Solaris のシステム管理 (第 2 巻)

レルム

レルムとはドメインのようなもので、同じ「master KDC」の下にあるシステムをグループとして定義する論理ネットワークです (下記を参照)。図 21-1 はレルムの相互関係を表したものです。階層的なレルムでは、1 つのレルムが他のレルムのスーパーセットになります。非階層的なレルムでは、2 つのレルム間のマッピングを定義する必要があります。SEAM では、レルム間で共通の認証が可能です。その場合、各レルムの KDC に、他のレルムのプリンシパルエントリが必要になるだけです。

図 21-1 レルム

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レルムとサーバー

それぞれのレルムには、プリンシパルデータベースのマスターコピーを保守するサーバーが含まれていなければなりません。これを「マスター KDC サーバー」と呼びます。さらにレルムには、プリンシパルデータベースの重複データベースを保持する「スレーブ KDC サーバー」が少なくとも 1 つ必要です。マスターおよびスレーブ KDC サーバーは共に認証を確立するために使用するチケットを作成します。

レルムにはさらに SEAM サーバーを 2 種類持つことができます。1 つはSEAM ネットワーク「アプリケーションサーバー」で、Kerberos 対応のアプリケーション (ftptelnetrsh など) へのアクセスを提供するサーバーです。もう 1 つは、Kerberos 認証を使用する「NFS サーバー」です。NFS サーバーは NFS サービスを提供します。

図 21-2 は、レルムの構成例を示したものです。

図 21-2 一般的なレルム

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