Solaris のシステム管理 (第 2 巻)

日次コマンド要約

このレポートはコマンド別のシステム資源の利用状況を示します。このレポートでは、最も使用率の高いコマンドがわかり、それらコマンドがどのようにシステム資源を利用しているかに基づいて、どのようにしたらシステムの最適チューニングが可能かを知ることができます。日次レポートも月次レポートも見た目には同じですが、日次要約レポートは当日だけについてのレポートであるのに対して、月次要約レポートは、会計期の初めから当日までについてのレポートです。つまり、月次レポートは、monacct が最後に実行されたときからの累積データの累積要約を表します。

これらのレポートは TOTAL KCOREMIN によってソートされます。TOTAL KCOREMIN は任意の基準ですが、システムでのドレーンの計算にはすぐれた指標です。

次に日次コマンド要約レポートの例を示します。


Jul  7 02:30:02 1999  DAILY COMMAND SUMMARY Page 1

                                   TOTAL COMMAND SUMMARY
COMMAND NUMBER    TOTAL    TOTAL    TOTAL   MEAN    MEAN    HOG    CHARS  BLOCKS
NAME     CMDS  KCOREMIN  CPU-MIN  REAL-MIN  SIZE-K  CPU-MIN FACTOR TRNSFD   READ

TOTALS   1067   2730.99    2.01    1649.38 1361.41   0.00  0.00    6253571  2305
sendmail   28   1085.87    0.05      0.24  23865.20  0.00  0.19     101544    39
admintoo    3    397.68    0.12   1132.96  3443.12   0.04  0.00     680220    83 
sh        166    204.78    0.31    161.13  651.80    0.00  0.00     598158    20 
nroff      12    167.17    0.14      0.24  1205.55   0.01  0.59     709048    22 
find       10    151.27    0.27      2.72  563.40    0.03  0.10     877971  1580
acctdusg    3     87.40    0.13      2.74  698.29    0.04  0.05     883845   203 
lp         10     74.29    0.05      0.22  1397.38   0.01  0.24     136460    57 
expr       20     67.48    0.02      0.06  3213.24   0.00  0.34       6380     1 
mail.loc    3     65.83    0.01      0.04  11285.60  0.00  0.15      24709    15
cmdtool     1     37.65    0.02     20.13  2091.56   0.02  0.00     151296     1 
uudemon.  105     37.38    0.09      0.32  435.46    0.00  0.27      62130    17 
csh         6     35.17    0.05     57.28  756.30    0.01  0.00     209560    13 
col        12     31.12    0.06      0.26  523.00    0.00  0.23     309932     0 
ntpdate    22     27.55    0.05     11.18  599.00    0.00  0.00      22419     0 
uuxqt      44     18.66    0.04      0.06  417.79    0.00  0.74      32604     3 
man        12     15.11    0.03      7.05  503.67    0.00  0.00      85266    47
.  
. 
.

表 32-5 で、日次コマンド要約レポートに示されるデータをカラム別に説明します。

表 32-5 日次コマンド要約レポート

カラム 

説明 

COMMAND NAME

コマンド名。プロセスアカウンティングシステムではオブジェクトモジュールしか報告されないので、シェルプロシージャはすべて sh という名前で取り扱われる。 a.out または core と呼ばれるプログラム、またはその他の、適切とは思われない名前のプログラムの使用頻度を監視すると良い。acctcom を使用して、名前に疑問があるコマンドを誰が実行したか、スーパーユーザー特権が使用されたかどうかを知ることができる

NUMBER CMNDS

プライムタイム時間帯にこのコマンドが呼び出された回数 

TOTAL KCOREMIN

実行時の毎分当たりにプロセスが使用した K バイトメモリーセグメント数という計量値の累積合計 

TOTAL CPU-MIN:

このプログラムのプライムタイム時間帯の累積合計処理時間 

TOTAL REAL-MIN

このプログラムのプライムタイム時間帯の累積合計実時間 (壁掛け時計)。分単位 

MEAN SIZE-K

NUMBER CMDS で表される呼び出し回数に対する TOTAL KCOREMIN の平均

MEAN CPU-MIN

NUMBER CMDS に対する TOTAL CPU-MIN の平均

HOG FACTOR

合計 CPU 時間を経過時間で割った値。システム利用可能時間とシステム使用時間との比であり、プロセスがその実行中に消費する合計利用可能 CPU 時間の相対値を示す 

CHARS TRNSFD

読み取りおよび書き込みシステムコールによってプッシュされた文字数の合計カウント。オーバフローのために負の値になることがある 

BLOCKS READ

プロセスが実行した物理ブロックの読み取りおよび書き込みの合計カウント