Solaris のシステム管理 (第 2 巻)

NFS システムを使用するネットワーク操作

通常、ネットワークの一部となっているシステム上でも、ASET はスタンドアロンモードで使用されます。スタンドアロンシステムのシステム管理者は、システムのセキュリティとシステムを保護する ASET の実行と管理を担当することになります。

また、ASET は NFS 分散環境でも使用できます。ネットワーク管理者は、すべてのクライアントの各種管理タスクのインストール、実行、管理を担当します。複数のクライアントシステム間で ASET を管理しやすくするために、構成変更を行なってすべてのクライアントに一括して適用すれば、各システムにログインしてプロセスを繰り返す必要がなくなります。

ネットワークシステム上で ASET の設定方法を決めるときには、ユーザーに各自のシステム上でセキュリティをどのように制御させるかと、セキュリティ制御に関する責任をどの程度集中させるかを検討する必要があります。

各セキュリティレベルの一括構成の提供

複数のネットワーク構成を設定したい場合があります。たとえば、低セキュリティレベルに指定したクライアント用に 1 つ、中レベルのクライアント用に 1 つ、さらに高レベルのクライアント用に 1 つというように設定できます。

セキュリティレベルごとに別の ASET ネットワーク構成を作成したい場合は、サーバー上でレベルごとに 1 つずつ合計 3 つの ASET 構成を作成できます。各構成を該当するセキュリティレベルのクライアントにエクスポートすることになります。3 つの構成すべてに共通の ASET 構成要素は、リンクを使用して共有できます。

ASET レポートの収集

スーパーユーザー特権を持つか持たないかに関係なく、クライアントにアクセスされるサーバー上に ASET 構成要素を集中できるだけでなく、サーバー上でディレクトリを設定して、各種クライアント上で実行中のタスクによって生成されるすべてのレポートを収集できます。収集機構を設定する方法については、「サーバー上で ASET レポートを収集する方法」を参照してください。

サーバー上でレポートを収集するように設定すると、すべてのクライアントに関するレポートを 1 箇所で検討できます。この方法は、クライアントがスーパーユーザー特権を持っているかどうかに関係なく使用できます。また、ユーザーに各自の ASET レポートを監視させたい場合は、ローカルシステム上にレポートディレクトリを残しておいてもかまいません。