Solaris のシステム管理 (第 3 巻)

SNC スクリプト

マシンの起動時、または新規ユーザーがログインした際に、ソフトウェアによりアプリケーションおよびその他のネットワークサービスへのアクセスが配付されます。ソフトウェアは、store¥login.snc ファイル内の命令を解釈します。%SNDRIVE% は、Windows クライアント用のサイトの SNC スクリプトディレクトリである /opt/SUNWpcnet/1.5/site/pcnfspro に展開されます。このスクリプトは UNIX のアクセス権によって保護されているため、ユーザーがアクセスすることはできません。

ディレクトリ /opt/SUNWpcnet/1.5/site/pcnfspro にはデフォルトのクライアントスクリプト (SNC スクリプト) が格納されていて、ブート時、ログイン時、およびログアウト時に使用されてマシン上の資源を制御します。ディレクトリは一時的にマウントされ、スクリプトが実行後にアンマウントされます。Windows クライアント上では、SNC コマンドがネットワークに対するユーザーの一意な関係を確立する役割を果たします。

Windows クライアントの構成プログラムは、SNC スクリプトディレクトリ /opt/SUNWpcnet/1.5/site/pcnfspro 内の起動スクリプト (デフォルトの名前は boot.snc) を処理します。スクリプトと SNC スクリプトディレクトリの名前は、ネットワークごとに異なることがあります。

Windows クライアントの構成プログラムは総合的なグラフィカルツールで、各種の構成パラメータの参照と変更を行う場合に使用します。このプログラムを使用すると、Windows クライアントのデフォルトの構成を変更してカスタマイズ、およびカスタマイズした構成を保存することができます。この構成プログラムを使用して制御できるパラメータには、TCP/IP、ローカルエリアネットワーク (LAN) のユーザー名、NFS システム、プリンタクライアント、NetBIOS、および SNMP があります。さらに、Windows クライアントの構成プログラムがユーザーサイトの複数のユーザーに対して使用可能に設定する構成のレベルを標準化して制御することもできます。構成プログラムの使用法については、プログラムのオンラインヘルプを参照してください。

新規グループの login.snc スクリプトに対する INCLUDE 命令を追加すると、サイトの SNC スクリプトディレクトリが拡張されます。INCLUDE 命令を store¥logout.snc ファイル内に追加した場合にも、サイトの SNC スクリプトディレクトリは拡張されます。

スクリプトディレクトリを使用して、ネットワーク上のアプリケーションを独自に表示する各ユーザーの UNIX ログイン名を名前にしたディレクトリを作成することができます。次に、ユーザー固有の login.snc スクリプトと logout.snc スクリプトを作成して、それらのスクリプトを個々のディレクトリにコピーすることができます。以下のコマンドを使用します。


cd/opt/SUNWpcnet/1.5/site/pcnfspro
mkdir user1 user2 user3 user4 user5 user6 user7

この例では、user8user9user10user11 を除くすべてのユーザーが、その他のどのユーザーとも共有しないアプリケーション、または一部のユーザーとは共有しているがすべてのユーザーと共有してはいないアプリケーションを使用します。

SNC スクリプトディレクトリ /opt/SUNWpcnet/1.5/site/pcnfspro 内には、クライアントの種類ごとに、デフォルトの SNC スクリプトが 3 つ用意されています。用意されているスクリプトは以下のとおりです。

デフォルトのサイトの logout.snc スクリプトは、サイトの login.snc スクリプトの後に再配置します。サイトの logout.snc スクリプトをコピーし、名前を変更して、独自のログインスクリプトに対応するように修正することができます。すべてのログアウトスクリプト logout.snc の名前を、ログインスクリプトと平行して付けてください。ログアウトスクリプトを、SNC スクリプトディレクトリ /opt/SUNWpcnet/1.5/site/pcnfspro の下に作成したユーザー固有ディレクトリとグループ固有ディレクトリ内に配置します。