Solaris のシステム管理 (第 1 巻)

ルート (/) と /usr ファイルシステムのデフォルトディレクトリ

/kernel ディレクトリには、プラットフォームに依存しないオブジェクト (プラットフォームに依存しないカーネル genunix も含む) だけが入っています。プラットフォームに依存するディレクトリ /platform/usr/platform については、表 40-4 を参照してください。

表 40-1 および表 40-2 に、ルート (/) のデフォルトファイルシステム中のディレクトリを示します。

表 40-1 ルート (/) ファイルシステムのデフォルトディレクトリ (その 1)

ディレクトリ 

説明 

/

ファイルシステムの名前空間全体のルート 

/dev

特殊ファイルの一次位置 

/dev/cfg

物理 ap_id へのシンボリックリンク 

/dev/cua

uucp 用のデバイスファイル 

/dev/dsk

ブロックディスクデバイス 

/dev/fbs

フレームバッファーのデバイスファイル 

/dev/md

論理ボリューム管理メタディスクデバイス 

/dev/fd

ファイル記述子 

/dev/pts

pty スレーブデバイス

/dev/rdsk

raw ディスクデバイス 

/dev/rmt

raw テープデバイス 

/dev/sad

STREAMS Administrative Driver のエントリポイント 

/dev/sound

オーディオデバイスとオーディオデバイス制御ファイル 

/dev/swap

デフォルトのスワップデバイス 

/dev/term

シリアルデバイス 

/etc

ホスト固有のシステム管理構成ファイルとデータベース 

/etc/acct

アカウンティングの構成情報 

/etc/cron.d

cron の構成情報

/etc/default

各種プログラムのデフォルト情報 

/etc/dmi

Solstice Enterprise AgentsTM の構成ファイル

/etc/dfs

エクスポートされるファイルシステムの構成情報 

/etc/dhcp

DHCP (Dynamic Host Configuration Protocol) の構成ファイル 

/etc/fn

フェデレーテッドネーミングサービスと x.500 のサポートファイル 

/etc/fs

/usr をマウントする前に必要な処理のためにファイルシステムタイプ別に編成されたバイナリ

/etc/gss

GSS (Generic Security Service) アプリケーションプログラミングインタフェースの構成ファイル 

/etc/inet

インターネットサービスの構成ファイル 

/etc/init.d

実行レベルを切り替えるためのスクリプト 

/etc/lib

/usr が利用できないときに必要な動的リンクライブラリ

/etc/llc2

論理リンク制御 (llc2) ドライバの構成ファイル

/etc/lp

プリンタサブシステムの構成情報 

/etc/mail

メールサブシステムの構成情報 

/etc/net

TI (トランスポート独立) ネットワークサービスの構成情報 

/etc/nfs

NFS サーバーロギングの構成ファイル 

/etc/openwin

OpenWindows の構成ファイル

/etc/opt

オプションパッケージの構成情報 

/etc/rc0.d

実行レベル 0 を開始/停止した時に起動されるスクリプト 

/etc/rc1.d

実行レベル 1 を開始/停止した時に起動されるスクリプト 

/etc/rc2.d

実行レベル 2 を開始/停止した時に起動されるスクリプト 

/etc/rc3.d

実行レベル 3 を開始/停止した時に起動されるスクリプト 

/etc/rcS.d

システムをシングルユーザーモードで起動するスクリプト 

/etc/rpcsec

このディレクトリは NIS+ 認証の構成ファイルに含まれていることがある。 

/etc/saf

サービスアクセス機能ファイル (FIFO など) 

/etc/security

BSM (Basic Security Module) の構成ファイル 

/etc/skel

新規ユーザーアカウントのデフォルトプロファイルスクリプト 

/etc/tm

商標ファイル。内容はブート時に表示される。 

/etc/uucp

uucp 構成情報

/export

共有ファイルシステム (ユーザーのホームディレクトリやクライアントファイルシステムなど) 用のデフォルトのディレクトリ 

/home

スタンドアロンシステム上にあるユーザーのホームディレクトリ用のデフォルトのディレクトリまたはマウントポイント。AutoFS の動作中、このディレクトリには新しいエントリを作成できない。 

/kernel

プラットフォームに依存しない読み込み可能なカーネルモジュールのディレクトリ。ブートプロセスの一部として必要。プラットフォームに依存しないコアカーネル /kernel/genunix の汎用部分を含む。/platform ディレクトリと /usr/platform ディレクトリの構造については、表 40-4 を参照。

表 40-2 ルート (/) ファイルシステムのデフォルトディレクトリ (その 2)

ディレクトリ 

説明 

/mnt

ファイルシステムの一般的な一次マウントポイント 

/opt

追加アプリケーションパッケージ用のデフォルトディレクトリまたはマウントポイント 

/sbin

ブートプロセスと手作業によるシステム障害の回復に使用される重要な実行可能プログラム 

/stand

スタンドアロンプログラム 

/tmp

一次ファイル。ブートシーケンス中に消去される 

/usr

/usr ファイルシステムのマウントポイント。詳細は表 40-3 を参照してください。

/var

常に変化するファイル (一時ファイル、ロギングファイル、状態ファイルなど) 用のディレクトリ 

/var/adm

システムのログファイルとアカウンティングファイル 

/var/audit

BSM (Basic Security Module) の監査ファイル 

/var/crash

カーネルクラッシュダンプのデフォルトの格納場所 

/var/cron

cron のログファイル

/var/dmi

Solstice Enterprise AgentsTM のデスクトップ管理インタフェースの実行時構成要素

/var/dt

dtlogin の構成ファイル

/var/ftp

FTP サーバーのディレクトリ 

/var/inet

IPv6 ルーターの状態ファイル 

/var/log

システムログファイル 

/var/lp

ラインプリンタサブシステムのログ情報 

/var/mail

ユーザーのメールが保管されるディレクトリ 

/var/news

コミュニティサービスメッセージ (注: USENET 方式のニュースとは異なる) 

