Solaris のシステム管理 (第 3 巻)

チャットスクリプトを使用したダイヤルバックの有効化

組織によっては、リモートコンピュータからの呼び出しを処理するダイヤルインサーバーを設定する場合があります。たとえば、コールバックモデムを持つダイヤルインサーバーを配備し、社員が自宅のコンピュータから呼び出せるようにすることができます。ダイヤルインサーバーは、リモートマシンを識別すると、そのリモートマシンとのリンクを切断し、逆にそのリモートマシンを呼び出して、通信リンクが再確立されます。

Systems ファイルのチャットスクリプトで、コールバックが必要な箇所で ¥H オプションを使用することにより、コールバックの操作を簡素化することができます。ダイヤルインサーバーのハングアップが予想される箇所で、expect 文字列の一部として ¥H を使用します。

たとえば、ダイヤルインサーバーを呼び出すチャットスクリプトに、次のような文字列が含まれているとします。


INITIATED¥Hogin:

ローカルホストの UUCP ダイヤル機能は、ダイヤルインサーバーから INITIATED という文字列を受け取ることを想定しています。INITIATED 文字列を受け取ると、ダイヤル機能は、ダイヤルインサーバーがハングアップするまで、その後受信するすべての文字をフラッシュします。またダイヤル機能は、expect 文字列のその次の部分、つまり ogin: という文字列がダイヤルインサーバーから送られてくるのを待ちます。ogin: を受け取ると、ダイヤル機能はチャットスクリプトを先へ進めます。

上記のサンプルでは ¥H の前後に文字列が指定されていますが、これらはなくてもかまいません。