Solaris のシステム管理 (第 3 巻)

ブート処理の概要

以下の情報は参考用です。ネットワークのブート処理の概要を示しています。構成時にどのようなことが起こるかを全体的にとらえるのに役立ちます。


注 -

起動スクリプトの名前は、Solaris リリースごとに変更されることがあります。


  1. ホストでオペレーティングシステムを起動します。

  2. カーネルが、ブート処理の一部として /sbin/init を実行します。

  3. /sbin/init が、/etc/rcS.d/S30rootusr.sh 起動スクリプトを実行します。

  4. /etc/rcS.d/S30rootusr.sh 起動スクリプトが、ディスクレスとデータレスの操作のための最小限のホスト構成とネットワーク構成の確立など、いくつかのシステム起動処理を行います。また、このスクリプトは、/usr ファイルシステムをマウントします。

    1. ローカルデータベースファイルに、必要な構成情報 (ホスト名と IP アドレス) が含まれている場合は、スクリプトはそれを使用します。

    2. ローカルホスト構成ファイル内に必要な情報がない場合は、/etc/rcS.d/S30rootusr.sh は、RARP を使用してホストの IP アドレスを入手します。

  5. ドメイン名、ホスト名、デフォルトのルーターアドレスがローカルファイルに含まれている場合は、マシンはそれらを使用します。ローカルファイルに構成情報が含まれていない場合は、システムは bootparams プロトコルを使用して、ホスト名、ドメイン名、デフォルトのルーターアドレスを入手します。必要な情報が、ホストと同じネットワーク上にあるネットワーク構成サーバーから入手可能でなければなりません。これは、この時点ではまだインターネットワーク通信が存在していないからです。

  6. /etc/rcS.d/S30rootusr.sh が作業を完了し、その他のいくつかのブート手続きが実行されると、次に /etc/rc2.d/S69inet が実行されます。このスクリプトは、ネームサービス (NIS、NIS+、または DNS) の開始の前に完了しておく必要のある起動作業を実行します。これらの作業には、IP の構成、ドメイン名のルーティングと設定などがあります。

  7. S69inet の作業が完了すると、/etc/rc2.d/S71rpc が実行されます。このスクリプトは、NIS、NIS+、DNS のどれかのネームサービスを起動します。

  8. /etc/rc2.d/S71rpc の実行の後で、/etc/rc2.d/S72inetsvc が実行されます。このスクリプトは、ネームサービスの存在の有無に応じて異なるサービスを起動します。S72inetsvcinetd デーモンも起動します。このデーモンは、telnet などのユーザーサービスを管理します。

ブート処理についての詳細は、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』を参照してください。