Solaris のシステム管理 (第 3 巻)

DHCP サーバーの設定方法 (dhcpconfig)

  1. DHCP サーバーとして使用するシステムを選択します。

    「サーバー設定における決定事項」のガイドラインに従います。

  2. データ保存、リースポリシー、およびルーター情報について決定を行います。

    「サーバー設定における決定事項」のガイドラインに従います。

  3. スーパーユーザーになります。

  4. 次のコマンドを入力します。


    #/usr/sbin/dhcpconfig
    

    テキスト形式の「DHCP Configuration」メニューが表示されます。

  5. 1 と入力し、Return を押して、「Configure DHCP Service」を選択します。

  6. 次のプロンプトに対して応答を入力します。

    ここでは、第 9 章「DHCP サービスの使用計画」を読んで決定した決定事項を使用します。なお、各プロンプトにおけるデフォルト値は角括弧で囲まれています。デフォルト値を使用する場合には、そのプロンプトで Return を押します。


    Would you like to stop the DHCP service? (recommended) ([Y]/N)Y
    

    Y を押し、DHCP サービスを停止します。この操作により、サーバーが不完全な構成情報をクライアントに送信しないようにします。


    ###     DHCP Service Configuration      ###
    ###     Configure DHCP Database Type and  Location      ###
     
    Enter datastore (files or nisplus) [nisplus]:

    使用するデータ保存方法の名前、(files または nisplus) を入力します。

    データ保存方法についてのより詳しい情報が必要な場合は、「データ保存方法の選択」のガイドラインを参照してください。選択結果は /etc/default/dhcp に記録されます。


    Enter absolute path to datastore directory [/var/dhcp]:

    データ保存方式に使用する files または NIS+ ディレクトリへのパスを入力します。データ保存方式に files を選択した場合のデフォルトディレクトリは /var/dhcp です。NIS+ を選択した場合のデフォルトディレクトリは、yourcompany.com などの、サーバーが現在使用している NIS+ ディレクトリの場所になります。


    Would you like to specify nondefault daemon options (Y/[N]):

    上記のプロンプトで N を入力した場合、デフォルト以外のデーモンオプションを指定しなくても、サーバーを正常に設定できます。

    Y と入力した場合は、次のプロンプトが表示されます。


    Do you want to enable transaction logging? (Y/[N]):Y
    

    トランザクションログを有効にしたい場合は、Y と入力します。トランザクションログについては、第 11 章「DHCP の管理」を参照してください。トランザクションログを有効に設定した場合にのみ、次のプロンプトが表示されます。


    Which syslog local facility [0-7] do you wish to log to? [0]:

    トランザクションログを記録するためのローカル機能については、第 11 章「DHCP の管理」を参照してください。


    How long (in seconds) should the DHCP server keep outstanding OFFERs? [10]:

    サーバーがクライアントに提供する IP アドレスをキャッシュに保持する秒数を入力します。デフォルトの秒数は 10 秒であり、ほとんどのネットワークでは、これが適切な秒数です。秒数を増加することは可能ですが、ネットワーク性能が低下します。


    How often (in minutes) should the DHCP server rescan the dhcptab? [Never]:

    デフォルトでは DHCP サーバーは起動時に、あるいは DHCP Manager から読み込みの指示を受けた場合にのみ、dhcptab を読み込みます。DHCP Manager を使用すると、設定データを変更した後で dhcptab をリロードすることにより、サーバーを更新することができます。そのため、DHCP Manager を使用している場合は、dhcptab の自動再走査は必要ありません。一般に、再走査間隔は次のような状況でのみ使用します。

    • データ保存が NIS+ 内に配置されており、ネットワーク上に複数の DHCP サーバーが存在する場合。再走査によって、すべてのサーバーが最新の情報を持っていることが保証されます。

    • DHCP Manager ではなく、dhtadm を使用して設定変更を行った場合。dhtadm ユーティリティには、設定変更後に dhcptab の再走査を強制するオプションはありません。

    dhcptab に対して自動再走査を実行する場合は、サーバーが dhcptab ファイル内にクライアントの設定情報をリロードするまでの待機時間間隔を分単位で入力します。


    Do you want to enable BOOTP compatibility mode? (Y/[N]):

    デフォルトでは BOOTP 互換性は無効になっています。BOOTP 互換性を有効にする場合は、「DHCP サービスを使用した BOOTP クライアントのサポート」を参照してください。

    デフォルト以外のデーモンおよびサーバーオプションに関する情報の入力が終了したら、次のプロンプトが表示されます。


    Enter default DHCP lease policy (in days) [3]:

    リース期間の日数を入力します。デフォルト設定は 3 日です。詳細については、「リースポリシーの設定」 を参照してください。


    Do you want to allow clients to renegotiate their leases? ([Y]/N):

    デフォルト設定はリースネゴシエーションを有効にする Y です。リースネゴシエーションについての詳細は、「リースポリシーの設定」を参照してください。N と入力した場合、クライアントはリースの期限が切れた時点で IP アドレスを放棄し、新たなリースと IP アドレスを取得しなければなりません。


    Enable DHCP/BOOTP support of networks you select? ([Y]/N):

    この時点で、DHCP を使用するネットワークの構成が可能になります。「IP アドレス管理のための決定事項」を読んだ後に選んだ決定事項を参照してください。IP アドレスを設定する準備が整っていない場合は、N と入力します。dhcpconfig は DHCP サービスを再度実行するように促すプロンプトを表示して、初期メニューに戻ります。少なくとも 1 つのネットワーク上で DHCP または BOOTP のサポートを有効にしない限り、DHCP を使用することはできません。

    IP アドレスを設定する準備が整っている場合は、Y と入力し 手順 4 へ進みます。