Solaris のシステム管理 (第 2 巻)

パスワード情報の管理

ユーザーはシステムにログインするときに、ユーザー名とパスワードの両方を入力しなければなりません。ログイン名は公開されますが、パスワードは秘密にしてユーザー以外には知られないようにします。また、ユーザーが各自のパスワードを慎重に選択し、頻繁に変更するようにしなければなりません。

パスワードは、最初にユーザーアカウントを設定するときに作成されます。ユーザーアカウントの機密性を保つために、パスワードの有効期間を設定し、ユーザーに各自のパスワードを定期的に変更させたり、パスワードをロックしてユーザーアカウントを使用できないようにすることもできます。パスワードの設定と管理については、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』の「ユーザーアカウントとグループの管理 (概要)」と passwd(1) のマニュアルページを参照してください。

NIS+ パスワードファイル

ネットワークで NIS+ を使用している場合、パスワード情報は NIS+ データベースに格納されます。NIS+ データベース内の情報は、アクセス権を許可されたユーザーを制限することによって保護できます。AdminSuiteTM 2.3 のユーザーアカウントマネージャまたは passwd コマンドを使用すると、ユーザーの NIS+ パスワードを変更できます。

NIS パスワードファイル

ネットワークで NIS を使用している場合、パスワードは NIS パスワードマップに格納されます。NIS では、パスワードの有効期間を指定できません。AdminSuite 2.3 のユーザーマネージャまたは passwd コマンドを使用すると、ユーザーの NIS パスワードを変更できます。

/etc ディレクトリ内のファイル

ネットワークで /etc 内のファイルを使用している場合、パスワード情報はシステムの /etc/passwd ファイルと /etc/shadow ファイルに格納されます。ユーザー名と他の情報は別の「シャドウ」ファイル /etc/shadow に格納されます。これは、ユーザーが暗号化されたパスワードにアクセスするのを防ぐセキュリティ上の手段です。/etc/passwd ファイルは、マシンにログインするユーザーであれば誰でも使用できますが、/etc/shadow ファイルを読み取ることができるのはスーパーユーザーだけです。AdminSuite 2.3 のユーザーマネージャ、Admintool、または passwd コマンドを使用すると、ローカルシステム上でユーザーのパスワードを変更できます。