この節では「印刷クライアント」、つまり印刷要求をプリンタサーバーに送信できるシステムと、印刷クライアントが印刷要求を発行するための印刷コマンドを中心に説明します。
図 2-2 に、印刷手順の中で、ユーザーが印刷クライアントから印刷要求を発行する処理を強調して示します。
システムに Solaris 印刷ソフトウェアをインストールして、リモートプリンタにアクセスできるようにすると、そのシステムは印刷クライアントになります。
Solaris 印刷ソフトウェアは、次の資源からプリンタやプリンタ構成情報を見つけます。
コマンド行インタフェースの lp -d コマンド (単独名形式または POSIX 形式)
ユーザーの LPDEST 変数または PRINTER 変数
/etc/nsswitch.conf ファイルに printers データベースとして設定されたソースの _default 変数
ユーザーの $HOME/.printers ファイル
NIS ネームサービスのローカル /etc/printers.conf ファイル
NIS+ ネームサービスの printers.org_dir テーブル
NIS+ (xfn) ネームサービスの FNS 印刷コンテキスト
印刷クライアントは、その要求をプリンタサーバーの待ち行列に送信します。つまり、クライアントは、ローカルの待ち行列を持ちません。クライアントが印刷要求を一時スプール領域に書き込むのは、プリンタサーバーが利用できない場合か、エラーが発生した場合だけです。サーバーまでの経路がこのように簡素化されているために、印刷クライアントは少ない資源で処理を実行でき、印刷障害の発生する可能性が減り、性能が向上します。