Solaris のシステム管理 (第 1 巻)

デバイスの自動構成

プラットフォーム固有の構成要素を備えた汎用コアと、一連のモジュールからなるカーネルは、Solaris 環境で自動的に構成されます。

カーネルモジュールとは、システムで固有の作業を実行するために使用されるハードウェアまたはソフトウェアの構成要素のことです。「ロード可能」なカーネルモジュールの例としては、デバイスのアクセス時にロードされるデバイスドライバがあげられます。

プラットフォームに依存しないカーネルは /kernel/genunix です。プラットフォーム固有の構成要素は、/platform/`uname -m`/kernel/unix です。

カーネルモジュールについては、次の表 24-2 で説明します。

表 24-2 カーネルモジュール

ディレクトリの位置 

内容 

/platform/`uname -m` /kernel

プラットフォーム固有のカーネル構成要素 

/kernel

システムのブートに必要なすべてのプラットフォームに共通のカーネル構成要素 

/usr/kernel

特定の命令セット内にあるすべてのプラットフォームに共通のカーネル構成要素 

システムは、ブート時にどのデバイスが接続されるかを判断します。さらに、カーネルは、それ自体を動的に構成して、必要なモジュールだけをメモリーにロードします。ディスクデバイスやテープデバイスなどのデバイスが初めてアクセスされると、対応するデバイスドライバがロードされます。このプロセスは、「自動構成」と呼ばれます。これは、すべてのカーネルモジュールが、必要に応じて自動的にロードされるためです。

/etc/system ファイルを修正することによって、カーネルモジュールがロードされる方法をカスタマイズできます。このファイルを修正する方法については、system(4) のマニュアルページを参照してください。

機能と利点

自動構成の利点は次のとおりです。

自動構成プロセスは、システム管理者が新しいデバイス (およびドライバ) をシステムに追加するときに使用されます。これは、再構成ブートを実行することによって行われるため、システムは新しいデバイスを認識することができます。

標準サポートされていないデバイスを使用する場合

Solaris 環境には、各種の標準デバイスをサポートするために必要なデバイスドライバが組み込まれています。これらのドライバは、/kernel/drv および /platform/`uname -m`/kernel/drv ディレクトリにあります。

ただし Solaris で標準にサポートされていないデバイスを購入した場合は、そのメーカーから、デバイスを正しくインストール、保守、管理するために必要なソフトウェアを提供してもらう必要があります。

そのようなデバイス用ソフトウェアには、少なくともデバイスドライバとその関連設定 (.conf) ファイルが含まれます。.conf ファイルは、drv ディレクトリにもあります。 また、サポートされていないデバイスは、Solaris で提供されるユーティリティと互換性を持たないので、保守および管理用のユーティリティが必要になる場合があります。

詳細は、デバイスのご購入先にお問い合わせください。