Solaris のシステム管理 (第 1 巻)

ホームディレクトリ

ホームディレクトリは、ユーザーが専有ファイルを格納するのに割り当てられるファイルシステムの一部分です。ホームディレクトリに割り当てる大きさは、ユーザーが作成するファイルの種類と作業によって異なります。一般的には、各ユーザーのホームディレクトリに少なくとも 15M バイトのディスク空間を割り当ててください。

ホームディレクトリは、ユーザーのローカルシステムまたはリモートファイルサーバーのどちらにでも配置できます。どちらの場合も、慣例により、ホームディレクトリは /export/home/username として作成します。大規模なサイトでは、ホームディレクトリをサーバーに格納してください。ホームディレクトリのバックアップおよび復元を容易に行うことができるようにするために、各 /export/homen ディレクトリに対して別々のファイルシステム (たとえば、/export/home1/export/home2 など) を使用してください。

ホームディレクトリが配置される位置に関係なく、ユーザーは通常 /home/username という名前のマウントポイントを介してホームディレクトリにアクセスします。Autofs を使用してホームディレクトリがマウントされていると、どのシステムでも /home マウントポイントの下にディレクトリを作成することは許可されません。Autofs が使用されていると、システムはマウントされている /home を特別なものと認識します。ホームディレクトリの自動マウントについての詳細は、『Solaris のシステム管理 (第 3 巻)』を参照してください。

ネットワーク上の任意の位置からホームディレクトリを使用するには、 /export/home/username ではなく、常に $HOME という環境変数の値によって参照するようにしてください。前者はマシンに固有の指定です。さらに、ユーザーのホームディレクトリで作成されるシンボリックリンクはすべて相対パス (たとえば ../../../x/y/x ) を使用する必要があります。こうすることによって、そのリンクはどのシステムにホームディレクトリがマウントされても有効になります。