Solaris のシステム管理 (第 3 巻)

マップエントリ内の変数

変数名の前にドル記号 ($) を付けることによって、クライアント固有の変数を作成できます。この機能は、同じファイルシステムの位置にアクセスする異なるアーキテクチャタイプの調整に役立ちます。変数名を括弧でくくることで、そのうしろに続く文字や数字と変数とを区切ることができます。表 31-4 に定義済みのマップ変数を示します。

表 31-4 定義済みのマップ変数

変数 

意味 

情報提供元 

例 

ARCH

アーキテクチャタイプ 

uname -m

sun4

CPU

プロセッサタイプ 

uname -p

sparc

HOST

ホスト名 

uname -n

dinky

OSNAME

オペレーティングシステム名 

uname -s

SunOS

OSREL

オペレーティングシステムのリリース 

uname -r

5.4

OSVERS

オペレーティングシステムのバージョン (リリースのバージョン) 

uname -v

FCS1.0

キーとして使用する場合を除いて、変数はエントリ行内のどこにでも使用できます。たとえば、SPARC と IA のアーキテクチャ用のバイナリを、それぞれ /usr/local/bin/sparc/usr/local/bin/x86 からエクスポートしているファイルサーバーがある場合、クライアントは次のようにマップエントリを通じてマウントできます。


/usr/local/bin	 -ro	server:/usr/local/bin/$CPU

これで、すべてのクライアント上の同じエントリがすべてのアーキテクチャに適用されます。


注 -

どの sun4 アーキテクチャ向けに書かれたアプリケーションでも、ほとんどはすべての sun4 プラットフォームで実行できます。したがって、-ARCH 変数は sun4m ではなく、sun4 に固定されています。