Solaris のシステム管理 (第 3 巻)

NFS ファイル

いくつかのファイルでは、いずれのコンピュータ上でも NFS アクティビティをサポートする必要があります。それらの多くは ASCII ファイルで、いくつかはデータファイルです。表 31-1 に、このようなファイルとその機能をまとめます。

表 31-1 NFS ファイル

ファイル名 

機能 

/etc/default/fs

ローカルファイルシステムにおけるデフォルトファイルシステムのタイプを一覧表示する 

/etc/dfs/dfstab

共有するローカルリソースを一覧表示する 

/etc/dfs/fstypes

リモートファイルシステムにおけるデフォルトファイルシステムのタイプを一覧表示する 

/etc/default/nfslogd

NFS サーバーログデーモン、nfslogd の構成情報を示す

/etc/dfs/sharetab

共有されるローカルとリモートのリソースを一覧表示する (sharetab(4) のマニュアルページを参照)。編集しないこと

/etc/mnttab

自動的にマウントしたディレクトリを含む、現在マウントしているファイルシステムを一覧表示する (mnttab(4) のマニュアルページを参照)。編集しないこと

/etc/netconfig

トランスポートプロトコルのリスト。編集しないこと 

/etc/nfs/nfslog.conf

NFS サーバー記録のための一般的な構成情報を示す 

/etc/nfs/nfslogtab

nfslogd によるログ後処理のための情報を示す。このファイルは編集しないこと

/etc/nfssec.conf

NFS のセキュリティサービスのリスト。編集しないこと 

/etc/rmtab

NFS クライアントがリモートにマウントしたファイルシステムを一覧表示する (rmtab(4) のマニュアルページを参照)。 編集しないこと

/etc/vfstab

ローカルにマウントするファイルシステムを定義する (vfstab(4) のマニュアルページを参照)

/etc/dfs/fstypes の最初の項目は、リモートファイルシステムにおけるデフォルトファイルシステムのタイプとして利用されることがしばしばあります。この項目は、NFS ファイルシステムのタイプをデフォルトとして定義します。

/etx/default/fs には、項目が 1 つしかありません。ローカルディスクにおけるデフォルトファイルシステムのタイプです。クライアントやサーバーでサポートするファイルシステムのタイプは、/kernel/fs のファイルを確認して決定することができます。

/etc/default/nfslogd

このファイルは、NFS サーバーログ機能を使用するときに使用されるいくつかのパラメータを定義します。次のパラメータを定義することができます。

CYCLE_FREQUENCY

ログファイルを元の状態に戻す前に経過させる必要がある時間数を決めるパラメータです。デフォルト値は 24 時間です。このパラメータはログファイルが大きくなり過ぎないように使用します。

IDLE_TIME

nfslogd が、バッファーファイル内にさらに情報があるかどうかを確認するまでに休眠しなければならない秒数を設定するパラメータです。このパラメータは、構成ファイルの確認頻度も決定します。このパラメータと MAN_PROCESSING_SIZE によりバッファーファイルの処理頻度が決まります。デフォルト値は 300 秒です。この数値を増加させると、確認の回数が減って性能が向上します。

MAPPING_UPDATE_INTERVAL

ファイルハンドルパスマッピングテーブル内でレコードを更新する間隔を秒数で指定します。デフォルト値は 86400 秒 つまり 1 日です。このパラメータを使用すると、ファイルハンドルパスマッピングテーブルを常時更新せずに最新の状態に保つことができます。

MAX_LOG_PRESERVE

保存するログファイル数を決めます。デフォルト値は 10 です。

MAN_PROCESSING_SIZE

バッファーファイルが処理してログファイルに書き込むための最小限のバイト数を設定します。このパラメータと IDLE_TIME によりバッファーファイルの処理頻度が決まります。このパラメータのデフォルト値は 524288 バイトです。この数値を大きくするとバッファーファイルの処理回数が減って性能を向上できます。

PRUNE_TIMEOUT

ファイルハンドルパスマッピングレコードを中断して除去できるようになるまでに経過しなければならない時間数を選択するパラメータです。デフォルト値は 168 時間、つまり 7 日間です。

UMASK

nfslogd が作成するログファイルに対するアクセス権を指定します。デフォルト値は 0137 です。

/etc/nfs/nfslog.conf

このファイルは nfslogd で使用するログのパス、ファイル名、およびタイプを定義します。各定義はタグと関連づけられています。NFS サーバーのログを開始するためには、各ファイルシステムについてタグを付ける必要があります。広域タグはデフォルト値を定義します。各タグには必要に応じて次のパラメータを使用することができます。

defaultdir=path

ログファイルのデフォルトのディレクトリパスを指定するパラメータです。

log=path/filename

ログファイルのパスとファイル名を指定するパラメータです。

fhtable=path/filename

ファイルハンドルパスデータベースのパスとファイル名を選択するパラメータです。

buffer=path/filename

バッファーファイルのパスとファイル名を決定するパラメータです。

logformat=basic|extended

ユーザーから読み取り可能なログファイルを作るときに使用するフォーマットを選択します。基本フォーマットは、ftpd デーモンと同様なログファイルが作成されます。拡張フォーマットは、より詳細に表示されます。

パスとファイル名の両方を指定することができるパラメータについては、パスが指定されていない場合は、defaultdir が定義するパスが使用されます。絶対パスを使用すると defaultdir を無効にすることができます。

ファイルを識別しやすくするために、ファイルを別々のディレクトリに入れておきます。次に、必要な変更の例を示します。


% cat /etc/nfs/nfslog.conf
#ident  "@(#)nfslog.conf        1.5     99/02/21 SMI"
#
  .
  .
# NFS server log configuration file.
#

global  defaultdir=/var/nfs ¥
        log=nfslog fhtable=fhtable buffer=nfslog_workbuffer

publicftp log=logs/nfslog fhtable=fh/fhtables buffer=buffers/workbuffer

この例では、 log=publicftp と共有するファイルはすべて、次の値を使用します。デフォルトのディレクトリは /var/nfs になり、ログファイルは /var/nfs/logs/nfslog* に保存され、ファイルハンドルパスデータベーステーブルは /var/nfs/fh/fhtables に保存され、バッファーファイルは /var/nfs/buffers/workbuffer に保存されます。