Solaris のシステム管理 (第 2 巻)

フェーズ 3: 接続性メッセージのチェック

このフェーズでは、フェーズ 2 で検査したディレクトリがチェックされ、次の原因によるエラー条件が表示されます。

フェーズ 3 では、次のメッセージがアルファベット順に表示される可能性があります。

BAD INODE state-number TO DESCEND
エラーの発生原因

内部エラーによって、ファイルシステムのディレクトリ構造を継承するルーチンに、不可能な状態 state-number が渡された。fsck は終了する。

解決方法

このエラーが発生した場合は、ご購入先に問い合わせる。


DIR I=inode-number1 CONNECTED. PARENT WAS I=inode-number2
エラーの発生原因

これは、ディレクトリ i ノード inode-number1lost+found ディレクトリに正常に接続されていることを示す。ディレクトリ i ノード inode-number1 の親 i ノード inode-number2 は、lost+found ディレクトリの i ノード番号に置き換えられる。

解決方法

ない


DIRECTORY filename LENGTH file-size NOT MULTIPLE OF block-number (ADJUST)
エラーの発生原因

サイズ file-size がディレクトリのブロックサイズ B の倍数でないディレクトリ filename が見つかった (この条件は、フェーズ 2 で調整しなければ、フェーズ 3 で再発することがある)。

解決方法

長さを適切なブロックサイズまで切り上げるには、ADJUST プロンプトから y と入力する。修復しているときは、fsck は警告を表示してディレクトリを調整する。このエラー条件を無視するには n と入力する。


lost+found IS NOT A DIRECTORY (REALLOCATE)
エラーの発生原因

lost+found のエントリがディレクトリではない。

解決方法

ディレクトリ i ノードを割り当てて、それを参照する lost+found ディレクトリを変更するには、REALLOCATE プロンプトから y と入力する。以前に lost+found ディレクトリによって参照されていた i ノードは消去されず、非参照の i ノードとして再び取得されるか、このフェーズの後半でそのリンク数が調整される。lost+found ディレクトリを作成できない場合は、「SORRY. CANNOT CREATE lost+found DIRECTORY」というメッセージが表示され、消失 i ノードへのリンク試行が中止される。これにより、フェーズ 4 で UNREF エラーメッセージが生成される。フェーズ 4 で UNREF エラーメッセージを生成する消失 i ノードへのリンク試行を中止するには、n と入力する。


NO lost+found DIRECTORY (CREATE)
エラーの発生原因

ファイルシステムのルートディレクトリ内に lost+found ディレクトリがない。修復しているときは、fscklost+found ディレクトリを作成しようとする。

解決方法

ファイルシステムのルート内で lost+found ディレクトリを作成するには、CREATE プロンプトから y と入力する。このため、「NO SPACE LEFT IN / (EXPAND)」というメッセージが表示されることがある。lost+found ディレクトリを作成できなければ、fsck は「SORRY. CANNOT CREATE lost+found DIRECTORY」というメッセージを表示して、消失した i ノードへのリンク試行を中止する。これにより、フェーズ 4 の後半で UNREF エラーメッセージが生成される。消失した i ノードへのリンク試行を中止するには、n と入力する。


NO SPACE LEFT IN /lost+found (EXPAND)
エラーの発生原因

使用可能な領域がないため、ファイルシステムのルートディレクトリ内で、lost+found ディレクトリに別のエントリを追加できない。修復しているときに、fscklost+found ディレクトリを拡張する。

解決方法

lost+found ディレクトリを拡張して新しいエントリを追加する余地をつくるには、EXPAND プロンプトから y と入力する。拡張試行に失敗すると、fsck は「SORRY. NO SPACE IN lost+found DIRECTORY」というメッセージを表示して、lost+found ディレクトリへのファイルリンク要求を中止する。このエラーによって、フェーズ 4 の後半で UNREF エラーメッセージが生成される。lost+found ディレクトリ内で不要なエントリを削除する。修復が有効な場合は、このエラーに fsck が終了する。消失 i ノードへのリンク試行を中止するには、n と入力する。


UNREF DIR I=inode-number OWNER=UID MODE=file-mode SIZE=file-size 
MTIME=modification-time (RECONNECT)
エラーの発生原因

ファイルシステムの走査中に、ディレクトリ i ノード inode-number がディレクトリエントリに接続されなかった。ディレクトリ i ノード inode-number の所有者 UID、モード file-mode、サイズ file-size、および変更時刻 modification-time が表示される。修復しているときは、ディレクトリサイズが 0 でなければ、fsck は空でないディレクトリ i ノードを接続し直す。それ以外の場合、fsck はディレクトリ i ノードを消去する。

解決方法

ディレクトリ i ノード inode-numberlost+found ディレクトリに接続し直すには、RECONNECT プロンプトから y と入力する。ディレクトリが再び正常に接続されると、「CONNECTED」というメッセージが表示される。それ以外の場合は、lost+found エラーメッセージのいずれかが表示される。このエラー条件を無視するには n と入力する。このエラーにより、フェーズ 4 で UNREF エラー条件が発生する。