この章では、フロッピーディスクと CD を Solaris 環境で使用するためのガイドラインを示します。
この章の内容は次のとおりです。
取り外し可能な媒体を管理する手順については、次を参照してください。
共通デスクトップ環境のファイルマネージャで取り外し可能な媒体を使用する方法については、『Solaris 共通デスクトップ環境 ユーザーズ・ガイド』を参照してください。
Solaris 環境には、ユーザーとソフトウェア開発者用に、フロッピーディスクと CD を扱うための標準インタフェースが用意されています。ボリューム管理と呼ばれるこのインタフェースには、主に次の 3 つの利点があります。
フロッピーディスクと CD を自動的にマウントすることによって、操作を簡単にします。(手作業によるマウントと自動マウントの比較については、表 14-1 を参照してください。)
スーパーユーザーでなくても、フロッピーディスクと CD にアクセスできるようにします。
ネットワーク上の他のシステムが、システムに挿入されたフロッピーディスクと CD に自動的にアクセスできるようにします (第 15 章「コマンド行での CD の使用方法 (手順)」と第 16 章「コマンド行でのフロッピーディスクのフォーマットと使用方法 (手順)」を参照してください)。
次の表 14-1 は、手作業によるマウント (ボリューム管理を使用しない場合) と自動マウント (ボリューム管理を使用する場合) の手順を比較したものです。
表 14-1 手作業によるマウントと自動マウントの比較
手順 |
手作業によるマウント |
自動マウント |
---|---|---|
1 |
媒体を挿入する |
媒体を挿入する |
2 |
スーパーユーザーになる |
フロッピーディスクの場合は、volcheck コマンドを使用する |
3 |
媒体デバイスの位置を確認する |
ボリューム管理は、CD およびフロッピーディスクを手作業でマウントする場合の大半の作業を、自動的に実行する。 |
4 |
マウントポイントを作成する |
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5 |
マウントポイントが現在のディレクトリではないことを確認する |
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6 |
mount に適切なオプションを付けて、デバイスをマウントする |
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7 |
スーパーユーザーを終了する |
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8 |
媒体上のファイルを操作する |
媒体上のファイルを操作する |
9 |
スーパーユーザーになる |
|
10 |
媒体デバイスのマウントを解除する |
|
11 |
媒体を取り出す |
媒体を取り出す |
12 |
スーパーユーザーを終了する |
|
ボリューム管理を使用すると、手作業によるマウントの場合と同様にフロッピーディスクおよび CD にアクセスできますが、処理ははるかに容易になり、スーパーユーザーになる必要もなくなります。フロッピーディスクと CD は、操作を容易にするために、覚えやすい位置にマウントされます。
表 14-2 フロッピーディスクと CD 上のデータにアクセスする方法
アクセスするデータ |
操作 |
ファイルを検索する場所 |
---|---|---|
フロッピーディスク上のファイル |
フロッピーディスクを挿入して、volcheck と入力する。 |
/vol/dev/aliases/floppy0 |
フロッピーディスク上の raw データ |
フロッピーディスクを挿入して、volcheck と入力する。 |
/vol/dev/aliases/floppy0 |
CD 上のファイル |
CD を挿入して、数秒間待つ。 |
/cdrom/cdrom0 |
システムに複数のフロッピーディスクや CD-ROM ドライブがある場合は、そのアクセスポイントについて、次の表 14-3 を参照してください。
表 14-3 フロッピーディスクと CD にアクセスする場所
媒体デバイス |
ファイルシステムにアクセスするための場所 |
raw データにアクセスするための場所 |
---|---|---|
最初のフロッピーディスクドライブ |
/floppy/floppy0 |
/vol/dev/aliases/floppy0 |
2 番目のフロッピーディスクドライブ |
/floppy/floppy1 |
/vol/dev/aliases/floppy1 |
最初の CD-ROM ドライブ |
/cdrom/cdrom0 |
/vol/dev/aliases/cdrom0 |
2 番目の CD-ROM ドライブ |
/cdrom/cdrom1 |
/vol/dev/aliases/cdrom1 |