「LP 印刷サービス」は、ユーザーが作業を続けながらファイルを印刷できるようにするソフトウェアユーティリティのセットです。当初、印刷サービスは LP スプーラと呼ばれていました (LP はラインプリンタの意味ですが、現在ではレーザプリンタなどのさまざまな種類のプリンタも含まれます。スプール (Spool) は、system peripheral operation off-line の頭文字です)。
印刷サービスは、LP 印刷サービスソフトウェアとスプーラ (Solaris プリンタマネージャも含む)、管理者が提供する印刷フィルタ、ハードウェア (プリンタ、システム、およびネットワーク接続) から構成されます。
LP 印刷サービスの参照情報については、第 8 章「LP 印刷サービスの参照情報」を参照してください。
LP 印刷サービスに関するその他の情報について、以降の項で説明します。
「ネットワークプリンタ」はネットワークに直接接続されているハードウェアデバイスであり、ネットワークを介して出力デバイスにデータを直接送信します。プリンタやネットワークに接続されたハードウェアには、固有のシステム名と IP アドレスがあります。
一般に、ネットワークプリンタには、プリンタベンダーから提供されているソフトウェアが必要です。プリンタベンダー提供のソフトウェアがあれば、必ずそのソフトウェアを使用してください。ネットワークプリンタのベンダーがソフトウェアサポートを提供していない場合には、Sun が提供するソフトウェアを利用できます。このソフトウェアはネットワークプリンタの汎用サポートを提供するもので、必ずしもプリンタが持つすべての機能を利用できるわけではありません。
ネットワークプリンタの設定手順については、第 4 章「プリンタの設定手順」を参照してください。
プリンタサーバーと印刷クライアントの設定が完了したら、以下に示すような様々な管理作業を実行します。これらの作業は頻繁に行わなければならないこともあります。
プリンタとリモートプリンタへのアクセスを削除する
プリンタの状態をチェックする
印刷スケジューラを再起動する
プリンタ管理作業を実行する手順については、第 5 章「プリンタの管理手順」を参照してください。
ネットワーク上のプリンタの定義を設定することによって、より効果的な印刷環境をユーザーに提供できます。たとえば、サイトにあるすべてのプリンタに説明を付ければ、ユーザーはプリンタがどこにあるのかを見つけやすくなります。あるいは、プリンタのクラスを定義することにより、印刷要求を迅速に処理できます。
プリンタ定義の設定については、第 3 章「ネットワーク上でのプリンタの計画方法の概要」を参照してください。
作業環境とネットワーク上のプリンタの型式に応じて、LP 印刷サービスのプリンタ固有の機能を設定し、管理する必要があります。たとえば、異なる印字ホイール、フィルタ、フォームをプリンタごとに割り当てることができます。文字セット、印刷フィルタ、フォーム、およびフォントを設定し管理する方法の手順については、第 6 章「文字セット、フィルタ、フォーム、フォントの管理手順」を参照してください。
LP 印刷サービスは、ほとんどのプリンタと印刷ニーズに対応できる十分な柔軟性を持つように設計されていますが、あらゆる状況に対処できるわけではありません。LP 印刷サービスの標準機能では対処できない印刷要求が発生する場合もあります。また、LP 印刷サービスによるプリンタの処理方法に当てはまらないプリンタを使用することもあります。
LP 印刷サービスは、次のような方法でカスタマイズできます。
LP 印刷サービスのカスタマイズの概要と手順については、第 7 章「LP 印刷サービスのカスタマイズの手順」を参照してください。