった場合は、次の手順を実行します。

  1. [メール作成] メニューの [ドラフト作成を続行] からドラフトを選択します。

    ドラフト・メッセージが読み込まれた [新規メッセージ] ダイアログ・ボックスが表示されます。

  2. メッセージの宛先を自分自身にして、[送信] をクリックします。

    [新規メッセージ] ダイアログ・ボックスが閉じます。

  3. メッセージが [受信箱] に入ったら削除します。


注 -

メール・プログラムの実行中にシステムからクラッシュした場合は、DeadLetter1DeadLetter2 などの名前のドラフトが作成されていることがあります。これらのドラフトは、$HOME/MailDrafts フォルダから対応するファイルを削除すると削除できます。


新規メッセージに複数のメッセージを取り込むには

  1. メッセージ・ヘッダ・リストで、新規メッセージに取り込む電子メール・メッセージを選択します。

    [Shift] キーを押しながらクリックすると、メッセージ・ヘッダ・リストで強調表示を移動させて、連続しているメッセージを複数選択できます。[Control] キーを押しながらクリックすると、離れたメッセージを 1 回につき 1 つずつリストから選択できます。

  2. [メール作成] メニューの [転送、アタッチメントなし] を選択します。

  3. 通常どおりメッセージを作成して送信します。

メール・メッセージにテキスト・ファイルを取り込むには

ファイル・マネージャからメール・メッセージのメール作成ウィンドウにテキスト・ファイルをドラッグ&ドロップするか、次の手順で実行できます。

  1. [メール作成] メニューの [新規メッセージ] を選択します。

    メール作成ウィンドウが表示されます。

  2. メール作成ウィンドウの [ファイル] メニューから [取込み] を選択します。

  3. 電子メール・メッセージに取り込まれるテキスト・ファイルを選択します。

  4. [了解] をクリックします。

    ファイルが、メッセージのテキスト領域に取り込まれます。

  5. 通常どおりメッセージを作成して送信します。

シグニチャーの使い方

シグニチャーとは、送信する各メール・メッセージに取り込むことができるテキストのことです。たとえば、標準的なシグニチャーには、次のようにユーザ名、ジョブのタイトル、企業名などが含まれます。

John Person
Marketing Manager
ABC Products, Inc.
Email: john.person@mymachine
Phone: (100) 555-1234

このシグニチャーは、個々のメッセージ単位でも取り込むことができます。

シグニチャーを作成するには

  1. メイン・ウィンドウの [オプション] メニュー、またはメール作成ウィンドウの [書式] メニューから、[シグニチャー] を選択します。

    [シグニチャー] ダイアログ・ボックスが表示されます。

  2. [シグニチャー] テキスト領域に、シグニチャーのテキストを入力します。

  3. [了解] または [適用] をクリックします。

    シグニチャーが、デフォルト・ファイルの HomeDirectory/.signature に保存されます。[シグニチャーをパス/ファイルに保存] フィールドに新しいパスを入力すると、このデフォルト位置を変更できます。

すべてのメッセージにシグニチャーを取り込むには

  1. メイン・ウィンドウの [オプション] メニュー、またはメール作成ウィンドウの [書式] メニューから、[シグニチャー] を選択します。

    [シグニチャー] ダイアログ・ボックスが表示されます。

  2. [各メッセージにシグニチャーを入れる] オプションを選択します。

  3. [了解] または [適用] をクリックします。

特定のメッセージだけにシグニチャーを取り込むには

  1. メイン・ウィンドウの [オプション] メニュー、またはメール作成ウィンドウの [書式] メニューから、[シグニチャー] を選択します。

    [シグニチャー] ダイアログ・ボックスが表示されます。

  2. [各メッセージにシグニチャーを入れる] オプションの選択を解除します。

  3. [了解] または [適用] をクリックします。

  4. シグニチャーを取り込みたいメッセージのメール作成ウィンドウの [書式] メニューから、[シグニチャーを含む] を選択します。

自動返信メッセージ (不在返信メッセージ) を作成するには

休暇中などで一定期間メールを使用しない場合は、自動返信を設定して、着信メールの送信者に不在通知を出せます。

  1. [オプション] メニューから [不在返信メッセージ] を選択します。

    [メールオプション] ダイアログ・ボックスが表示されます。

  2. [不在返信] で [オン] を選択します。

  3. [開始日] の下に、不在返信を開始する日付を入力します。

    デフォルトでは今日の日付になります。

  4. [終了日] を入力します。

    不在返信メッセージは、開始日の午前 12 時 1 分以降有効になり、終了日の午前 12 時 1 分に終了します。開始日と終了日が同じ場合、不在返信通知は、終了日の深夜 12 時に終了します。

  5. (省略可能) [送信者への周期的返信の間隔] に、送信者が 1 つの自動返信を受信する間隔を示す数字を設定します。

    デフォルトでは 7 日になります。これは、あるユーザの着信メールの送信者は、そのユーザが不在の 7 日間に、そのユーザに対して、いくつメッセージを送信しても、1 つの自動返信しか受け取らないということです。

  6. 不在返信メッセージの件名とテキストを入力します。

    このフィールドのデフォルト値は、[Out of the office] です。メッセージで変数 $SUBJECT を使用すると、着信メールの件名が、不在返信メッセージに引用されます。次に例を示します。

    I am on vacation, and will read your message regarding "$SUBJECT" when I return.

  7. [了解] または [適用] をクリックします。

    [不在返信] を [オフ] にするまで、受信箱と他のメールボックスのタイトルバー上のメールボックス名に [不在返信] という項目が追加されます。


    注 -

    終了日以前に不在返信メッセージの送信を停止するには、[不在返信] で [オフ] を選択してから、[了解] または [適用] をクリックします。


MIME または Sun Mail Tool 書式でのメール・メッセージの送信

メール・プログラムは、MIME 書式でメッセージを送信します (RFC 1521 または RFC-MIME として公式に知られる標準)。受信したメッセージに =20=09 などの意味のないコードがある場合は、受信者のメール・アプリケーションは MIME に準拠していない可能性があります。

この問題は、電信メールの受信者が、MIME 準拠のメール・アプリケーションを使用すれば解決します。それができない場合は、電子メールを Sun Mail Tool 書式で送信します。ただし、MIME 準拠のメール・リーダのほとんどは、この専用書式を認識しません。

MIME または Sun Mail Tool 書式でメール・メッセージを送信するには

  1. メール作成ウィンドウの [ファイル] メニューから [別の形式で送信] を選択します。

  2. サブメニューから [Internet MIME] または [Sun Mail Tool] のどちらかを選択します。

    メッセージが選択した書式で送信されます。

書式を指定しない場合は、デフォルトの [Internet MIME] が使用されます。このデフォルト値を変更するには、次の手順を実行します。

  1. [オプション] メニューから [拡張機能] を選択します。

    [メールオプション] ダイアログ・ボックスが表示されます。

  2. [MIME 形式でメールを送信] オプションの選択を解除します。

  3. [了解] をクリックします。