Solaris のシステム管理 (第 1 巻)

ハードウェアの考慮点

Solaris システムは、Solaris システム用と DOS システム用にフロッピーディスクをフォーマットできます。ただし、ハードウェアプラットフォームによっていくつかの制限があります。次の表はこの制限を要約したものです。

プラットフォームの種類 

フロッピーディスクのフォーマット仕様 

SPARC システム 

UFS 用 

 

MS-DOS または NEC-DOS (PCFS) 用 

IA システム 

UFS 用 

 

MS-DOS または NEC-DOS (PCFS) 用 

UFS 用にフォーマットされたフロッピーディスクは、それらがフォーマットされたハードウェアプラットフォームに制限されます。つまり、SPARC システムでフォーマットされた UFS フロッピーディスクは、IA システム上の UFS には使用できません。IA システム上でフォーマットされたフロッピーディスクの場合も同様です。これは、SPARC と IA とでは UFS フォーマットが異なるためです。SPARC はリトルエンディアンによるビットコーディング、IA はビッグエンディアンによるビットコーディングを採用しています。

SunOS ファイルシステム用の完全な形式は、基本的な「ビット」形式と、SunOS ファイルシステムをサポートするための構造からなります。DOS ファイルシステム用の完全な形式は、基本的な「ビット」形式と、MS-DOS または NEC-DOS のいずれかのファイルシステムをサポートする構造からなります。フロッピーディスクを準備するために必要な手順は、ファイルシステムによって異なります。したがって、フロッピーディスクをフォーマットする前には、どの作業が必要かを決めてください。「フロッピーディスクのフォーマット」を参照してください。

Solaris システム (SPARC または IA のいずれか) では、7 つの異なる密度のフロッピーディスクをフォーマットできます (適切なドライブが必要です)。

フロッピーディスクのサイズ 

フロッピーディスクの密度 

容量 

3.5"  

拡張密度 

2.88M バイト 

3.5" 

高密度 (HD) 

1.44M バイト 

3.5" 

中密度 (DD) 

1.2M バイト 

3.5" 

低密度 

720M バイト 

5.25" 

高密度 (HD) 

1.2M バイト 

5.25" 

中密度 (DD) 

720K バイト 

5.25" 

低密度 

360K バイト 

デフォルトで、フロッピーディスクドライブは、それに近い密度にフロッピーディスクをフォーマットします。つまり、1.44M バイトのドライブは、フロッピーディスクが実際に 1.44M バイトのフロッピーディスクかどうかに関係なく、特に指示しないかぎり、そのフロッピーディスクを 1.44M バイト用にフォーマットしようとします。1.44M バイトドライブに、フロッピーディスクを、たとえば 720K バイトにフォーマットするように指示できます。しかし、720K バイトドライブに、フロッピーディスクを 1.44M バイト用にフォーマットするよう指示することはできません。つまり、フロッピーディスクもドライブも、その容量以下にフォーマットすることは可能です。

ドライブに対して、フロッピーディスクをデフォルト以外の密度にフォーマットするよう指示するには、次の作業に示すように、fdformat コマンドを使用してください。この場合、次の表 16-3 から適切な密度オプションを使用するようにしてください。

表 16-3 密度のオプション

フロッピーディスクのフォーマット密度 

ドライブがデフォルト密度を使用する場合 

fdformat コマンドに使用する密度オプション

2.88M バイト 

2.88M バイト 

-E

1.44M バイト 

2.88M バイト 

-H

1.44M バイト 

1.44M バイト 

なし 

1.2M バイト 

1.44M バイト 

-t nec -M

720K バイト 

1.44M バイト 

-D または -t dos -D

1.2M バイト 

1.2M バイト 

なし 

720K バイト 

1.2M バイト 

-D

720K バイト 

720K バイト 

なし 

360 バイト 

720K バイト 

-D

fdformat コマンドのオプションについては、マニュアルページを参照するか、fdformat -z を入力してください。この -z オプションを使用すると、コマンドのすべてのオプションが表示されます。

ドライブのデフォルト密度がわからない場合は、デフォルト設定 (つまり、密度オプションのない状態) によってフォーマット処理を開始して、設定メッセージに注意してください。このメッセージは、次のように表示されます。


Formatting 1.44 M in /vol/dev/rdiskette0/unformatted
Press return to start formatting floppy.

確認メッセージには、ドライブのデフォルト密度が示されます。たとえば、上の例では、ドライブのデフォルト密度は 1.44M バイトです。密度が目的のものでない場合は、Ctrl-c キーを使用してフォーマット処理を中止し、フォーマットをやりなおしてください。