Solaris のシステム管理 (第 1 巻)

システムが実行レベル 3 になると実行される処理

  1. init プロセスが起動されます。init プロセスは、/etc/default/init ファイルを読み取って環境変数を設定します。デフォルトでは、TIMEZONE 変数だけが設定されます。

  2. initinittab ファイルを読み取って、次の処理を行います。

    1. デフォルトの実行レベル 3 を定義する initdefault エントリを識別します。

    2. action フィールドが sysinit になっているすべてのプロセスエントリを実行して、ユーザーがログインする前に特別な初期設定処理がすべて行われるようにします。

    3. rstate フィールドが 3 になっている (デフォルトの実行レベル 3 と一致する) プロセスエントリを実行します。

      init プロセスが inittab ファイルを使用する方法についての詳細は、init(1M) のマニュアルページを参照してください。

表 8-3 に、実行レベル 3 の action フィールドで使用するキーワードについて説明します。

表 8-3 実行レベル 3 の action キーワードの説明

キーワード 

指定されたプロセスの実行方法 

powerfail

システムが電源切断シグナルを受信したときだけプロセスを実行する。 

wait

指定されたプロセスの終了を待つ。 

respawn

プロセスがまだ起動されていない場合は起動する。プロセスがすでに起動されている場合は、inittab ファイルの検索を続ける。

表 8-4 に、実行レベル 3 で実行されるプロセス (またはコマンド) について説明します。

表 8-4 実行レベル 3 のコマンドの説明

コマンドまたはスクリプト名 

説明 

/usr/sbin/shutdown

システムをシャットダウンする。init プロセスは、システムが powerfail シグナルを受信した場合にのみ shutdown コマンドを実行する。

/sbin/rcS

ルート (/)、 /usr/var/var/adm のファイルシステムをマウントしてチェックする。

/sbin/rc2

標準のシステムプロセスを起動して、システムを実行レベル 2 (マルチユーザーモード) に移行する。 

/sbin/rc3

実行レベル 3 で使用される NFS 資源共有を開始する。 

/usr/lib/saf/sac -t 30

ポートモニターと UUCP 用のネットワークアクセスを起動する。このプロセスは失敗すると再起動される。 

/usr/lib/saf/ttymon -g -h -p "`uname -n` console login: " -T terminal_type -d /dev/console -l console

コンソールでのログイン要求を監視する ttymon プロセスを起動する。

このプロセスは失敗すると再起動される。SPARC システムの terminal_typesun である。

IA システムの terminal_typeAT386 である。