/var/nis

NIS+ データベース 

/var/nfs

NFS サーバーのログファイル 

/var/ntp

NTP (Network Time Protocol) サーバーの状態ディレクトリ 

/var/opt

ソフトウェアパッケージ関連の各種ファイルのサブツリーのルート 

/var/preserve

viex のバックアップファイル

/var/run

一時的な (つまり、システムをリブート後に残る必要がない) システムファイル。TMPFS マウントされたディレクトリ。 

/var/sadm

ソフトウェアパッケージ管理ユーティリティで管理されるデータベース 

/var/saf

saf (サービスアクセス機能) のログファイルとアカウンティングファイル

/var/spool

スプール化された一時ファイルのディレクトリ 

/var/spool/cron

cronat のスプールファイル

/var/spool/locks

スプールロックファイル 

/var/spool/lp

ラインプリンタのスプールファイル 

/var/spool/mqueue

配信用に待ち行列に入れられたメール 

/var/spool/pkg

スプール化されたパッケージ 

/var/spool/uucp

待ち行列に入っている uucp のジョブ

/var/spool/uucppublic

uucp によって格納されるファイル

/var/statmon

ネットワーク状態監視ファイル 

/var/tmp

一時ファイルのディレクトリ。ブートシーケンス中には消去されない 

/var/uucp

uucp のログファイルと状態ファイル 

/var/yp

NIS データベース (NIS との下位互換性を保つため。NIS+ への移行が完了した後は不要) 

次の表に、/usr ファイルシステムのデフォルトのディレクトリを示します。

表 40-3 /usr ファイルシステムのデフォルトディレクトリ

ディレクトリ 

説明 

4lib

SunOS 4.1 バイナリ互換パッケージライブラリ 

5bin

/usr/bin ディレクトリへのシンボリックリンク

X

/usr/openwin ディレクトリへのシンボリックリンク

adm

/var/adm ディレクトリへのシンボリックリンク

aset

ASET (Automated Security Enhancement Tools) のプログラムとファイル用のディレクトリ 

bin

標準的なシステムコマンド用のディレクトリ 

ccs

C 言語処理系のプログラムとライブラリ 

demo

デモのプログラムとデータ 

dict

/usr/share/lib/dict ディレクトリへのシンボリックリンク。UNIX の spell プログラムが使用する辞書が入っている。

dt

CDE ソフトウェア用のディレクトリまたはマウントポイント 

games

空のディレクトリ。SunOS 4.0/4.1 ソフトウェアで使用されていた 

include

ヘッダーファイル (C プログラム用など) 

java*

JavaTM のプログラムとライブラリが入っているディレクトリ

kernel

その他のカーネルモジュール 

kvm

実装されたアーキテクチャ固有のバイナリとライブラリ 

lib

各種プログラムのライブラリ、アーキテクチャ依存データベース、またはユーザーが直接呼び出さないバイナリ 

local

サイトのローカルコマンド 

mail

/var/mail ディレクトリへのシンボリックリンク

man

/usr/share/man ディレクトリへのシンボリックリンク

net

ネットワークリスナーサービス用のディレクトリ 

news

/var/news ディレクトリへのシンボリックリンク

oasys

FMLI (Form and Menu Language Interpreter) 実行環境に関するファイル 

old

段階的に使用されなくなっているプログラム 

openwin

OpenWindows ソフトウェアのディレクトリまたはマウントポイント 

perl5

perl 5 のプログラムとマニュアル 

platform

詳細は表 40-4 を参照

preserve

/var/preserve ディレクトリへのシンボリックリンク

proc

proc ツール用のディレクトリ

pub

オンラインマニュアルページと文字処理用のファイル 

sadm

システム管理に関連する各種ファイルとディレクトリ。 

sbin

システム管理用の実行可能プログラム 

sbin/static

/usr/bin/usr/sbin から選択したプログラムの静的リンクバージョン

share

アーキテクチャに依存しない共有可能ファイル 

share/lib

アーキテクチャに依存しないデータベース 

share/src

カーネル、ライブラリ、ユーティリティのソースコード 

snadm

システム管理とネットワーク管理に関するプログラムとライブラリ 

spool

/var/spool ディレクトリへのシンボリックリンク

src

/usr/share/src ディレクトリへのシンボリックリンク

tmp

/usr/var/tmp ディレクトリへのシンボリックリンク

ucb

UCB 互換パッケージのバイナリ 

ucbinclude

UCB 互換パッケージのヘッダーファイル 

ucblib

UCB 互換パッケージのライブラリ 

vmsys

FACE (Framed Access Command Environment) プログラム用のディレクトリ 

xpg4

POSIX 準拠ユーティリティ用のディレクトリ