Solaris のシステム管理 (第 2 巻)

ホスト常駐フォントのダウンロード

PostScript の文書がプリンタにダウンロードされていないフォント指定を含んでいるときは、「ダウンロードフィルタ」がこの印刷要求を管理します。ダウンロードフィルタは PostScript の文書作成規則を使用して、ダウンロードするフォントを決定します。

LP 印刷フィルタには、高速フィルタと低速フィルタがあります。高速フィルタは、印刷するファイルをすばやく準備し、フィルタが処理している間にプリンタにアクセスしなければなりません。低速フィルタはファイルの変換に時間がかかり、フィルタが処理している間にプリンタにアクセスする必要はありません。低速フィルタの例には、ASCII ファイルから PostScript ファイルへのフィルタがあります。

ダウンロードフィルタは高速フィルタです。フォントがプリンタサーバー上にある場合は、フォントを自動的にダウンロードします。また、ダウンロードフィルタを使用して、プリンタサーバーにフォントを転送することもできます。そのためには、lp -y コマンドを指定して、ダウンロードフィルタを低速フィルタとして呼び出すための新しいフィルタテーブルのエントリを作成します。あるいは、入力タイプを変更して、このフィルタの選択を強制することもできます。

ダウンロードフィルタは、次の 5 つの作業を実行します。

  1. PostScript の文書を検索して、要求されているフォントを判別します。これらの要求は、ヘッダコメントの PostScript 構造化コメント %%DocumentFonts: font1 font2 ... で指定されます。

  2. プリンタ常駐フォントのリストを検索して、要求されたフォントをダウンロードしなければならないかどうかを判別します。

  3. フォントがプリンタ上になければ、ダウンロードフィルタは (マップテーブルから適切なファイル名を読み取って) ホスト常駐フォントのディレクトリを検索し、要求されたフォントが利用可能かどうかを判別します。

  4. そのフォントが利用可能であれば、フィルタはそのフォントのファイルを取り出し、印刷するファイルに追加します。

  5. フォント定義ファイルとソースファイル (印刷するファイル) を PostScript プリンタに送ります。