Solaris のシステム管理 (第 2 巻)

サーバーとの最初の接触

次に、暗号化したタイムスタンプと暗号化した対話鍵を含む伝送データがサーバーに送信されます。伝送データには資格とベリファイアが含まれます。資格は、次の 3 つの構成要素を持ちます。

この場合の「ウィンドウ」とは、クライアントが主張する、サーバーの時刻とクライアントのタイムスタンプとの許容されるべき差のことです。サーバーの時刻とクライアントのタイムスタンプとの間の差がウィンドウより大きい場合、サーバーはクライアントの要求を拒否します。クライアントは RPC セッションを開始する前にサーバーと同期を取るため、通常の状態では、このような事態は発生しません。

クライアントのベリファイアは、次の構成要素を持ちます。

ウィンドウベリファイアが必要な理由は次の場合です。誰かが別のユーザーになりすまそうとして、資格とベリファイアの暗号化されたフィールドに書き込む代わりに、ランダムなビットだけを埋め込むプログラムを書いたと仮定します。サーバーはこの対話鍵をなんらかのランダム鍵に復号化し、それを使用してウィンドウとタイムスタンプを復号化しようと試みます。その結果、乱数が生成されるだけです。しかし、数千回の試行を重ねるうちには、このランダムなウィンドウタイムスタンプのペアが認証システムを通過することが十分ありえます。ウィンドウベリファイアは、正しい資格の解読をより困難にします。